マン島の黄金
- エルキュール・ポアロ (40)
- エルキュール・ポアロ・シリーズ (37)
- 心理サスペンス (72)
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予想してたよりも〝当たり〟の短篇が多く、手にとって良かったです。 なかでも気に入ったのは、「孤独な神さま」「クィン氏のティー・セット」「白木蓮の花」の三篇。 「孤独な神さま」は、オー・ヘンリー風のロマンスの味わいが心地よかったです。 「クィン氏のティー・セット」は、ラスト付近の幻想的な雰囲気に魅せられました。 「白木蓮の花」は、〈テオドーラ・ダレル〉という女性キャラの孤高の佇(たたず)まいが、強く印象に残りました。本短篇集のマイ・フェイバリットは、この作品かな。 ほかに、「夢の家」「崖っぷち」「クリスマスの冒険」が〝当たり〟の作品でした。前二篇の異様な心理的スリルもさることながら、「クリスマスの冒険」で子供と戯れるエルキュール・ポアロにくすりとさせられました。 収録作品(初出年)は、以下のとおりです。 ☕ 夢の家(1926年)‥‥中村妙子 訳 ☕ 名演技(1923年)‥‥中村妙子 訳 ☕ 崖っぷち(1927年)‥‥中村妙子 訳 ☕ クリスマスの冒険(1923年)‥‥深町眞理子 訳 ☕ 孤独な神さま(1926年)‥‥中村妙子 訳 ☕ マン島の黄金(1930年)‥‥中村妙子 訳 ☕ 壁の中(1925年)‥‥中村妙子 訳 ☕ バグダッドの大櫃(ひつ)の謎(1932年)‥‥中村妙子 訳 ☕ 光が消えぬかぎり(1924年)‥‥中村妙子 訳 ☕ クィン氏のティー・セット(1971年)‥‥小倉多加志 訳 ☕ 白木蓮の花(1926年)‥‥中村妙子 訳 ☕ 愛犬の死(1929年)‥‥中村妙子 訳 | ||||
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〇電子書籍版発行……2012年8月25日 「メモとハイライト」「栞」機能……×(本文のどこに入れても、「目次」と表記) 表紙……×(なぜか著者の肖像写真) ページ表記……〇(あり) 表題作を無視して、「クィン氏のティーセット」の感想を……。 <ネタバレ注意> とんでもなく衝撃を受けた。 クリスティの落穂拾い的な最後の短篇集である本書に、クィン氏ものがひとつ収録されていることを知ったのがほんの数日前なのだが、Wikipediaの記述にこうあった。 No magazine publication of The Harlequin Tea Set has yet been traced; the story was first published in book form in the UK in Winter's Crimes #3 in 1971 by MacMillan つまり、書籍にはじめて収録されたのは1971年だが、雑誌に掲載された時期は判明していない……。 だからわたしは、当然執筆されたのは1924年~1930年のどこかで、「道化師の小径」の前か後くらいは、読めば判断できるだろうと思ったわけだ。 「愛の探偵たち」と同じく、「サタースウェイトは~」と呼び捨てなので、嵯峨静江訳がいいなぁとまずは思いつつ、最近の自動車が「どうもはじめのうち故障が多くてね、ハッハッハ」(P.280)という修理屋の台詞にサタースウェイト氏が苛立っていることには、エンジニアのはしくれとして、製造品の故障率がバスタブ曲線を描くのは少々許してねなんてツッコミを入れながら読み進めたが、サタースウェイト氏が、コルシカ、モンテ・カルロ、クルーピエなんて語句を頭に浮かべて、「いろいろな場所が脳裡にうかんでは消え、うかんでは消えした。そしてそのどこにでも彼はいる――しかし、彼のほかにも誰かがいた」(P.282)の一文に不穏なものを感じて、次の文章で衝撃を受けた。「こんな言葉がどうして気になったりしたんだろう?……〈ハーリクィン・カフェ〉ってのが……」(P.284) えっ、サタースウェイト氏はクィン氏を忘れてるの!? もちろんその後、彼はクィン氏を思い出すし、二人は再会して語らうのだが、どうやら前回二人が邂逅してから随分時が経ったらしく、リース公爵夫人をはじめ、サタースウェイト氏の知人の多くはすでに鬼籍に入っている。彼自身はまだ歩き回れるくらいには矍鑠としているものの、思考や記憶の減退は感じているらしい。今回二人が話題にするサタースウェイト氏の友人たちに関して、「わしや同時代のものたちは、戦争ちゅうは人に会うのに骨がおれたからなあ」「戦闘機のパイロット」(296頁)に、この「戦争ちゅう」は第二次世界大戦のことだよなと思う間もなく、終戦後にその友人の娘が結婚してケニヤで息子を設け、その「彼ももう二十三……いや、二十四だからなあ」(P.296)……。 