おしどり探偵
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トミーによる別のタペンス評には、「どうもきみの道徳観は情けないほど低いようだな」(P.198)ってのもあるw クリスティの長篇第二作で、トミー&タペンスものの第一作『秘密機関』は、子どもの頃に読んだあかね書房の抄訳版『冒険家クラブ』を含めると三度くらいは読んだのだが、その続篇で唯一の連作短篇集である本書を橋本福男による旧約版ではじめての再読。【注1】 初期のクリスティはThe Sketchという週刊誌に短篇を断続的に集中掲載しており、1923年にはポワロものが25篇、1924年前半には後に『ビッグ4』としてまとめられる諸短篇、そして同年後半には本書の収録作品(「牧師の娘」と「鉄壁のアリバイ」を除く)が発表された。 いずれも30頁弱、あるいは20頁強といったごく短い掌編で、ミステリとして読むと物足りないのは間違いないが、ミステリorスパイ風味のキャラ小説として読むのが、もっとも本書を楽しめる読み方ではないか。 ポワロものでさえ、The Sketch版の短篇は謎解きよりも彼とヘイスティングスの掛け合いを楽しむべきだと思うが、本作でのトミーとタペンスの掛け合いは一層楽しい。タペンスのおきゃんぶりは、執筆された1924年が大正13年であることを念頭におけば魅力が増幅されるし、彼女に翻弄されることが多いトミーだって、決して受け身なだけではない。そもそも“探偵ごっこ”にお熱なのは、トミーのほうであるw それに加えて、彼らが使用人あるいは助手として雇っている15歳くらいのアルバートも、時に軽妙な掛け合いに参加するキャラの立った人物である。しかし再読するまで、彼の存在をころっと忘れていたのは、それだけベレズフォード夫妻の魅力が大きいということだろう。 最初の事件(「お茶でもいっぱい」)のタペンスの活躍が印象的すぎた所為?で、実質的な“名探偵”は彼女だと思い込んでいた。ところがトミーの頭の回転の速さも大したものだったw それ以降の事件では、「桃色の真珠事件」「霧のなかの男」「サニングデールの謎の事件」「16号だった男」の謎解き役はトミーである。 ちなみに「キングに気をつけること」「死のひそむ家」「鉄壁のアリバイ」はタペンスが謎解き。 残りの作品はスパイ活劇風味の強い作品だが、活躍の主体はトミーである。 とぼけたことに、スパイ風味の作品で彼は悪漢wに何度も拉致されるが、彼らに「君も相当のきもったまだな」(P.152)とか、「こいつ相当きもったまのふといやつだな」(P.207)と感心されるほど危機にまったく動じないw 霜月蒼に“ごっこ遊び”と揶揄される点でもあるが、悪漢側が同じような台詞を吐いてくることを考えれば、著者はわかってて繰り返しているのだろう。 そんなトミーも、タペンスが拉致された際には「やつれた顔をして」(P.374)いたわけで、うまくコントラストをつけている。 最後にひとつ、個人的には新たに発見したことを書いておきたい。 『秘密機関』で久し振りに再会したトミーとタペンスが、当時二人の歳を合わせても45にならなかったというのは有名なフレーズだが、二人の軽妙な掛け合いも大いに影響して、二人は同い歳だと思い込んでいた。 ところが「トミーとタペンスの二人は結婚し~(中略)~それから六年たったのちも」(P.9)、タペンスとアルバートを指して「二十五歳を一日でもこしている者は一人もいない」(P.27)、「トミー、元気をだすものよ。三十二という年や、左の眉毛にしらがが一本~」(P.97)といった文章から、トミーが32歳、タペンスは24歳という可能性が高い……。 六年前はそれぞれ26歳、18歳なので、合わせて45にならなかったことにも矛盾しない。 なんと二人は八年も歳の差があったw 【注1】あかね書房の推理・探偵傑作シリーズは、挿絵が劇画のコマ割り風なのが印象的だった。『なぞの038事件』(靴に棲む老婆)とか、『あかつきの追跡』(あかつきの死線)とか、このシリーズで初めて読んだ古典の名作も多かった。あかね書房の本では、他にマガーク少年探偵団シリーズも何冊かは持っていたが、挿絵は学研の学習の名探偵荒間宗助で有名な山口太一だった。あれらの本はいつ処分してしまったんだろ……。 | ||||
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訳が「薄い」って言うのか、重い内容のお話ではないけれど、それにしてもあまりにもふやけた印象の訳でがっかりしました。あと、( )で元ネタをバラすのもやり過ぎ。ああ元ネタはアレね、ニヤリ… という楽しみもスポイルされた気がして、なんだかなあ。 | ||||
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何冊か、タペンスものを読みましたが、ポアロやマープルに比して、作品の質が良くないです。 | ||||
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アガサクリスティのせっかくのパロディや本歌取りが全然生かされていないし、詩の訳もひどい。推理小説は、やっぱり日本語で読むのは限界があるのか。 | ||||
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個人的には1972年に創元推理文庫から出版された一ノ瀬直二翻訳の『二人で探偵を』のタイトルの方が好みで大事に保管していますが、久しぶりに読み返そうと思い、どうせならと21世紀以降の2004年の坂口玲子による新訳版であるところの本作をKindleで読んでみました。 さすがに現代語訳の文章になっており読みやすい。 本格的なサスペンス推理小説とは趣が異なり歴代の探偵をコメディー化しており、休日にのんびり寝転んで読むのに相応しく、読書後は幸せな気分になれる作品です。 普段ライトノベルしか読まない若い読者にも、推理小説の「古典」への入門書として読んで欲しいと思います。 短編集ということで本作だけでも楽しめますが、この『トミーとタペンス』のシリーズは内容が僅かに連続しており、出来ることならば第1作目の『秘密機関(一ノ瀬訳では『秘密組織』)』から順番に読み始めれば、シリーズ全5作を余すことなく楽しめると思います。 | ||||
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