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マン島の黄金
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マン島の黄金の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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予想してたよりも〝当たり〟の短篇が多く、手にとって良かったです。 なかでも気に入ったのは、「孤独な神さま」「クィン氏のティー・セット」「白木蓮の花」の三篇。 「孤独な神さま」は、オー・ヘンリー風のロマンスの味わいが心地よかったです。 「クィン氏のティー・セット」は、ラスト付近の幻想的な雰囲気に魅せられました。 「白木蓮の花」は、〈テオドーラ・ダレル〉という女性キャラの孤高の佇(たたず)まいが、強く印象に残りました。本短篇集のマイ・フェイバリットは、この作品かな。 ほかに、「夢の家」「崖っぷち」「クリスマスの冒険」が〝当たり〟の作品でした。前二篇の異様な心理的スリルもさることながら、「クリスマスの冒険」で子供と戯れるエルキュール・ポアロにくすりとさせられました。 収録作品(初出年)は、以下のとおりです。 ☕ 夢の家(1926年)‥‥中村妙子 訳 ☕ 名演技(1923年)‥‥中村妙子 訳 ☕ 崖っぷち(1927年)‥‥中村妙子 訳 ☕ クリスマスの冒険(1923年)‥‥深町眞理子 訳 ☕ 孤独な神さま(1926年)‥‥中村妙子 訳 ☕ マン島の黄金(1930年)‥‥中村妙子 訳 ☕ 壁の中(1925年)‥‥中村妙子 訳 ☕ バグダッドの大櫃(ひつ)の謎(1932年)‥‥中村妙子 訳 ☕ 光が消えぬかぎり(1924年)‥‥中村妙子 訳 ☕ クィン氏のティー・セット(1971年)‥‥小倉多加志 訳 ☕ 白木蓮の花(1926年)‥‥中村妙子 訳 ☕ 愛犬の死(1929年)‥‥中村妙子 訳 | ||||
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〇電子書籍版発行……2012年8月25日 「メモとハイライト」「栞」機能……×(本文のどこに入れても、「目次」と表記) 表紙……×(なぜか著者の肖像写真) ページ表記……〇(あり) 表題作を無視して、「クィン氏のティーセット」の感想を……。 <ネタバレ注意> とんでもなく衝撃を受けた。 クリスティの落穂拾い的な最後の短篇集である本書に、クィン氏ものがひとつ収録されていることを知ったのがほんの数日前なのだが、Wikipediaの記述にこうあった。 No magazine publication of The Harlequin Tea Set has yet been traced; the story was first published in book form in the UK in Winter's Crimes #3 in 1971 by MacMillan つまり、書籍にはじめて収録されたのは1971年だが、雑誌に掲載された時期は判明していない……。 だからわたしは、当然執筆されたのは1924年~1930年のどこかで、「道化師の小径」の前か後くらいは、読めば判断できるだろうと思ったわけだ。 「愛の探偵たち」と同じく、「サタースウェイトは~」と呼び捨てなので、嵯峨静江訳がいいなぁとまずは思いつつ、最近の自動車が「どうもはじめのうち故障が多くてね、ハッハッハ」(P.280)という修理屋の台詞にサタースウェイト氏が苛立っていることには、エンジニアのはしくれとして、製造品の故障率がバスタブ曲線を描くのは少々許してねなんてツッコミを入れながら読み進めたが、サタースウェイト氏が、コルシカ、モンテ・カルロ、クルーピエなんて語句を頭に浮かべて、「いろいろな場所が脳裡にうかんでは消え、うかんでは消えした。そしてそのどこにでも彼はいる――しかし、彼のほかにも誰かがいた」(P.282)の一文に不穏なものを感じて、次の文章で衝撃を受けた。「こんな言葉がどうして気になったりしたんだろう?……〈ハーリクィン・カフェ〉ってのが……」(P.284) えっ、サタースウェイト氏はクィン氏を忘れてるの!? もちろんその後、彼はクィン氏を思い出すし、二人は再会して語らうのだが、どうやら前回二人が邂逅してから随分時が経ったらしく、リース公爵夫人をはじめ、サタースウェイト氏の知人の多くはすでに鬼籍に入っている。彼自身はまだ歩き回れるくらいには矍鑠としているものの、思考や記憶の減退は感じているらしい。今回二人が話題にするサタースウェイト氏の友人たちに関して、「わしや同時代のものたちは、戦争ちゅうは人に会うのに骨がおれたからなあ」「戦闘機のパイロット」(296頁)に、この「戦争ちゅう」は第二次世界大戦のことだよなと思う間もなく、終戦後にその友人の娘が結婚してケニヤで息子を設け、その「彼ももう二十三……いや、二十四だからなあ」(P.296)……。 