死ぬほどいい女



    ※タグの編集はログイン後行えます

    ※以下のグループに登録されています。


    【この小説が収録されている参考書籍】
    死ぬほどいい女
    (違う表紙に投票したい場合もこちらから)

    オスダメ平均点

    7.50pt (10max) / 2件

    7.50pt (10max) / 2件

    Amazon平均点

    4.73pt ( 5max) / 11件

    みんなの オススメpt
      自由に投票してください!!
    1pt
    サイト内ランク []B総合:498位
    ミステリ成分 []
      この作品はミステリ?
      自由に投票してください!!

    10.00pt

    80.00pt

    20.00pt

    20.00pt

    ←非ミステリ

    ミステリ→

    ↑現実的

    ↓幻想的

    初公開日(参考)2002年02月
    分類

    長編小説

    閲覧回数3,122回
    お気に入りにされた回数0
    読書済みに登録された回数2

    ■このページのURL

    ■報告関係
    ※気になる点がありましたらお知らせください。

    死ぬほどいい女

    2002年02月28日 死ぬほどいい女

    フランク・ディロン、通称ドリー。職業、訪問販売員。既婚。ある日ドリーは、代金未払いの客を探しに訪れた家で、強欲な老婆につかまる。家の奥で彼を待っていたのは、死ぬほどいい女、モナだった。だがモナは、底知れぬ悲しい過去を秘めていた…彼女を助けられないかと考えはじめたドリーの身に、つぎつぎ起こるささやかな事件。金の取り立て、妻の出奔、そしてついには上司の明晰な推理力によって、豚箱まで経験させられる。しかし、モナが突然驚くべき話を切りだしたところから、すべての糸はひとつにつながり、もつれあいながら疾走しはじめた―暗黒小説の孤峰ジム・トンプスンの底力が爆発する、おそるべき1作。 (「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

    死ぬほどいい女の総合評価:9.15/10点レビュー 13件。Bランク


    ■スポンサードリンク


    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

    新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
    全2件 1~2 1/1ページ
    No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
    (7pt)

    多少、スティーヴンキング的な?

    キング氏の小説は長いものが多いですが、ジムトンプスン氏の小説は程よい?長さで飽きさせずドンドン読み進めます。
    ちょっとだけファンタジーっぽい点もあって、キング氏の本と似てるな〜という印象でした。
    気軽に読めて(旅先でとか、電車の中でとか)あとを引かないので、軽いものが読みたい方にはお勧めです。

    あと数冊挑戦してみようと思っています。

    ももか
    3UKDKR1P
    No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
    (8pt)

    こういう人生を誤る男はいるだろうね

    重犯罪じゃなくても法に背き悪事を重ねる男っているよね。
    大抵は深く考えずにその場での思いつきといった短絡的な思考の末の犯罪ってことになるんだろうけど。
    しかし、生まれ育った過去と現状を考えたら、この先自分にはいったい何が待っているのだろうと、鬱屈した気分でその日その日を過ごすのは間違いないところである。
    主人公はそんな男。訪問販売で稼ぐしか今のところ他にやれることもない。売り上げの伝票を操作して金をごまかしては酒を飲むしか楽しみは無い。
    しかし、彼の上司はなかなかキレル男。やっていることを見透かしたように嫌味をいう。そんな時一軒の家で老婆に品物を売りつけていると奥に若い女がいて老婆が妙なことを言いだした。
    主人公のドリーは一目見てこの女モナに心を奪われる。それほどいい女だった。
    ここからドリーは少しづつ道を踏み外していく。そこが面白い。だれだって男であればその辺は分かる。そこを大げさにではなくむしろ冷静に書いていく。
    女には秘密があった。ドリーとモナ。破滅の物語だけれど共感する部分は多い。淡々と手を悪事に染めていくドリー。それもみんなモナのためだった。
    死ぬほどいい女。それがモナ。無計画で行き当たりばったりの犯罪と言えば『復讐するは我にあり』がインパクトが強烈で今でも思い出すが、この本のラストはジム・トンプソンとしても
    ただの安っぽいペーパーバックに小説を書きなぐっている作家じゃないぞと言っているような洒落て深いラストにしています。
    ジム・トンプソンの作品の中では評価が高く知られた作品ですから読んでおいて損はないでしょう。

    ニコラス刑事
    25MT9OHA
    新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
    未読の方はご注意ください

    No.11:
    (3pt)

    当時の俗語を集めた例文集としての愉しさはある。

    取り掛かったとき、口語、俗語、卑語のオンパレードで心細くなったが、だんだん慣れて早く読めるようになった。登場人物が少ない上に短文の連続だから意味は取りやすいといえる。辞書で後ろの方の語釈から探す癖がついてしまったよ。内容的には、最後の筒井康隆風の破綻にもっていくやり方が納得できず、失望を禁じえない。
    死ぬほどいい女Amazon書評・レビュー:死ぬほどいい女より
    4594034667
    No.10:
    (5pt)

