ニッポン樫鳥の謎



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初公開日(参考)1961年05月
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長編小説

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ニッポン樫鳥の謎 (創元推理文庫 104-14)

1961年05月31日 ニッポン樫鳥の謎 (創元推理文庫 104-14)

東京帝国大学教授の令嬢ふたりが、時を同じくして不可解な“自殺”をとげた。しかも妹は流行の花形作家。ニューヨークの心臓部に近い日本庭園のなかをかけめぐる“かしどり”は、どんな秘密をついばんでいたか? ノーベル賞受賞の医学者とエラリーがしのぎをけずる知能くらべは、犯罪の背景が東京にあるだけに、日本の読者向きである。 (「BOOK」データベースより)




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ニッポン樫鳥の謎の総合評価:5.67/10点レビュー 9件。Bランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

某書でネタバレ食らった作品

日本では邦題が示すように国名シリーズに数えられているが、原題は“The Door Between”と全く別。本国アメリカでも国名シリーズからは外されている、なんとも微妙な立ち位置にある本書。
因みに国名シリーズに数えるならば10作目と非常に据わりがいいため、これが故に日本ではシリーズの1作として考えられている節もある。しかし、私見を云わせていただければ、やはりこれは国名シリーズではなく、『中途の家』同様、第2期クイーンへの橋渡し的作品だと考える。

まず単純な理由を云えば、国名シリーズの専売特許とも云うべき「読者への挑戦状」がないからだ。しかしこれはほんの小さな違いといえよう。読み終わった今、この事件を読者が当てることはまず不可能だろうし、もし挑戦状が挿入されていたとしたら、アンフェアの謗りを受けることも考えられるからだ。

私が感じた大きな特徴は次である。
国名シリーズならびに悲劇四部作といったそれまでの長短編は発生した殺人事件に関わる複数の容疑者の中から犯人を搾り出す構成であったのに対し、『中途の家』と本作では事件の容疑者は1人に絞られ、その人物の冤罪を晴らすという構成に変わっている。これは『スペイン岬の秘密』で最後にエラリーが吐露した、自身が興味本位で行った犯人捜しが果たして傲慢さの現われではなかったか、知られない方がいい真実というのもあるのではないかという疑問に対する当時作者クイーンが考えた1つの解答であるのではないか。即ち部外者が犯行現場に乗り込んで事件の真実を探ること、犯人を捜し出すことの正当性を無実の罪に問われている人物への救済へ、この時期クイーンは見出したのではないだろうか。それは最後、真犯人に対してエラリーが行った行為に象徴されているように思う。

そしてもう1つ、敢えて『中途の家』との類似点を挙げると、それは恋愛の要素が物語に織り込まれていることだ。
しかしなんともぎこちない登場人物のやり取りは三文芝居を見せられているようで、上っ面を撫でただけのような感じがするのは否めない。ちょっと背伸びしているような気がする。

本書では犯罪のプロセスを証拠によって辿るというよりも、犯行に携わった人々の心理を重ね合わせて、状況証拠、物的証拠を繋ぎ合わせ、犯罪を再構築する、プロファイリングのような推理方法になっているのが興味深い。そしてその手法は事件が解かれた後にエラリーと真犯人の間で繰り広げられる第2の真相において顕著に見られる。
これは先に述べた物語に恋愛感情を絡めた事に代表されるように、作者クイーンは人間の心理への謎へウェイトを置くようになったのではないかと思う。
特に被害者カーレンの死の真相は、非常に観念的な要素を秘めているのがその最たる特徴だ。
そして文中の脚注でも述べられているが、そのカーレン・リースには実在のモデルがいるとのこと。そのモデルとなった女性エミリー・ディキンソンも女流詩人という文学者で厳格な父親の影響ゆえに、父の死後、自宅から一歩も外出することなく一生を過ごしたのだという。こういう奇異な生活をした人の心理こそエラリーは興味深い謎と思ったのではないだろうか。

これら第3者による事件の真相解明の意義、人間心理への興味については今後の作品を読むことでまた考察していきたい。

しかし10作以上も出しながら未だにクイーンの作品で描かれる警察の捜査には不可解なところがある。
流石にエラリーが殺人現場の持ち物を無造作に手袋もせずに触れる際に「指紋はすべて調べてある」というフォローが入るようにはなったが(それでも現場保存という観点からこの行為は問題ありだが)、今回はエラリーが屑箱からカーレンが死に至った凶器となる鋏の片割れが見つかり、しかもそれをクイーン警視が凶器と認識している箇所があるが、これはどう考えてもおかしいだろう。事件の凶器と見なされる物は重要証拠であり、これらは全て警察によって回収し、保存されなければならない。しかも拭われたとは云え、被害者の血液も付いており、ましてや冤罪に問われようとしているエヴァの指紋さえ付いている可能性もあるのだ。それを凶器と知りつつ、現場に放置しているとは全く別の世界の話だとしか思えない。
クイーン作品の、このような警察捜査に関する無頓着さが未だに解せない。