終戦の翌年にその息子が生まれたとして、本作は1946+24=1970年。 著者が執筆時にわざわざ舞台を未来に設定したと考える理由もないので、Winter's Crimes #3には書下ろしで載せた可能性が大きいのでは。 ただしこの考察には、大きなツッコミ処がある。 1929年に執筆された「海から来た男」でサタースウェイト氏は69歳とある。 単純に執筆時=作中時代とすれば、本作品時点でサタースウェイト氏は110歳になってしまうw うーん、第一次欧州大戦時に軍用機は登場していても、戦闘機とは呼ばれていなかったと思うのと、自動車関連の記述をはじめとした雰囲気、なにより世に出た1970年がピタっと合うので、「戦争ちゅう」は第二次大戦中だと決めつけたが、第一次大戦と考えるべきか。 1919+24=1943年。サタースウェイト氏83歳。 年齢的にはこちらの方がフィットするのだけど、1943年は戦争真っただ中、ノルマンディー上陸前だしな……。 アガサさん、もう少し辻褄を合せやすく設定を考えてほしかったww とにかくいずれにせよ、わたしが「惜しむらくは、もう一篇~」と思っていた、まさにシリーズの〆として書かれた作品であった。 わたしが想像したようなものではなかったが、「いや、間もなく会えるよ」(306頁)の一文が意味深だ。案山子としてのことかもしれないがw | ||||
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いろんな物語が読めてお得。 どの短編もほぼがっかりさせない。さすが。 | ||||
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アガサスクリスティは大好きですが、ミステリーが好きなのでポアロ、マープルなどのシリーズは読みますがロマンスは読みません。 これはポアロなどの短編も入っているとのことで購入しましたが、ポアロの短編などに入っている作品や非ミステリーが多く… コレジャナイ感が強かったです。 | ||||
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ミステリ―と言えないような作品も含まれている短編集。メダウォーによる「まえがき」や「あとがき」も、作品を理解するうえで参考になる。個人的には、風刺の利いた「孤独な神さま」が最も印象に残った。 「夢の家」 「白亜の美しい家」と「美しい女性」。「家」と「人間」の持つ類似点が示唆されている。外見と内面は違うこと、その違いは中に入る人、その人の気持ちの持ち方や病気に影響されることなど。内面をのぞくことの恐ろしさを感じさせる作品。 「名演技」 大女優の過去に気づいた男がそれをネタに揺すろうとする話。女優の持ち前の演技力が功を奏する。 「崖っぷち」 好きだった男性ジェラルドの妻が浮気をしていることを知ったことで起こる、クレアの心理的葛藤が描かれている。 「クリスマスの冒険」 「クリスマス・プディングの冒険」のもとになった話。子供たちがいたずらでポアロをかつごうとするが、実際に騙されたのは誰だったのか。 「孤独な神さま」 ファンタジックで風刺の利いた話。「孤独な神さま」に惹かれて博物館を訪れた男と女。やがて、二人は親しくなっていく。その二人の間をとりもった神さまが最後に見たものは何であったか。 「マン島の黄金」 実際に行われた宝探しの企画のヒントが小説中に盛り込まれているという異色作。ストーリー自体はありきたりで平凡。 「壁の中」 画家アラン、その妻イザベル、二人の娘の代母のジェインの心理的な三角関係。あとがきに書かれているように解釈の難しい話。ジェインはなぜイザベルにお金を渡していたのだろうか。アランの心を掴んでいたことの償いだったのだろうか。 「バグダッドの大櫃の謎」 「スペイン櫃の秘密」のもとになった話。犯人の仕組んだ罠はなかなか巧妙。ポアロの自意識過剰、自信満々の発言が印象的。 「光が消えぬかぎり」 恋人が戦死したと聞いて、裕福な男性と結婚したディアドリ。その恋人は実際は死んでおらず、再会する。ディアドリは裕福な今の暮らしと元恋人との愛のどちらを取るのか。ラストの場面の描写は曖昧で、作者の真意がよくわからなかった。 「クイン氏のティー・セット」 「謎のクイン氏」の番外編で、クイン氏はいつものようにサタースウェイトにヒントを与えるだけで去っていく。かって親交のあった家族に招待されたサタースウェイトはそのヒントを手掛かりに邪悪な企みを見抜く。 | ||||
