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11枚のとらんぷ



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11枚のとらんぷの評価: 5.89/10点 レビュー 9件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.89pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

好みは分かれそうだが間違いなく世界に一つのミステリ作品

作者の泡坂氏は奇術愛好家で知られるだけあり、奇術の知識と愛が溢れた作品となっており、またその特殊な構成が確実に世界に二つとない作品を産んだと感じました。

物語は三部構成となっておりそれぞれ
一部は主人公たちのセミプロ奇術クラブのショーの様子が描かれる(ドタバタコメディのような舞台の裏で殺人事件発生)
二部は主人公が書いたという奇術トリック短編集小説という作中作(この作品は殺人の見立てに使われ、また中身に真相の伏線が隠される)
三部は主人公たちが奇術愛好者たちが集う世界的なイベントに参加する模様が描かれる(そして事件の解決へ)

といった形ですが、この作品の凄い所は上記の通り一部~三部それぞれがまったく違う、場面・構成の話でありながらそれぞれ
・その部だけでもそれが一つの物語として成立している
・物語としてだけでなくそれぞれ奇術への雑学辞典・奇術界の裏側的な一種のエッセイ・コラムとしての側面がある
・その上で一部~三部を通すことで殺人事件に対する、問題提示編、ヒント編、解決編としての一貫した物語となる
という点だと思います。

三部構成の形で奇術の世界・雑学がさまざまな側面からユーモラスかつリアルに描かれつつ、全体を通して殺人事件の発生から解決までを描いた物語になっているのです。
その内容を実際に面白いと感じるかは人それぞれでしょうが、この独創的すぎる構成には驚くほかないです。
その2つとない作風と、奇術という普段あまり馴染みのない世界の知識を豊富に与えてもらったことからか、発表から40年近く経った今読んでも古さは感じませんでした。

ちなみに私は作中通していろんな形で奇術のネタや薀蓄を読めるのは、基本的には自分の知らない世界を知れ、楽しんで読めたのですが
三部の「奇術講義会」の部分で主人公が約15ページに渡る延々の講義をする所のつまらなさだけは拷問レベルに感じました。

▼以下、ネタバレ感想

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マリオネットK
UIU36MHZ
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

11枚のとらんぷの感想

泡坂妻夫さん2冊目の読了。長編の中に短編集が挿入されている。ただし奇をてらっているわけではなく、作中作も単独で面白く、解決編で効果的に使われている。ロジカルな消去法的推理も自分好みでした。奇術好きならより楽しめると思います。

水生
89I2I7TQ

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