本書は前述したように「読者への挑戦状」は挿入されていないものの、一応読者が推理できるような作りにはなっている。いつもならば私は一応の犯人と犯行方法を推理するのだが、本書ではしなかった。
というのもある新本格作家の作品を読んだがために、真相を知っていたからである。
本書未読の方のためにその名を挙げておくとそれは麻耶雄嵩氏の『翼ある闇』である。私と同じ不幸に見舞われないための一助になれば幸いである。


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No.8:
(3pt)

日本だけの国名シリーズ

1937年発表の本作品は、日本でだけ通用する国名シリーズ。
このところ、角川文庫の新訳版で、国名シリーズ9作すべてを読んでしまった関係で、題名は知りつつ未読だった本作品が気になり、読んでみることとしました。
ただ、本サイトのレビューを始め、全体的に国名シリーズとしては、評価が芳しくなく、一抹の不安を抱えながらの、読書でした。

ニューヨーク・マンハッタンにある日本文化の趣味に彩られた屋敷で発生した密室殺人と呼ぶべき事件。
被害者の女流作家の姪、エヴァが現場の状況から容疑者にされてしまう。
これに対し、エラリー・クイーンが、名推理で導き出した真相とは…といったストーリー。

原題が、「The Door Between」のところ、邦訳の際、無理矢理「日本」を冠した国名シリーズにしてしまっただけあって、同シリーズの神髄である、「緻密なロジックによる推理」という点が薄まっていて、やはり国名シリーズとするには、物足りないな、というのが正直なところ。
でも、後半には、意外な真相が待ち受けているし、最後の最後にもう一ひねりある点は、評価して良いのではないかと思います。

作中の日本文化の説明には、「?」な部分も見受けられましたが、「ニッポン樫鳥」という日本独自の邦題は、事件解決のキーポイントを上手く表現していて、そういう意味では、日本限定で国名シリーズとしても良いのではないか、という気もしました。

クイーンの諸作の中では、あまり高順位にはならないけれど、国名シリーズが好きな日本人なら、読んでおいて損はない作品といえるのではないでしょうか。
ただ、やはり日本語訳が古めかしく、できれば新訳で読みたかったというのが、正直な思いでもあります。
ニッポン樫鳥の謎 (創元推理文庫 104-14)Amazon書評・レビュー:ニッポン樫鳥の謎 (創元推理文庫 104-14)より
4488104142
No.7:
(3pt)

タイトルに“国名”がありますが、実態は後期の作品に属するのではないでしょうか

30年ぐらい前に読んでいたが、全く記憶になかった。同時に、後で書くが、極めて重要な一説を読み落としていた。

まず、単体のミステリとして読むと、さほど面白くない。
なかでも、殺人事件がおきるまでは、読むのにかなり骨が折れた。
エヴァ・マクルア、テリー・リング、リチャード・バー・スコットの関係もかなりありきたりだし、謎解き全体についても、斬新さは感じられない。もちろん、発表当時(1937年)であれば、殺し方に驚く人もいたかもしれないが、現在からみると、どうだろうか。本作を、人生最初のミステリにでも選ばない限り、感じ入ることはないだろう。
それと、本作は、厳密な意味では“国名”シリーズではない。原題『The Door Between』を見ても明らかである。

ただ、興味が惹かれる部分がないわけではない。
一つは、発表当時の日米の関係を考えると、なぜに、これほど「日本」趣味を作品のなかに取り入れ、描いたのか。
それと、ラストの「エラリーは、火のない暗い暖炉の前で、少し寒気がした。まるで、神の役を演じているような気がして、しんから愉快になれなかった」という部分。これは、後期のクイーン作品につながる重要な文章だろう。この文章がある限り、日本国内でタイトルに“国名”を入れたとしても、作品そのものは、後期に重心を置いていると言わざるを得ない。
ニッポン樫鳥の謎 (創元推理文庫 104-14)Amazon書評・レビュー:ニッポン樫鳥の謎 (創元推理文庫 104-14)より
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No.6:
(3pt)

もっぱら費やされる猿芝居な剥き出しのまま稼働する小児病の上に立ちこう述べた「 」

1937年作 舞台 ニューヨーク マンハッタン 日本庭園 著名な文学賞を受賞した女流作家の死 常ならぬ展開に不意の訪問者!そこから
始まるんだね、うん。もとの掲載の事情からメロにうるさい品質管理(笑)。さて内容は、

