悪魔の報復



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初公開日(参考)1975年10月
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長編小説

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悪魔の報復 (創元推理文庫 104-18)

1975年10月31日 悪魔の報復 (創元推理文庫 104-18)

倒産した発電会社の社長ソリー・スペイスがハリウッドの屋敷で殺された。彼は倒産にもかかわらず私腹を肥やし、欺かれた共同経営者や一般投資家から深い恨みを買っていたばかりか、正義感の強い彼の息子もまた、父を憎んでいた。ハリウッドへ脚本を書くために訪れていたエラリー・クイーンの推理は、意外な真相に肉薄する。中期の力作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt

悪魔の報復の総合評価:5.50/10点レビュー 4件。Dランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

地味すぎた

国名シリーズの後に書かれた3作は通称ハリウッド三部作と呼ばれているが、本書はその第一弾。ハリウッドに脚本家として呼ばれたはいい物の、特に催促もないので時間を持て余していた彼が富豪の殺人事件に挑むというもの。

従って本書では撮影現場の華やかさとか映画産業の喧しさとかは全く描かれていないため、ハリウッド三部作といいながらも全くハリウッド色を感じさせない。

さて今回エラリイが挑む事件はたった一つ。ある富豪の不可解な死。
犯行時刻に現場にいたのは富豪の息子なのだが、たまたま富豪の共同経営者のオーバー―この云い方ももはや死語ですな。今判る人はいるのだろうか?―を間違って着て行ったため、破産宣告を受けた共同経営者が容疑者となってしまうというもの。しかしなぜか共同経営者は頑なに富豪の息子をかばおうとする。彼が娘の婚約者だからという理由だけでは理解しがたいほど頑なに。

本当のことをしゃべれば自分は救われるのになぜか話さないというのは後の傑作『災厄の町』でも見られた手法だ。本書は出来栄えからしても『災厄の町』の下地となった作品という風に解釈できる。この作品があったからこその『災厄の町』なのだと云い直してもいいくらい既視感を抱いた。

さて今までのエラリイは父親のリチャードがニューヨーク市警の警視という立場を利用して門外漢ながらも警察同様に現場にずかずかと立ち入り、捜査をし、あまつさえ証拠品を隠蔽したりとおよそありえない所業を繰り返していたのだが、父親の威光が届かないここハリウッドでは、ヒラリイ・キングと名乗り、事件の渦中にいる共同経営者の娘が親族しか判らない犯罪の内幕を新聞記事として毎日連載するお手伝い役―お目付け役―として新聞記者に雇われて一介の記者に扮して捜査に携わるという設定を取っている。これはなかなかに面白いアプローチだと思った。

そして事件の発端であり、背景となるのがインサイダー取引、粉飾決算といった21世紀の今でも行われている犯罪であるのも興味深い。しかしこの後の『靴に棲む老婆』でも書かれていたが会社の社長が自身の会社の経営状況が悪いと知ったことで株を売るという行為に関しては罰せられるような記述がない。まだ株取引が法的に厳密に取り締まわれていなかったのだろうと推測される。

今回の事件は地味で、なかなか前に進まない印象を受けた。事件は早々に起きるものの、真犯人を特定する証拠、証言に手間取り、またレッド・ヘリングのためか全く関係のないエピソード―特に専任弁護士ルーヒッグと故社長の被保護者ウィニの結婚の件は全くといっていいほど事件には関係がなかった―が挿入され、右往左往しているだけと感じた。

また今回の犯人は判ってしまった。
もちろん犯人へと至るエラリイのロジックは相変わらず冴えており、事件の容疑者に当て嵌まる条件から消去法でどんどん犯人へと絞り込んでいく。

しかし残念ながらこの作品に書かれているようには今では犯人は捕まらないだろう。それは全て状況証拠に過ぎないからだ。こういった推理だけならば今の読者は納得しないだろう。作者クイーンの詰めの甘さをどうしても感じてしまう。

個人的には本書読書中は出張もあり、精神的にキツイ仕事のため、尾を引くところがあって読書を存分に愉しむ精神状態ではなかったのだが、それでも作品としては小粒だと思った。

題名の意味も最後になって恐らくあのことなのだろうなとは想起させられるものもあるが、合っているかどうかは判らない。
もう少し事件とストーリーに起伏があれば楽しめただろうに、と勿体無さが先に立つ読後感だった。


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Tetchy
WHOKS60S
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No.3:
(3pt)

まぁまぁかな・・

ちょっとタイトルが大袈裟かなぁ~と思いました。期待感が大きかった分、評価は「まぁまぁ」になってしまいました。凶器に一捻りはありましたが、期待していたほどではなかったので残念。。。
悪魔の報復 (創元推理文庫 104-18)Amazon書評・レビュー:悪魔の報復 (創元推理文庫 104-18)より
4488104185
No.2:
(3pt)

