喜劇悲奇劇
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.50pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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『しあわせの書』、『生者と死者』でそれぞれ小説の形態を使って離れ業を演じた泡坂妻夫が今回選んだのが回文。それも章題が全て回文、登場人物、ことさら被害者の名前が全て回文。 | ||||
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奇術師の集まる客船ウコン号で起こる奇妙な連続殺人事件。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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凝りに凝った作品。登場人物の名前の多くが回文であり、21あるすべての章題も回文となっている。それどころか本書のタイトル『喜劇悲奇劇』がすでに回文である。舞台はショウボートという閉鎖空間で、そこで発生する連続殺人が焦点となるのだが、主人公の奇術師は幾分不安定な人物とされていて、物語を推進する役目を与えられてはいるが、事件の解決をする探偵ではない。主人公の美貌の助手が探偵役なのかというとそうでもない。つまり主に物語の視点を構成する登場人物はあくまでも視覚を作り出すのみで、物語を結末に導くわけではない。それはどことなく推理小説のセオリーから外れる気がするし、それゆえ肩透かしな印象も受ける。とはいうものの、ある種のユーモアを湛えながら回文をしつこいくらいに詰め込んだ本書はその部分だけでもとてもユニークな物語となっている。 | ||||
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回文には興味があったが、これほどまで徹底しているとただただ脱帽。最近あるトイレで、便器に記されたロゴが回文文字になっているのに気が付いた。「LIXIL」だった。最初のLの向きを左右反転させたロゴにすれば、形の上でも回文になるがと思った。 | ||||
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1982年にカドカワ・ノベルズとして出たものの文庫化。 ほかにハルキノベルス版、角川文庫版、創元推理文庫版などがある。ちなみに本書は山前譲さんが解説。 とにかく回文がやたらと出てくる。登場人物名、台詞、章題……。きちんと物語の核にもつながっており、すごい小説だった。じっくりと回文を楽しんでほしい。 ミステリとしても秀逸。何重ものトリックが仕掛けられている豪華な一冊だ。 主人公の奇術師が最初から最後まで情けない男として描かれ、さしたる活躍も見せないのは諧謔なのか。 | ||||
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てっきり酔いどれのマジシャンが探偵役かと思って、序盤から中盤にかけてのダメダメっぷりも、ラストでピシッと決めてくれる温度差の感動を与えてくれるためなんだろうな、と期待しました。しかし、事件が佳境に入ると、推理する役がよくわからない人で、しかもラストでいきなり怒濤のように謎解きを始めるので、ついていけませんでした。もちろん、伏線も巧みに張ってあるのですが、いかんせん読者がそれを結びつける『間』が無いので、置いてきぼりをくらった感じです。途中で登場人物達の推理合戦を入れて欲しかった…。で、様々な仮説を大きく裏切る真実が欲しかった…。惜しい。回文尽くしはとても面白いです。 | ||||
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奇術師やアクロバットダンサー、猛獣使いなどの芸人たちが結集したショウボート 〈ウコン号〉の興行初日間近の台風の日、奇術師が何者かに刺され、海中に転落 した。その後、事件は連続殺人へと発展したのだが、奇妙なことに、被害者たちは 全員、上から読んでも下から読んでも同じに読める回文名を持つ者ばかりで……。 タイトル、章題、そして最初と最後の一行まで回文で揃えた“回文尽くし”の異色作。 回文名を持つ者ばかりが殺されるという荒唐無稽にも思える状況については、座長が 縁起を担いで芸人の芸名を改名させたという無理のない説明がなされており、趣向の ための趣向とならないよう、配慮がされています。 また、回文だけでなく、殺人事件についても趣向が凝らされており、犯人を容疑圏外 に置く技法や、犯人を限定するための手がかり(内線電話の故障)、そして芸人たち それぞれの芸に対応した殺害方法などに作者ならではの冴えたテクニックが光ります。 | ||||
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