終戦の翌年にその息子が生まれたとして、本作は1946+24=1970年。 著者が執筆時にわざわざ舞台を未来に設定したと考える理由もないので、Winter's Crimes #3には書下ろしで載せた可能性が大きいのでは。 ただしこの考察には、大きなツッコミ処がある。 1929年に執筆された「海から来た男」でサタースウェイト氏は69歳とある。 単純に執筆時=作中時代とすれば、本作品時点でサタースウェイト氏は110歳になってしまうw うーん、第一次欧州大戦時に軍用機は登場していても、戦闘機とは呼ばれていなかったと思うのと、自動車関連の記述をはじめとした雰囲気、なにより世に出た1970年がピタっと合うので、「戦争ちゅう」は第二次大戦中だと決めつけたが、第一次大戦と考えるべきか。 1919+24=1943年。サタースウェイト氏83歳。 年齢的にはこちらの方がフィットするのだけど、1943年は戦争真っただ中、ノルマンディー上陸前だしな……。 アガサさん、もう少し辻褄を合せやすく設定を考えてほしかったww とにかくいずれにせよ、わたしが「惜しむらくは、もう一篇~」と思っていた、まさにシリーズの〆として書かれた作品であった。 わたしが想像したようなものではなかったが、「いや、間もなく会えるよ」(306頁)の一文が意味深だ。案山子としてのことかもしれないがw | ||||
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いろんな物語が読めてお得。 どの短編もほぼがっかりさせない。さすが。 | ||||
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アガサスクリスティは大好きですが、ミステリーが好きなのでポアロ、マープルなどのシリーズは読みますがロマンスは読みません。 これはポアロなどの短編も入っているとのことで購入しましたが、ポアロの短編などに入っている作品や非ミステリーが多く… コレジャナイ感が強かったです。 | ||||
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ミステリ―と言えないような作品も含まれている短編集。メダウォーによる「まえがき」や「あとがき」も、作品を理解するうえで参考になる。個人的には、風刺の利いた「孤独な神さま」が最も印象に残った。 「夢の家」 「白亜の美しい家」と「美しい女性」。「家」と「人間」の持つ類似点が示唆されている。外見と内面は違うこと、その違いは中に入る人、その人の気持ちの持ち方や病気に影響されることなど。内面をのぞくことの恐ろしさを感じさせる作品。 「名演技」 大女優の過去に気づいた男がそれをネタに揺すろうとする話。女優の持ち前の演技力が功を奏する。 「崖っぷち」 好きだった男性ジェラルドの妻が浮気をしていることを知ったことで起こる、クレアの心理的葛藤が描かれている。 「クリスマスの冒険」 「クリスマス・プディングの冒険」のもとになった話。子供たちがいたずらでポアロをかつごうとするが、実際に騙されたのは誰だったのか。 「孤独な神さま」 ファンタジックで風刺の利いた話。「孤独な神さま」に惹かれて博物館を訪れた男と女。やがて、二人は親しくなっていく。その二人の間をとりもった神さまが最後に見たものは何であったか。 「マン島の黄金」 実際に行われた宝探しの企画のヒントが小説中に盛り込まれているという異色作。ストーリー自体はありきたりで平凡。 「壁の中」 画家アラン、その妻イザベル、二人の娘の代母のジェインの心理的な三角関係。あとがきに書かれているように解釈の難しい話。ジェインはなぜイザベルにお金を渡していたのだろうか。アランの心を掴んでいたことの償いだったのだろうか。 「バグダッドの大櫃の謎」 「スペイン櫃の秘密」のもとになった話。犯人の仕組んだ罠はなかなか巧妙。ポアロの自意識過剰、自信満々の発言が印象的。 「光が消えぬかぎり」 恋人が戦死したと聞いて、裕福な男性と結婚したディアドリ。その恋人は実際は死んでおらず、再会する。ディアドリは裕福な今の暮らしと元恋人との愛のどちらを取るのか。ラストの場面の描写は曖昧で、作者の真意がよくわからなかった。 「クイン氏のティー・セット」 「謎のクイン氏」の番外編で、クイン氏はいつものようにサタースウェイトにヒントを与えるだけで去っていく。かって親交のあった家族に招待されたサタースウェイトはそのヒントを手掛かりに邪悪な企みを見抜く。 | ||||
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