平原の町
- 青春小説 (221)
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最も読み難く難解な「越境」著者の小説の中では比較的読み易い「すべての美しい馬」二つの物語の主人公が同じ牧場で働き3部作の総括的な物語が展開される。読み進めて行くと徒では済まない結末になる事は予想が付くが実際その通りとなる。一方で物語の趨勢と直接関係ない日々の仕事や出来事の詳細な描写にその光景がありありと目に浮かぶのだが登場人物達の行末よりそういった場面は読後意外と心に残る。訳者のあとがきや解説文に繰り返し書かれている様に失われて行く米南西部国境の暮らしとカウボーイ文化に対する郷愁、容赦無い物語の中に散見する哲学の様な物の混淆が作品の核だがエピローグの旅人との会話とその内容は些か冗長でビリーの去就だけで良かった気がする。 | ||||
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火や水を運ぶ試みはここに挫折しても、夢を通して次の世界へ続いていく。解説は蛇足。 | ||||
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「すべての美しい馬」の直接的な続編で「越境」からのつながりもある、「国境三部作」最後の作品。 前2作を読んでいなくても読めるが、読者は当然前2作を読んでいるという前提で書いてあるので読んでないといまいち読みづらいだろう。 内容的には、青春小説としては「すべての美しい馬」に劣り、哲学性、芸術性では「越境」に劣る。 ちょっと中途半端な印象を受ける。 大傑作を目指した、というよりは前2作の主人公ジョン・グレイディとビリーの物語に決着をつけることを目的に書かれたような感じだ。 ただ、評者はこの作品で好きなポイントが2つある。 それは、 1.馬に関する興味深い文章が多い。 マッカーシーは馬が好きなのだろうか? 馬に関する文章は「すべての美しい馬」にもあったが、それより増えていてまたもっと深いものになっている。 「いい馬は自分で判断することができるよ。そういう馬は心のなかが見えるんだ。人が見てないときでもこれはやらないってことがあるからね。いい馬は自立してるんだ。そこまで調教したら馬は自分で悪いと知ってることは命令されてもやろうとしない。こっちに逆らうんだ。そこで扱いを間違えたらその馬を殺すのと変わらない。いい馬は心のなかに正義の観念を持ってるんだよ。」 評者も馬が好きなので、こういう文章を読むだけでもこの本を読んだ甲斐があったと思う。 他にも、馬の競りや種付けのシーンがあり、馬が好きなら読んでいて楽しい。 2.エピローグが特筆に値する。 「旅人の夢の話」は割と直接的な小説家と登場人物と読者の関係についての寓話だ。 マッカーシーという人はあまり作品外での発言をしないそうで、こういう小説論のような文章を読めるのは珍しいのではないだろうか。 大部「国境三部作」の最後の締めくくりに、自分の小説へのアプローチの仕方のようなものを書いておこうと思ったのかもしれない。 小説として完成していた前2作と比べてマッカーシーの私的なモチベーション+ファンサービスで書かれた部分が大きいような印象を受けた。 | ||||
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現代アメリカ文学の巨匠コーマック・マッカーシーの<国境三部作(ボーダー・トリロジー)>の第3作完結編。第1作『すべての美しい馬』のジョンと第2作『越境』のビリーが競演する。 1952年、19才になったジョンは28才になったビリーたちとニュー・メキシコ州の牧場でカウボーイとして働いている。ある日、仲間と国境を越えたメキシコの娼館へ行き、そこで16才の娼婦マグダレーナと恋に落ち、なんとでもして結婚しようとする。直情径行なジョンのあまりにも無謀な行動に、ビリーや牧場主たちは、初めは反対するが、彼の熱い思いにほだされて、呆れながらも協力しようとする。しかし娼館の経営者エドゥアルドがその前に立ちはだかる。クライマックスのジョンとエドゥアルドのナイフによる死闘は圧巻である。物語は前2作よりもストレートで読みやすいといえるが、ジョンとマグダレーナの熱愛は悲劇的な結末を迎えることになる。 本書は、時代によって“失われてゆく西部”を舞台にした活劇ウェスタンであると共に、ある青年の命をかけた“運命のラブストーリー”である。 ビリーは、このジョンの物語の傍観者・脇役として立ち回るのだが、最期のパートで、2002年で78才となり、浮浪者のような生活をしている。そこで同じような生活をしている男から自分の見た夢について聞かされるくだりで締めくくられる。「哲学」と「幻想」と「神」と「詩」を織り込ませながらも、マッカーシー独特の文体で克明なリアリズムを追及して語りつがれてきた<国境三部作>のラストにふさわしい、実に思弁的な終わり方である。今、私はこの三部作を読み終えて、深い感慨にふけるというよりは、しばし呆然としてしまった。 | ||||
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長い間、探していたこのコーマック・マッカーシーの国境三部作の完結編が文庫化された。 『すべての美しい馬』、『越境』に続く作品だけど、最もロマンティックな恋愛小説。 カウボーイたちの馬との生活の描写も相変わらず美しく、滅び行くアメリカ西部の男たちの美学もいい。 しかし、それ以上に、主人公のジョン・グレイディとマグダレーナとの悲恋とグレイディとエドゥアルドとの決闘のシーンが、とにかく美しい。難しいことを考えずに素直にその美しさに浸りたい。 読み終えた後の上質なワインを飲んだときのような酩酊感が心地よい。 解説を豊崎由美氏が書いているがこれがまたいい書評。この小説の特長がよく説明されている。 とりあえず、これで翻訳されている彼の作品はすべて読んだ。未訳のものも翻訳してほしいなぁ。 | ||||
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