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黄昏に眠る秋



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黄昏に眠る秋の評価: 7.25/10点 レビュー 4件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.25pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

秋の夜長にゆったりと読む

物語に合った文体がとても良くさらに雰囲気を醸し出すという効果を担っている。ガツガツした語り口ではなくゆっくり読み進むことがこのミステリを楽しむもう一つの要素だ。
いろいろなピースが最後に一つになる上に最後のうっちゃりがあってミステリとして満足のいく出来だ。
たった一点の問題点はある人物を探し当てるところが偶然なのか必然なのかというところ。居所を時間をかけて調べたのであろうがサラリと書いてあるので
偶然出会ったかのような印象を持ってしまう。大事なポイントと思うのでもっとしっかりした書き方をして欲しかった。


だがすべてが一本の線に繋がっていく過程をゆっくりと二人の視点ともう一人の人物の視点で語られる物語は読みごたえがある。
過酷な自然の中で暮らす人たちの生活と探偵役の老人の人生とがオーバーラップする語り口も中々良いと思う。だれしも年老いて身体が
思うように動かなければ嘆きと怒りが心中を占める。老人は身体は不自由になってもまだまだ頭は使えると、いろいろ考えて一歩ずつ真相に近づいていく様子を
丹念に描いているのがこのミステリのすべてだ。理路整然と思考するのではなく、一つ一つの出来事や他の人の話しから仮説を組み立てていくところがこの探偵役の老人の良いところであり、
この本はそこを楽しむミステリと云える。このエーランド島を舞台にしたミステリは四部作として書かれているのであとの二冊も楽しみながら読みたいと思う。

ニコラス刑事
25MT9OHA

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