死ぬほどいい女
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.50pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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キング氏の小説は長いものが多いですが、ジムトンプスン氏の小説は程よい?長さで飽きさせずドンドン読み進めます。 | ||||
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重犯罪じゃなくても法に背き悪事を重ねる男っているよね。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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取り掛かったとき、口語、俗語、卑語のオンパレードで心細くなったが、だんだん慣れて早く読めるようになった。登場人物が少ない上に短文の連続だから意味は取りやすいといえる。辞書で後ろの方の語釈から探す癖がついてしまったよ。内容的には、最後の筒井康隆風の破綻にもっていくやり方が納得できず、失望を禁じえない。 | ||||
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うだつのあがらないセールスマン。売上をチョロまかしながらせせこましい生活をおくる男は、出会った不幸な女を救おうとして運命が狂い始める、というファムファタルもの。 トンプスンのこの手の話は、男が犯罪の手を染め、結果破滅へまっしぐらのパターンなのだが、本作品はちょっと違う展開になる。 女のために大きな金を手にいれようとする主人公は、殺人を隠蔽するために、次々に犯罪を犯していく。しかしながら、悩める主人公のいき当たりばったりの行動が、なんとなく上手くいってしまうのだ。 ノワールというほどの暗黒感は少ない本作品。冷え切った男の本質とラストのどんよりはトンプスンらしくはある。、 とにかく邦訳タイトルは素晴らしい! | ||||
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例によって告白するような、読者に話しかけるような主人公ドリーの一人称で話は進行する。ぶっきらぼうで単純な、パルプ・ノアールらしい文体だ。周辺の状況を描き込まないから世界は狭く、すべてがシンプルで、読者はあっという間にその世界に取り込まれてしまう。 読者はドリーの独白を聞かされ、彼が自己中の独りよがりでいい加減な性格だとすぐに理解する。欲に駆られ、足元を見ないまま企みに踏み出すドリーの犯罪が成功するのか危ぶむ。見通しは不安定で、それがスリルを生む。 ドリーの犯罪は成功した・・・ように見える。しかし、最終章で読者は不可解な展開に戸惑う。パルプ・ノワールがいきなり純文学に変貌し、爆発し、唐突に終わってしまう。 解説者が指摘するように、確かにこの小説は破綻している。最終章の一章手前でストーリーは決着を見ていて、一応のまとまりもある(そこそこいい出来だと思う)。ところが、トンプソンは訳の分からない最終章を加えて、すべてをぶち壊しにしてしまう。 解説者が言うように、そこにトンプソンのトンプソンたる所以がある。書かざるを得なかった、読者に呪詛をばらまかずにいられなかったのだ(出版社もよくそんなことを許したものだ) 。 しかし、異なる読解も可能だと思う。 物語ではまずドリーの被害妄想が強調され、ちょうど真ん中あたりで自己欺瞞に満ちたドリーの手記がメタフィクション的にいきなり現れ、ついで精神の変調がしばしば出てくるようになる・・・ ドリーが次第に狂っていくこの流れは、トンプソンが周到に用意したものだ。 「な、わかるだろ」何回も出てくるドリーのこの言葉は、自分の認識が狂っていないことを読者に確認しているのだが、客観的に見てドリーの言動は辻褄が合わなくなっていく。 最終章はあり得ないシチュエーションで、これは一章丸ごと、破滅するドリーの狂的な妄想ではないか。しかも、意識が整理されず妄想が二重三重に重なっている。トンプソンはその状況を「行を入れ子にする」ことで描いて見せた。 あまりに異常な展開だから、著者が爆発する感情にまかせて書いているように見える。しかしそれは見せかけで、トンプソンは計算づくだろう。1950年代初期、大衆的パルプ・ノワール分野で純文学的実験を試みた作家、それがジム・トンプソンだと思う。 | ||||
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いると思って舐めてかかる読者に襲い掛かるラストを体験し、精神に異常を来たして欲しい。 | ||||
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主人公ドリーは己の所業を途中何度も悔み悲しむが、それは反省や改悛とは全く無縁の感情で、飽く迄もエゴイスティックな本能に基づく単なる気分の浮き沈みに過ぎない。しかも全篇を通じて徹頭徹尾責任を回避するドリー。何という卑しさ。忌々しさ。胸が悪くなる。しかし、そんなドリーのリアリズムを我々読者のそれと重ね合わせれば、悍しさは一転して小気味好さ・痛快さに昇華し、後ろめたい爽快感で頭が痺れ始めるだろう。 ドリーも読者も痺れ果ててしまったが、独り冷徹なトンプスンだけは最後まで小説の結構に心を砕き、類稀な独自の世界を創り上げた。天才の手になる見事な傑作、必読書だ。 | ||||
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