なんとも見通しのきく地点で継起する認識可能性のニューバージョン ちょっくらダビング

1938年、中期ハリウッドもの さて内容は、洪水被害によって倒産した水力発電会社、しかし社長は不正的手段で既に株を売り払い私腹を
肥やしていた・・・・と・・・・ということで、一突きしたい誘惑(笑) 冗談 レイピア、しかし傷口には青酸、刺殺でありながら毒殺
の必然性?
特徴としては、現場状況を偏平に還元すればなんら謎をもたないものが、登場人物それぞれが自明な観察結果から取り組んだポジショニング
によって具象的犯罪の抽象的処理がほどこされることになるんだね。二つのレベルの知覚が同一のイメージに同時に働くなか、やはり最終的に
統一機能を果たすのは巻き込まれるエラリー・クイーン? ヒラリー・キング!(笑)
そんな陽気に区切られたセクションにみてとれるのは同時代における他の成果(つまりハードボイルド)を分析しつつも、
堂々たるトレードマークはくらがえせずに、本格パズルから本格パズルドラマへのカウンターバランスとしての五分五分の新しい雑種なんだ。
そしてカップ型柄イタリアレイピアーのモチーフに象徴的だけど、まあ 何がしかの懐旧を含めた男女論が盛り込まれているんだね。
それを現代的意味のレベルのその向こうにまで拡張したところに今日の愚痴があって(笑)、
結局、自意識を表現するやり方が、望んでいると否とにかかわらず参照または連想的方法の群れになるところがあって、つまりは
パターン化された表面の反復的規則性 まあもっと一言で分かりやすく言えば リスペクトしあう ってやつだけど、それは現代的成熟において
必要だったわけだね。とりわけここ20年の無傷で守られるコンセプト
で、それがどういうことかと簡単にすれば、ネガの段階において最終的なフォルムとして正式に採用されるものを策定せずにフリースペースに
漂わせていたいってなわけで、つまり即興なんだね。
でもそれは逆に言えば、常に気まぐれなフィーリングがはいりこまないようにストイックな無名性を帯びてなきゃいけないわけね
だから良い意味では、しっかりと地に足がついてる。悪い意味では利己的。
これを現代男女論に当て嵌めると、栄養豊かな感情的反発の図太さとメインに続くデザートとしての精神的に厳格な繊細さを両脇に随伴
しながらも、基本中心はその即興、つまり直截的に言えばやり上手の別れ上手なノリ、そのクールさなんだけど、
しかし官能的マテリアルを急速冷凍してみたところで時代は凍って止まることなく移り進むわけだから、
零れ落ちて溶け去るほうが主導権を握れるはずもなく(つまりここではかまととぶりっ子(笑))、この20年の既成への反発の流れを汲んで
より明確に知性をもって既成へ反抗し、中心を脇へ押し流していかなければならない 策定するということなんであって
だから今一番揺り戻しとして必要なのは良い意味でのワンマンであって 思い出す訳も説明がつく倒幕
だのでまあもう出てきてるけど、もっとあらゆる場面で30代、20代の若いリーダーが出てこなきゃいけない。ただ重要なのはこの20年の流れ、
つまり自然にリスペクト出来るという価値を汲んでなきゃいけない、ぶつ切りじゃなく連続なんだから
しかしそれ自体でもう答えが出てるでしょ はなっから前提なんだから。だから男女平等もそういうところがあって、もう生まれたときから
男女平等の世代、つまり現実の皮膚感覚としてそれしか知らない世代に対して掛け声的に男女平等!なんて機械的に再生してみたって
もうそれ自体が差別であってナンセンスの極みなんだから まあこれはもうちょっと下の世代じゃなきゃあれかもしらんけど
どっちにしてもあとは社会、世代間における流動性なんであって 
そしてこの流れは熱いんであって だからなにも好き好んで氷のように冷たくいきなくてもいいじゃないか(笑) 単に横に立ってるだけ
まあ鍵としてね そういうことが言いたかったんだな今日は
あと、今回の事件のヒントはPassion Pitの「Take A Walk」の歌詞及びビデオのなかにあるよ。ちょっと歩いてみた だよ?
悪魔の報復 (創元推理文庫 104-18)Amazon書評・レビュー:悪魔の報復 (創元推理文庫 104-18)より
4488104185
No.1:
(3pt)

ハリウッドシリーズ第一弾

倒産した電力会社の経営者は不正な手段により蓄財し反感を買っていた
そして、彼が長剣で心臓を貫かれ
毒死する
長剣で刺されているにもかかわらず、なぜ青酸カリで毒殺したのか?を
疑問点に発する、エラリーの明快な論理
ハリウッドシリーズ特有の妙に明るいエラリーもご愛嬌
悪魔の報復 (創元推理文庫 104-18)Amazon書評・レビュー:悪魔の報復 (創元推理文庫 104-18)より
4488104185



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