パディントン発4時50分
- ミス・マープル・シリーズ (17)
- 安楽椅子探偵 (187)
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本書『パディントン発4時50分』は、1957年の作品。 第二次世界大戦で英国、フランスがドイツと戦った時代が終わった。 その時代背景が残っている物語です。 登場人物の「エドマンド」は、その戦争で戦死しました。 長男エドマンドには、フランス人のマルチーヌと結婚したという噂がありました。 「彼が戦死する直前に、フランス人女性と結婚するつもりだった、あるいは結婚した、という話をお聞きになりましたか?」(339頁) こういう噂から、殺された女はマルチーヌだったのでは、という推理につながっていきます。 こんな調子ですから、噂が噂を呼んで……。村の人たちは、とにかく噂好きなんです。 警察は地道に聞き取り調査を続けますが、噂が混じりこむので、よけい混乱します。 警察関係者には推理力が不足しているので、殺人容疑者を絞り込めないでいます。 いくら聞き取り調査を続けても、埒があきません。 そのうち、別の殺人事件がふたつも起きます。 こんな村人たちの支離滅裂な根拠のない噂話には、マープルは慣れています。 噂話の中から、直感的にクールに推理のストーリーを組み立てていきます。 推理なので、証拠が不十分です。 不足の情報は、老体にもかかわらず、自ら情報収集していきます。 マープルは、あと、どのような証拠が必要なのかを考えます。 まるで探偵のように根気強く。 そしてマープルは殺人犯人に自供させるために、最後は芝居を打ちます。 この芝居によって、殺人犯人は観念し、本性を表します。 ここが面白い。 マープルの「ちょっとした作戦」(414頁)なんですが。 「殺人の目撃者(傍点あり)がいたんです」(409頁)とマープルが詰め寄ると、 「このばばあ」(409頁)と、殺人鬼は言葉遣いまで急変して本性をあらわしました。 マープルの作戦、大成功です。 「後ろ姿にだってその人らしさがあるものだ」(413頁) それにしても、 遺産を受け取る人数が少なくなるほど、山分け分が多くなると考えて、 殺人を繰り返すなんて! 人間を狂わす金(かね)。 金銭欲にかられた殺人。 | ||||
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導入部~序盤にかけての話は、実に気が利いていて面白かったです。まるで、映画でも観ているみたいな映像的な面白さ。わくわくしながら頁をめくってました。 登場人物のなかではなんといっても、プロフェッショナルな家政婦、ルーシー・アイルズバロウの生き生きとした活力に魅了されました。彼女が、クラッケンソープ家の男たちの誰彼から迫られるところ(とりわけ、当主のおとっつぁんの豪放磊落ぶりときたら!)。おかしくて、くすりとしちゃったな。 一方で、第二十二章以降の展開はあまりにもトンデモ過ぎて、私はちょっとついていけませんでした。 松下祥子(まつした さちこ)さんの訳文は、実にこなれていて、読みやすかったです。 | ||||
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並走する列車内での絞殺をマープルの友人が目撃するとか、冒頭からいきなり楽しませてくれます。 そしてその絞殺死体が発見されたお屋敷に住む面々がとても個性的で、しかも全員最低でも一回は「こいつが犯人か?」と疑ってしまうくらいにミスリードも巧みで大変楽しめました。 ただ、私の見落としがなければ手掛かりが全て開示されているわけではないようでしたので、真相が明かされても釈然としない感じはあります。 ミステリーとしてみるとそんなに質が高いわけではないのですが、しかしこの作品の面白さは別のところにあると思っています。 今回マープルは体調不良であまり動けないため、ルーシーという頭脳明晰なスーパー家政婦をお屋敷に送り込むのですが、このルーシーが非常に魅力的な人物に描かれています。 この作品がここまで面白いのは、ひとえに彼女のおかげと言っても過言ではないでしょう。 そしてそんなルーシーと、お屋敷に住むそれぞれ全くタイプの異なる男性陣との恋模様も面白い。 全員に言い寄られるとか、少女漫画みたいな展開をまさかミステリーで拝むことになろうとは…。 ミステリー部分はそこそこに、クリスティの描く人間模様がお好きな方には、この作品を激しくお勧めします。 | ||||
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今まで何冊もamazonで古本買っていて、あまりひどいのが来たことはないのですが 今回の本はひどかった。 確かに状態は”可”としてあり図書館落ちですから仕方が無いのかもしれませんが 装丁は透明ガムテープ中身は変色著しく。破れや折れ書き込みこそないもののううむ。 古本屋の店頭ワゴン100円本でもめったに見ないレベルでした。残念 可でなく不可では | ||||
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ルーシーは魅力的で、今作だけの登場なのは非常にもったいない。 登場人物たちの心情や駆け引きの描写はさすがクリスティ! ただ、肝心の謎解きが唐突で、最後マープルが仕掛けた犯人をあぶりだすための手段も結構ギリギリ。成功率が決して高くないでしょ、そのやり方! シチュエーションの面白味を愉しむタイプで、クリスティ作品の中では亜流のサスペンスです。ミステリとはちょっと違う。 | ||||
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