取るに足りない殺人
- 頭脳戦 (63)
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久々に読み返しました。 著者のノワールな世界観が好きでほぼ全作読みましたが、この作品は初期のものということもあり久々に読んでみると物足りなさを感じました。 今後広がっていく著者の世界観の原点の作品。 | ||||
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『取るに足りない殺人』は、1949年発表だから、比較的初期の作品である。(『内なる殺人者』が1952年) ジョー・ウィルモットは、手練手管を尽くしながら、なんとか傾きかけた映画館を営業し続けてきた。しかし、私生活では、妻エリザベスとの冷え切った関係に辟易とする日々だ。そんな中、ジョーと家政婦のキャロルとのお熱い場面を目撃したエリザベスから、保険金詐欺の計画を持ちかけられる。保険金二万五千ドルで、すっぱり関係を清算しようというのだ。ジョーとキャロルは、エリザベスの計画に同意し、犯罪に手を染めていくのだった。 ・・・ 本作品が扱っているのは、ごくごくありふれた保険金詐欺のための殺人である。ストーリーは、過去、現在が入り組んで展開する。犯罪に到る経緯が、少しずつ明らかになっていくため、興味がぐぐっーと引っ張られていく。事件の単純さに比べると、映像が浮かびやすいし、読み応えがたっぷりだ。ジム・トンプスンの巧みさがひかる。 本作品は、こすっからい登場人物たちの駆け引きが面白い。特に、ジョーの才気煥発ともいっていい、巧みな折衝術は見所である。 ジョーのアリバイをつくり、エリザベスの身代わりとなる女性を焼死させる計画は、まんまと成功する。しかし、保険調査員アップルトンは、ジョーを露骨に疑い始めるのだった。アリバイの綻びを見つけ始めたヤツらも、ジョーにプレッシャーをかけてくる。おまけに、映画館を乗っ取りのたくらみも聞こえてきて ・・・ と続く ジョーは意外に脆い男だ。弱みに付け込もうとするヤツらにビビリながら、なんとかその場を凌ごうとする。図らずも犯罪計画に加担してしまった小悪党のようである。犯罪をへとも思わないどす黒さがみられない分、ノワールとしては、パワー不足を感じてしまうかもしれない。 さてさて、ジョーは窮地を脱し、保険金を手にすることができるのか。読み進めながら、いつの間にかジョーを応援していることに気づく。へたれ加減が、共感をよんでしまったのかもしれないな。 | ||||
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この本はトンプスンの実力が光る一冊。物語として凄く良くできている。トンプスンの本は全て読んでいるが、完成度という意味ではこの本はずば抜けていると思う。また古きアメリカの映画館の裏の仕組みが分かる。それだけでも面白い。内なる殺人者も良かったけど私はこれも捨てがたい魅力がある。トンプスンのテンポの良さは最高だね。人間のリアルな心の闇を描くトンプスン。エルロイやエドワードバンカーとともに私の心をとらえて離さない。 | ||||
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主人公の悲惨な過去、無力で病んだヒロイン、虚々実々の駆け引き、そして無常感あふれる結末と、『内なる殺人者』『残酷な夜』などに至るトンプスン作品の原型が感じられる一作。この段階ではまだノワールの凄みを発揮する程ではないものの、全体の暗鬱なトーンはまさにトンプスン的と言える。 | ||||
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