LAヴァイス
- 洗脳 (27)
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全1件 1~1 1/1ページ
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70年代始めのロサンゼルス。いつもドラッグでトリップしている私立探偵が、昔の恋人の依頼で大物不動産業者の行方不明事件を捜査することになった。ヒッピー文化が週末を迎えつつあるLA、ラスベガスでは、法執行機関やギャングが力を盛り返し、ハッピーなことは何も起こらなくなっていた・・・。 | ||||
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『v』をやっと読了して、難解な小説かと覚悟して読み始めたところ、スピーディーな展開でサクサク進めました。 映画化、納得です。 時代背景など難しい部分もありますが、キャラが立っているので勢いで読めちゃいます。 ピッピーブームがあった、くらいのことが分かればなんとかなるかも。 楽しかったです。 | ||||
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ロスの私立探偵「ドック」が主人公の探偵小説。傑作です。 「ドック」だけでなく、周りの人間のおバカの言動には何度も笑っちゃいました。 おバカが、まともで正常で、健常人が狂っているのかも。 殺されていなくなったと噂される悪者が生きていたり、 金の亡者が慈善事業を始めたり、 手足バラバラでコンクリート詰めで闇に消えたり、 何ともハチャメチャな展開。 事実を積み重ねて真実に迫り、事件の真犯人にたどり着く という、まともな探偵小説ではありません。 探れば探るほど、何が何だかわからなくなり、全体像が濃い霧に包まれていくような。 どいつもこいつも、大なり小なりの悪事を働いていて、嘘をついている。 手に負えん。 悪事と嘘にあふれているのに、悪人と嘘つきの人間の間には、不思議な連帯感、 と言うか、<お互いさま>みたいな、持ちつ持たれつの共通認識が本中に漂っています。 本書の登場人物たちは、こんな汚い世の中、世界の終りだと絶望するのではありません。 なんとか屁理屈をこねてでも、生き延びて行こうとするたくましいヤツばかり。 人間って意外と、しぶとい。 悪党たちと警察の、暴力と金をめぐるドタバタ劇が終わらない長篇小説。 悪党たちと警察の、なれ合いをめにする私立探偵。彼の目を通して描いています。 悪党がいなくなったら、警察は失業してしまう。どうしようもない、もたれ合い。 そんな腐った汚い世の中や社会は、病気だ。 そんな病気に立ち向かう正義の医者「ドック」! 残念ですが、本書は、そういう内容ではありません。 150センチに近い、背丈の低い小柄な「ドック」。 アメフト選手みたいな大柄の警官が道幅いっぱいに横になって向かってくると、 弾き飛ばされて横の側溝の中に転落してしまう、なさけない「ドック」。 がんばれー、と応援したくなる内容。 ドクター(医者)のふりをして、注射器を入れた赤い医者用かばんを持っているだけの 私立探偵「ドック」。 健康に悪いタバコは喫うし、ハッパやクサも大好きな「ドック」。 社会の病理を暴いて治療してやる、なんて大それたことは、考えたこともない「ドック」。 ロスでは悪党たちと警察のなれ合いみたいな関係が長年続いており、 悪党や私立探偵までも抱き込んで犯人逮捕の成績を上げようとするイカサマ刑事もいます。 もうもうのタバコの煙と霧の中での悪党たちと警察の駆け引き。 悪党は野球のバットで痛い目に合わせてやれと指導する警察刑事。 優しいドックは、インチキな医者用かばんを小道具にして、悪者を脅すだけ。 インチキ刑事のビッグフットは、せっかく貸してやったバットをなぜ使わなかった とドックを叱る。 どっちがバッドなのか。ビッグフットのほうが悪人たちよりバッドだぜ。 そんな話が、おもしろおかしく長々とダラダラと書かれています。 これだもの、巨大な警察機構があっても、社会から悪党がいなくならないわけだ。 そんな現実の社会状況がていねいに書かれているので、リアルに感じる小説です。 単純な犯人探しではどうにもならない探偵小説。 絡み合った現実社会への問題提起。 でもなさそうです。ピンチョンはただただ、ひたすら書き綴っているだけみたいです。 バカでアホで間抜けでなさけなくて、どうしようもない探偵の姿は、 実はピンチョン特有のカモフラージュだと思います。 ろくでもない、どうしようもない世の中で、 しょぼく生き抜く悪党たちの生きざまをまじかに見て学んでいるドック。 安易な問題提起は嫌いな作家のようです、ピンチョンは。 ピンチョンという人間の存在自体が、問題提起になっています。 全米図書賞を受賞したのに、わけのわからない言葉をつぶやくばかりで、 授賞式にも現れなかったピンチョン。 本書のドックそっくり、というか、ドックそのものみたいです。 ピンチョンだったら、ノーベル文学賞をもらったとしても、 <郵送してください> なんて言っちゃって、 もったいぶった授賞式のスピーチなんかはしないだろうな。 