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全12作を収録。その内訳は、ポアロ物2編、クィン物1編、特定の探偵役が登場しないミステリー2編、心理サスペンス1編、超自然的な要素を持つ幻想譚2編、ロマンスを基軸にしたメロドラマ調の物語4編と、良く言えば多彩な、悪く言えば雑多なラインナップとなっています。 このような特異な構成になっているのは、本書の原書である『While the Light Lasts and Other Stories』がクリスティの没後21年も経った1997年に英国で発刊された拾遺集であるためです。 クリスティは作家活動を始めた1920年代に精力的に各誌に短編を発表しました。その数は約90にも上りますが、それらの一部は諸事情により、初掲載後いずれの短編集にも採録されることなく、埋もれたままになってしまったのです。それらを掘り起こし、改めて1冊にまとめたのが『While the Light Lasts and Other Stories』というわけです(ただし、厳密にいえばポアロ物の2作は発売後あまり経たずに絶版になった短編集や米国で編集された短編集に載っています)。 そうした経緯で編まれたコレクションであるため、まだクリスティ作品をあまり読んでいないという方は後回しにされることをお勧めします。というのは、ここに収められた諸作には、以後の作品の原型であったり、結果的に習作あるいは実験作となった作品が多く含まれているためです。そうした作品には当然のことながら後年確立されるクリスティらしさはまだ乏しく、内容的にも粗さが見られることもあります。しかし、クリスティの作品をあらかた読んだ後で読むと、感じ方が変わってきます。あれ、これはとか、へえ、こんなのも、といった発見が次々と出てきて、クリスティがデビューから充実期に向かう10年間、年齢でいえば30から40歳にかけての時期の試行錯誤が垣間見えてきます。これこそ、長きにわたって埋没していた作品を集めた本書ならでは魅力でしょう。 なお、本書は形態により、収録作品が異なります。単行本は原書と同じ9編のみ。ハヤカワ・ミステリ文庫ではそれに「クィン氏のティー・セット」を加えた10編。クリスティー文庫ではさらに「白木蓮の花」「愛犬の死」を追加した12編となっています。文庫化されてから追加された3編は、英国では1991年発行の『Problem at Pollensa Bay and Other Stories』(こちらも拾遺集ですが、米国版短編集には載っていた作品も多く含まれています)に収録されていました。クリスティー文庫ではこの3編がいずれの短編集にも入っていないため、本書にまとめられたと思われます。これから読まれるのであれば、話数の多いクリスティー文庫版がベストです。 以下、収録作品のレビューを付します。並びは、目次順ではなく、初出の年代順です。 名演技 短編作家としてのクリスティの活動はポアロ物の短編を一気に25本発表することから始まりますが、この25作は前期12作と後期13作に分かれています。本作はその狭間で発表されました。最初期で、かつポアロ物でないという点で貴重な一編です。デビューしたての新進作家の勢いを感じさせる、シャープな出来映えを味わえます。 クリスマスの冒険 最初期のポアロ物25作のうち、24番目に発表された作品。後の中編「クリスマス・プディングの冒険」(『クリスマス・プディングの冒険』収録)の原型で、筋立てはほとんど同じです。短い分コンパクトなので、事件そのものを追うにはこちらのほうが明快でしょう。ただ、英国の伝統的なクリスマスの雰囲気を味わうには紙幅が足りず、中編に劣ります。どちらが好みか、読み比べてみるのも一興かもしれません。 光が消えぬかぎり 執筆当時英領だったローデシア(現ジンバブエ)を舞台にしたメロドラマ。戦争によって最愛の人と結ばれることを阻まれたヒロインの想いを、現地の特産物である煙草をギミックに用いながら綴っていきます。 壁の中 原書に収録されていた9編には、編者によるあとがきという名の解説がそれぞれ個別に付されています。本作の場合、そこで“曖昧”というやや辛口な評が添えられていますが、あまり捻った見方をせず、ストレートに読めばそれほど曖昧な話とは思えません。ただ、味付けはちょっとビターなので、その点はあらかじめご留意を。 夢の家 主人公が死を迎えることを最初に明示し、どのようにしてそこに至ったのかが語られていきます。巻末の解説にもあるように、ダフネ・デュ・モーリア(ヒッチコックの監督作品『レベッカ』『鳥』の原作者)の作風を感じさせる作品です。 白木蓮の花 男女の三角関係を基軸にしたメロドラマ。既婚者であるヒロインが、女としての想いと、妻としての道義感との間で苦悩します。ミステリー要素を排した、恋愛メインの小説におけるクリスティの手腕を知ることができます。 孤独な神さま なんとも愛らしく、微笑ましい話。読み終わった後、ほっこりした気持ちを味わうことができるでしょう。運命の素敵さを感じさせてくれる作品です。 崖っぷち 最終盤になって、それまでの世界が一気に崩壊し、狂気が全面に吹き出してきます。この異様な読後感はクリスティ作品では珍しく、一読忘れがたい印象を残します。クリスティが失踪事件を起こす直前に書かれた、というのが掲載時の惹句だったようですが…… 愛犬の死 犬好きだったクリスティらしい一編。