    ファムファタルものだけどいつもと違う

    うだつのあがらないセールスマン。売上をチョロまかしながらせせこましい生活をおくる男は、出会った不幸な女を救おうとして運命が狂い始める、というファムファタルもの。

    トンプスンのこの手の話は、男が犯罪の手を染め、結果破滅へまっしぐらのパターンなのだが、本作品はちょっと違う展開になる。

    女のために大きな金を手にいれようとする主人公は、殺人を隠蔽するために、次々に犯罪を犯していく。しかしながら、悩める主人公のいき当たりばったりの行動が、なんとなく上手くいってしまうのだ。

    ノワールというほどの暗黒感は少ない本作品。冷え切った男の本質とラストのどんよりはトンプスンらしくはある。、

    とにかく邦訳タイトルは素晴らしい!
    死ぬほどいい女Amazon書評・レビュー:死ぬほどいい女より
    4594034667
    No.9:
    (4pt)

    パルプ・ノワールの文学的実験

    例によって告白するような、読者に話しかけるような主人公ドリーの一人称で話は進行する。ぶっきらぼうで単純な、パルプ・ノアールらしい文体だ。周辺の状況を描き込まないから世界は狭く、すべてがシンプルで、読者はあっという間にその世界に取り込まれてしまう。

     読者はドリーの独白を聞かされ、彼が自己中の独りよがりでいい加減な性格だとすぐに理解する。欲に駆られ、足元を見ないまま企みに踏み出すドリーの犯罪が成功するのか危ぶむ。見通しは不安定で、それがスリルを生む。
     ドリーの犯罪は成功した・・・ように見える。しかし、最終章で読者は不可解な展開に戸惑う。パルプ・ノワールがいきなり純文学に変貌し、爆発し、唐突に終わってしまう。

     解説者が指摘するように、確かにこの小説は破綻している。最終章の一章手前でストーリーは決着を見ていて、一応のまとまりもある(そこそこいい出来だと思う)。ところが、トンプソンは訳の分からない最終章を加えて、すべてをぶち壊しにしてしまう。
     解説者が言うように、そこにトンプソンのトンプソンたる所以がある。書かざるを得なかった、読者に呪詛をばらまかずにいられなかったのだ(出版社もよくそんなことを許したものだ) 。

     しかし、異なる読解も可能だと思う。
     物語ではまずドリーの被害妄想が強調され、ちょうど真ん中あたりで自己欺瞞に満ちたドリーの手記がメタフィクション的にいきなり現れ、ついで精神の変調がしばしば出てくるようになる・・・ ドリーが次第に狂っていくこの流れは、トンプソンが周到に用意したものだ。
     「な、わかるだろ」何回も出てくるドリーのこの言葉は、自分の認識が狂っていないことを読者に確認しているのだが、客観的に見てドリーの言動は辻褄が合わなくなっていく。

     最終章はあり得ないシチュエーションで、これは一章丸ごと、破滅するドリーの狂的な妄想ではないか。しかも、意識が整理されず妄想が二重三重に重なっている。トンプソンはその状況を「行を入れ子にする」ことで描いて見せた。
     あまりに異常な展開だから、著者が爆発する感情にまかせて書いているように見える。しかしそれは見せかけで、トンプソンは計算づくだろう。1950年代初期、大衆的パルプ・ノワール分野で純文学的実験を試みた作家、それがジム・トンプソンだと思う。
    死ぬほどいい女Amazon書評・レビュー:死ぬほどいい女より
    4594034667
    No.8:
    (5pt)

    安全圏に、

    いると思って舐めてかかる読者に襲い掛かるラストを体験し、精神に異常を来たして欲しい。
    死ぬほどいい女Amazon書評・レビュー:死ぬほどいい女より
    4594034667
    No.7:
    (5pt)

    主人公も読者も痺れ果てた!

    主人公ドリーは己の所業を途中何度も悔み悲しむが、それは反省や改悛とは全く無縁の感情で、飽く迄もエゴイスティックな本能に基づく単なる気分の浮き沈みに過ぎない。しかも全篇を通じて徹頭徹尾責任を回避するドリー。何という卑しさ。忌々しさ。胸が悪くなる。しかし、そんなドリーのリアリズムを我々読者のそれと重ね合わせれば、悍しさは一転して小気味好さ・痛快さに昇華し、後ろめたい爽快感で頭が痺れ始めるだろう。
     ドリーも読者も痺れ果ててしまったが、独り冷徹なトンプスンだけは最後まで小説の結構に心を砕き、類稀な独自の世界を創り上げた。天才の手になる見事な傑作、必読書だ。
    死ぬほどいい女Amazon書評・レビュー:死ぬほどいい女より
    4594034667



    その他、Amazon書評・レビューが 11件あります。
    Amazon書評・レビューを見る     


    スポンサードリンク