忘られぬ死



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    初公開日(参考)1954年01月
    分類

    長編小説

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    忘られぬ死 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

    2004年05月14日 忘られぬ死 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

    男を虜にせずにはおかない美女ローズマリー。彼女が自分の誕生パーティの席上で突如毒をあおって世を去り、やがて一年―彼女を回想する六人の男女がいた。彼らが一年前と同じ日、同じ場所に再び集ったとき、新たな悲劇の幕が上がった!複雑な人間関係と巧みなプロット、鮮やかなトリックが冴える中期の秀作。 (「BOOK」データベースより)




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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.12:
    (5pt)

    金のない夫の口までを封じる殺人はありうるか?

    本書『忘られぬ死』の原書タイトルは、SPARKLING CYANIDE
    直訳すると、泡を吹くシアン化合物。
    「シアン化合物」とは、殺人犯人が使った毒物、青酸カリ。
    「泡を吹く」とは、スパークリング・ワインのシャンパン。

    犯人は、シャンパン・グラスの中に「青酸の結晶」(253頁)を入れて殺したのです。
    直訳では、アガサのいつもの毒殺ものか、とタイトルだけでネタバレですものね。
    そうかと言って、本書のタイトルのように意訳するのも、純文学的で・・・

    「忘られぬ死」。未読の読者には意味不明のタイトルです。
    本文を読み終わってみると、心にしみてくるタイトルです。

    「忘(わす)られぬ死」
    夫ジョージは、一年前の妻ローズマリーの死を忘れられません。
    莫大な遺産を手に入れて富豪になった妻の死は、
    自殺ではなくて、殺人だったのでは、と夫は疑います。

    妻が自殺するわけはないと考えた夫は、
    妻を殺した犯人を驚かしてやろうとサプライズを企画します。

    「ローズマリー、それは、記憶。 / 忘却はゆるされない」(65頁)
    「ほら、ローズマリーだよ、花ことばは記憶」(149頁)

    「忘られぬ死」とタイトルを意訳した訳者の気持ちも、もっともですね。
    急死した妻を忘れられない夫は、本当に妻を愛していたんです。

    本書の「目次」
    第一篇 ローズマリー
    第二篇 万霊節
    第三篇 アイリス

    「ローズマリーはアイリスより六つ年上だった」(11頁)
    姉ローズマリーと妹アイリスの物語。
    姉が死んだら、遺産はそっくり妹へ移るはずでした。

    姉ローズマリーが死んだ「あの日は万霊節だった」(261頁)
    姉の莫大な遺産が、妹アイリスに移った「あの日」。

    その一年後、「アイリスの十八歳の誕生日を祝うパーティ」(163頁)が催されました。
    その席で、ローズマリーの夫ジョージが毒で殺されました。
    お金がない夫なのに殺されてしまいました。
    シャンパン・グラスに入れられた青酸カリによる殺人でした。

    何者が毒薬を入れたのか? 気が付いた人間がひとりもいない。誰も見ていない。
    妻の死は、自殺ではなく、殺人だった、と疑っていた夫は、
    妻の死んだ一年後に、妹の誕生日ディナー・パーティを企画しました。

    自分と同じテーブルに、死んでしまった妻のために空席を用意したのです。
    殺した犯人を驚かすために、犯人を動揺させる罠をしかけたのです。

    この「空席の謎」(364頁)は、
    妻にそっくりな元女優のミス・クロイ・ウェストの説明であっけなくとけてしまいました。
    「登場人物」の最後に《クロイ・ウェスト………元女優》と入れてほしいです。

    本書の表紙カバーの写真は、その「空席」の写真のように感じられました。
    写真の中に、(縦長の細い)「シャンパン・グラス」は見当たりません。
    ロウソクで照らし出された「HAPPY BIRTHDAY」のテーブルクロスの文字が不気味。

    ローズマリーの夫ジョージが殺されたわけ? 口封じ? あるいは、単なる間違い?
    殺されなくてもいい人間が、間違って殺されるなんてこともある、この世です。
    この世の不条理。それこそ、サスペンス小説のネタです。ネタはいつまでも尽きません。
    忘られぬ死 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1‐80))Amazon書評・レビュー:忘られぬ死 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1‐80))より
    415070080X
    No.11:
    (5pt)

    あまり評判にならない作品だけど、これは素晴らしい。忘れがたいクリスティー・ミステリのひとつになりました。

    主要登場人物の印象ががらりと変わるところに、この作品の一番の魅力を感じました。
    ローズマリー・バートンならびにアイリス・マール。姉妹であるこのふたりの人物像が、二転三転したんですよね。読んでいる時と、読み終えた時とで。決まりきったものと捉えていたその印象の変化が、自分でも全く思いがけなくて、なんというか、著者のクリスティーにうまいこと操られていたんだなあと。

    そういえば、この作品が出版されたのは1945年(昭和20年)。この前年の1944年に、恐るべき傑作『春にして君を離れ』が出版され、また1946年には、個人的にとても気に入っている『ホロー荘の殺人』が出版されている。
    その二作品にはさまれた本書は、あまり話題にならないけれど、読みがいのある見事な作品だと思いました。
    忘られぬ死 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1‐80))Amazon書評・レビュー:忘られぬ死 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1‐80))より
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    No.10:
    (3pt)

    トリックと犯人の残念さが目立つ

    クリスティの作品はどれもトリックや人物描写が大変優れていますが、これはどちらかというと人物描写に重きを置いた方かと思います。
    登場人物たちの思惑が絡み合った、人間関係や心理描写、恋愛描写は素晴らしいの一言に尽きます。
    その中でも特に恋愛色が強めで、クリスティの描くロマンスが大好きなのでとても楽しめました。

    反対に、トリックの方はかなり強引なのが残念でした。
    誰一人あのことに気づかないって、あり得ないのではないでしょうか。
    また、犯人は思ってもみなかった人物でしたが、驚きよりも拍子抜けする感覚の方が強く、ちょっとがっかりしてしまいました。
    動機の描き方が充分ではなく、衝撃を受けたり憤りを感じたり同情したり…といったような感情が一切湧いてこなかったからかもしれません。

    素晴らしい人物描写よりも、このトリックと犯人の残念さの方が目立ってしまい、全体的な満足度は少々低めです。
    悪くはないのですが、クリスティの他の作品に比べると特別印象に残る作品ではありませんでした。
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    No.9:
    (5pt)

    非ミステリ物

    アガサが別名義で書いた、非ミステリ物。でも、それなりのどんでん返し?もあって、クリスティーらしくもありました。
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    No.8:
    (4pt)

    解決するのはポワロ氏やミス・マープルではありませんぞ

    犯人は予想通りでしたが、完答はできませんでした。呼称が同一人物でも変わるので、モヤモヤしてしまいます。ポワロやマープルものに比べると、少しゴチャゴチャしてましたが、容疑者一人一人が順を追って描かれて、なるほどなるほどと読み進めれる辺りは、流石にアガサクリスティだと感心させられました。主犯にたどりつけなければ、私の勝ちですよ~、へへェ。
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