ただちょっとクセがあり、愛犬を思うヒロインがかなり思い切った、というより突飛な行動に出るため、それを受け入れられるかどうかで好みが分かれるかもしれません。 マン島の黄金 観光客誘致のために書かれた、読者参加型の謎解き話。一応小説の形は取っていますが、あくまで宝探しのためのヒントテキストなので、単体でミステリーとしての評価を云々してもあまり意味はないでしょう。こういうものまでよく残っていたなあ、と感慨にふけりつつ、あとがきにある詳しい解説とマン島の地図を片手に、疑似参加気分で楽しむのがオススメです。 バグダットの大櫃の謎 『黄色いアイリス』収録の同名作の改訳版。ポアロとヘイスティングスが交わすやりとりの文体が、だ・である調から、です・ます調に変わっていますが、それ以外に大きな違いはありません。話自体は隙なくまとまった本格志向の作品で、ポアロ物短編の中でも上位に属します。後に「スペイン櫃の秘密」(『クリスマス・プディングの冒険』収録)として中編化されました。また、ヘイスティングスが語り手を務めた短編はこれが最後となっています。 クィン氏のティー・セット 短編にしか登場しない神秘の探偵ハーリ・クィンの第14作にして最終作。本書収録の他の11編と異なり、クリスティの晩期に書かれた作品で、生前に発表された最後の短編となりました。クィン物13編全体に対する後日談であり、中でもクィンとサタースウェイトという主役2人の間に残っていた、感情的なしこりを解決することを目的にしています。ミステリーとしてはやや浅いものの、ファンをほっとさせてくれるという点で必読でしょう。ラストでは、色彩を重要な要素としたクィンシリーズに相応しい、美しい幕切れを見せてくれます。 ―コアなクリスティ・ファン向けの書誌情報― 【初出誌に関して】 本書収録の12作が初めて掲載された媒体は9種類に及びます。以下にその一覧を挙げます。クリスティ作品を多数読まれている方は他の掲載作と比較しながら、なぜ本書収録作が埋もれてしまったのか推測するのも面白いかもしれません。 Pearson's Magazine ・崖っぷち:374号/1927年2月 この月刊誌に掲載された唯一のクリスティ短編。 The Daily Dispatch ・マン島の黄金:新聞/1930年5月23~24及び26~28日号 この新聞に掲載された唯一のクリスティ作品。 The Grand Magazine ・愛犬の死:295号/1929年9月 この月刊誌に掲載されたクリスティの短編は全17作。『おしどり探偵』中、発表順では一番最初にあたる「牧師の娘」を皮切りに、『クィン氏登場』中の5作、『リスタデール卿の謎』中の6作、『死の猟犬』中の4作が続き、最後に発表されたのが「愛犬の死」でした。 The Novel Magazine ・名演技:218号/1923年5月 ・光が消えぬかぎり:229号/1924年4月 この月刊誌で発表されたクリスティの短編は全3作。本書収録2作の後、『リスタデール卿の謎』収録の「イーストウッド君の冒険」が掲載されています。 The Royal Magazine ・壁の中:324号/1925年10月 ・白木蓮の花:329号/1926年3月 ・孤独な神さま:333号/1926年7月 この月刊誌に掲載されたクリスティの短編は全9作。本書収録3作の後、『火曜クラブ』中、前半6作(「火曜クラブ」「アスタルテの祠」「金塊事件」「舗道の血痕」「動機対機会」「聖ペテロの指のあと」)が発表されました。 The Sketch magazine ・クリスマスの冒険:1611号/1923年12月11日 クリスティが短編でデビューした週刊誌で、最初期の主な活動場所となりました。「クリスマスの冒険」を含むポアロ物25作、『おしどり探偵』中、「牧師の娘」を除く14作、合計39作が1923~1924年の間に集中的に発表されました。 The Sovereign Magazine ・夢の家:74号/1926年1月 この月刊誌に掲載されたクリスティの短編は全2作。本書収録作の後、『死の猟犬』収録の「最後の降霊会」が発表されています(ただし、「最後の降霊会」の初出は米誌“Ghost Stories”)。 The Strand Magazine ・バグダッド大櫃の謎:493号/1932年1月 ホームズ譚が発表されていたことで知られる月刊誌。クリスティは「バグダッド大櫃の謎」を含むポアロ物21作、さらにマープル物4作、パイン物1作の合計26作を発表しています。ただし、ポアロ物の「Poirot and the Regatta Mystery」は後にパイン物の「The Regatta Mystery」へと書き直されました。 Winter's Crimes ・クィン氏のティー・セット:3号/1971年 さまざまな作家の作品を集めて年に1度発刊されていたアンソロジーで、「クィン氏のティー・セット」はその第3号に収録されました。アンソロジーは24号まで発売されましたが、以後クリスティ作品が掲載されることはありませんでした。 | ||||