悲劇的背景、数奇なべいべつ
瞬間的出来事の邪念的虚偽による疎外効果は、いつまでも実体のないカリスマ性であり可視領域外に追いやられた巍然(偽善)即身成仏(笑)。
背後にあったまったく別のリアリティ... ...その時、凶悪なまでに緻密な傍証的垂迹。ともなう皮肉な脱落身心。。

装飾的興味、日本情緒
満足のいく材料とはなりえなかった?非常に肩入れしながら、定期的に優位意識(笑) マリアは良い方を選んだ それを取り上げてはならない

徹底的分析、密室仕掛け
限界を越えてしまった物の見方は無芸的技術水準(笑)、まさかそんなところに祀ってあったなんて(笑)。そして核心に迫っていくなか背後に
あった思いがけない第二の真実・・・トリミングが施された突きつめた極点だけど(笑)。発見と位置付け、巧妙に形作られながら確定さを欠く
葬礼。絶対的把握 そして気持の整理のつかぬまま。。。振り分け おぼろげながら察する 弔う

という具合に三位一体で、ではここでヒント、この事件のヒントはChet Fakerの「I'm Into You」のビデオのなかにあるよ

じゃ最後に組織的構造、一国二制度、じゃなくて一冊二解決
基本的にはこの時期特有のメロな類似点があり、異国情緒をまといながら古き良きと進行形の調和のとれた統合にして、まさに決定的要因が
いよいよなってくる決定的矛盾ということで、組み立てる力と同じくらいの破壊装置、それが後々彼を闇の中に押しやっていくと・・・・・
主体性のない終わりなき決断を迫られて・・さて、ではこれを現代ニッポンの謎としてミクロクローズアップとマクロロングショットを
組み合わせて脳内ラボラトリーすると(笑)、結局、鳥瞰的な視角で神秘性を指向する踊るピエロで、あくまでたなびく非再現的なものとしての
神秘性を取り除いてきたんではないかと、
しかしまあ傾向に基づく総覧として、不即不離に置き換えて抽出していく過程において仏教もキリスト教も儒教も同じような変種になっていく
わけだから、あらためて思うと    驚異(笑)
草木も成仏するを押し付けがましい宣教師のノリでもってして閉鎖的に垂れ流す、これがなにかだなと思ったら、象徴的表象としてなにかだなと
思ったら、あっ これが日教組なんだ(笑)
しかししょせんプロレス的瞞着で教育を語ったところで票にならない金にならないそのひたすら即物的スピード感の一致にとらわれた美意識の
欠如、個々人の美意識のなさ そういうことじゃないかな
ニッポン樫鳥の謎 (創元推理文庫 104-14)Amazon書評・レビュー:ニッポン樫鳥の謎 (創元推理文庫 104-14)より
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No.5:
(1pt)

てっきり絶版だと思った

日本の帝国大学で教えていたという英国人をめぐるもので、キヌメとかいう変な名前の侍女が出てくるが、トリックはなし。単に、日本人はハラキリをしたりする珍妙な民族だという偏見だけでできているようなお粗末な「推理小説」。ひたすらアホらしい。
ニッポン樫鳥の謎 (創元推理文庫 104-14)Amazon書評・レビュー:ニッポン樫鳥の謎 (創元推理文庫 104-14)より
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No.4:
(2pt)

国内限定の国名シリーズ

本書の原題は「The Door Between」で、いわゆる国名シリーズの作品ではないが、死んだ女性が日本趣味である等、日本が関係することから国内限定で「ニッポン樫鳥」と題されている。
元々雑誌掲載時のタイトルが「The Japanese Fan Mystery」だったのが、当時第二次世界大戦が近づきつつあり反日感情が高まる中、「The Door Between」に変えられたという話がまことしやかに伝えられているが、これは江戸川乱歩の推測が流布したものだろう、「The Japanese Fan Mystery」の原題が掲載されたという雑誌は存在しない。
東京帝国大学教授の娘で作家のカーレン・リースが密室状態の自室で死体となって発見され、容疑者としてカーレンの婚約者の養女エヴァが疑われる。この事件の真相をエラリーが読み解くという本書は、国名シリーズからライツヴィルものへの移行期の作品として人間ドラマに重きを置いているようだ。
ミステリー作品としては偶然が事件をわかりにくくしているだけでトリックなどなく、国名シリーズ初期に見られた鮮やかな謎解きの論理は期待できない。だから国名シリーズではないのだろう、読者への挑戦状もないし。(この内容では、挑戦のしようもないか)
かといって、人間ドラマとしても登場人物に魅力がなく、前作「中途の家」の方が上。ほとんど見るべきものがない作品。
ニッポン樫鳥の謎 (創元推理文庫 104-14)Amazon書評・レビュー:ニッポン樫鳥の謎 (創元推理文庫 104-14)より
4488104142



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