人間だれしも、表の顔と裏の顔があり、 それらが相反していることも稀ではありません。 本書の悪党たちや警察の背後には、医者とか弁護士のような社会の中枢の人間が、 FBIやCIAといった組織の人間の姿が見え隠れしています。 人間の矛盾した心は、善と悪のはざまで複雑に揺れ動きます。 根っからの善人とか、悪人はいません。 目には見えない心の揺れ。常に揺れ動いている心。 善人、悪人の二分論での犯人探しは間違いのもとです。 悪党たちも警察も、やばいな、と感じることは下っ端や部下にやらせます。 本当の悪人は、いつまでも無くなりません。 この本に登場する男と女の関係も複雑です。夫婦の間もややこしい。 多数の男女が絡み合っていて、読者はこんがらがってきます。 ドックと検事補のラヴまであって。 本書の帯にある「主要登場人物」リストだけでも、50名。 こんだけいて「主要」とは? 他にも、たくさんの主要でない人物が登場します。 本書を読むとき、この「主要登場人物」リストは手放せません。 主人公のドックは、おバカな探偵かと思いきや、なかなかのやり手です。 ドックの頭(勘)の良さは、警部や刑事や検事以上。 いつも彼らの先回りをして関係者に探りを入れています。 「ドック」と言うあだ名(077頁)は、 CIAも使っている自白血清を滞納者たちへ注射するぞと脅すための小道具 (皮下注射用の装備一式)を入れた赤いボックスから来たもの。 終始、おバカな会話のやり取りばかりです。 そんな会話の膨大な積み重ねの中から、裏社会のとてつもなく醜い実像が 霧の中からぼんやりと浮かび上がってくるようです。 500頁以上の長篇小説の最後だというのに、締めくくる言葉は、こんな風です。 「路肩につけて待たなくてはならない。何を? 何であれ。とにかく待つ。どこからか忘れていたハッパがヒョイと出てくるのを。通りかかったハイウェイ・パトロールのバイクが、彼を虐めずにいてくれるのを。スティングレイに乗ったブロンド女が停まって退屈しのぎにドックを載せてくれるのを。霧が晴れ、その後にどうしてか、今度は別の何かが出現するのを」(503頁) 「とにかく待つ」が結論かい? 暗中模索。理屈抜きの探りの霧の中から偶然、晴れ間が出てきて、別の展望が見えてくる。 行き当たりばったり。運任せのようでいて、結果的には事件の真相に近づいていくドック。 社会の深層に迫っていくドック。 不条理の事件を追う探偵は、行動も不条理。 筋の通った説明なんか、ありっこないのかも。 この世に真実なんかない。全部、嘘に見えてきてしまいます。 テレビの探偵もののドラマのように、一時間後に必ず解決する事件なんて、 作り話。嘘のホラ話。 なるほどと思える結論なんて、本当なのか? この本を読むと、そんな都合の良い、理屈に合った結論なんかいらないと思えてきます。 風の吹くまま流れていって、風任せの船旅のように、 ラリラリ、ラリのラリパッパと歌いながら、 時々晴れ間の霧の間から、垣間見られる醜い現実。 同時に、チラチラ浮かび上がってくる人間の善意。 捨てたもんではないな、人間。 悪人もいれば、善人も必ずいる。 健康な人も病人もいる。 みんなが程よくバランスをとりながら、社会を構成している。 この世が善人ばかりになるはずがないことは、歴史が証明している。 悪人ばかりにならないように、善人は知恵を絞ってきた。それでも、このありさまサ。 本書を読み終わって、ドックに癒されてリラックスしている自分を発見しました。 傑作で笑っちゃいました。でも、ただ笑ってていいのかな? | ||||
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非常にとどくのが遅いと思っていたところ、割と早く届きました。ビニールのカバーと帯も付いていて満足です。本そのものはこれから読みますが、きっと面白いと思います。 | ||||
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ピンチョンも日本語で全集とかでるようになってすごいなあ、って思いますけどいざ読もうとしてみると読み切ることができないですね、正直なところ。そんな中でこの本は難易度が競売ナンバー49の叫び程度というか、なんとか読み切ることができました。 僕が読めないなりにピンチョンを好きなのは目の前のバカバカしい世界とは別に、その背後に本当の世界があるんだけど自分には理解できないみたいな感覚が好きでその一瞬に会うために延々わからない文章を読んでるみたいなところがあります。それが何なのかを理解できないまま僕の人生も終わりそうだけど。 | ||||
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ラリラリヒッピー主人公だけに虚実不明な軽さ。だが国家の原罪を一地域に投影した主題は重い。 | ||||
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