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英語を勉強している方にリスニング効能のためにと原書と一緒に贈りましたが、このCDはUnabridged 版(非省略版)なので、原書を目で追いながら聴くことができると思います。 今まで知りませんでしたが、オーディオブックは往々にしてabridged版(省略版)なので、このCDは貴重だと思います。 | ||||
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タイトルになっている「マン島の黄金」以外は実に面白い。「マン島の黄金」は「あとがき」を読んでも良く分からない。長編に発展させるべきものだったんじゃなかったのかなと思わせるほどの中途半端さが、隔靴掻痒でたまらない。英文も掲載されているけど、あまり大して英語のお勉強にもならない。 他の作品は女性の心もちをうまく描いた三角関係がらみの犯罪が中心。 | ||||
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クリスティーが好きなので買いました。全部はシリーズを買えないけどいつか全部図書館で借りて読みたいです。 | ||||
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一応星を1つ下げたのはミステリーではないいわゆるホラーの作品、ロマンス系の作品が紛れ込んでいるからです。悪くはないのですが、ちょっとこのミステリ文庫に入れるのには無理があったのでは、と感じました。もちろん作品名がこうなっているのでお勧めの作品はやはり表題作だと思います。なぜならば、この作品自体がちょっと特殊な形式をとっているからです。それは「宝探し」を目的として書かれているからです。もちろん現実の宝探しですよ。さすがに簡単だろう?と思ったら大間違い。考え込まないとわからない謎解きとなっていますし、にくいことに、罠までついています。さすが女史、観光目的に寄稿した作品でも手抜きは一切しないのです。ちなみに現実では解いたものもありましたが未解決のものもありました。これは難しかったですものね。もうひとつは知る人ぞ知るクィン氏登場作品です。彼は今回は直接事件には関与はしませんが暗示を与えてくれているのです。そのおかげで無事に事件は解決されるというもの。彼が最後にした心憎い演出にかっこいいと思うことでしょう。短篇集がはずれな作品が散見される女史の作品でも読める作品が多いです。 | ||||
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「愛の旋律」の解説で、もとい、訳者の「アガサクリスティとウェストマコット」という訳者あとがきで、本書の「壁のなか」が、愛の旋律の登場人物と対比して考えることができるとの示唆があった。アラン、その妻イザベルとジェーンが、愛の旋律のヴァーノン、ジェーン、ネル、との関係との比較だ。愛の旋律を先に読んでいたので、なるほどと思いながら読んだ。アガサクリスティの作品にある、アガサクリスティ自身は誰だろうと思いながらも読んだ。アガサクリスティ作品の楽しみ方の一つだと思った。 | ||||
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表題作は、いまいち地理的なイメージがつかめなかったので「ふーん」と言う感じでしたが、あの2人が「トミーとタペンス」に重なって、読んでいてたのしかったです。重なるといえば、「壁の中」と「春にして君を離れ」も重なりました。結末が曖昧(でも、語り手の言葉のはしばしからすると・・・私は、結局殺したのかな?(おおっと、でも誰が誰をって言っているわけじゃないからね!)と思います)なのも想像をかきたててくれてすごく効果あります。結局、「変な勇気があったほうの『春にして君を離れ』」という感じです。クィン氏の短編が入っていたのも嬉しいな。 | ||||
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アガサ・クリスティのファンとしては、新しい本は楽しみなもの。しかもそれが埋もれていた作品となれば興味津々。実際にあけてみれば、ある程度予想できたことでしたが、実に様々な面を見せてくれるおもちゃ箱でした。表題作は意外にもクリスティがマン島の観光PRのために書き下ろした「宝探しイベントのガイド」的なもの。残念ながら実際にその場に行かないと(宝を探してみないと)面白くないので、やや肩すかしみたいな印象です。その他ロマンス小説ありポアロあり(ただし初出ではない)クイン氏あり、の玉石混交、闇夜の闇鍋みたいな、おかしなおかしな本でした。もちろんクリスティ・ファンにはおすすめです。 | ||||
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