(短編集)
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謎に包まれた作家アルチンボンディを研究する、ヨーロッパ各国在住の4人の文学批評家。 メキシコ在住の哲学教授とその娘の日々。 メキシコの事件に興味を持つアメリカの新聞記者。 メキシコで起こる女性連続殺人の中心の動乱。 そして、ドイツ人作家、アルチンボンディの人生。 本書はこれら5つの章から構成される物語であるが、この物語の真骨頂はこれらのそれぞれに独立して重層的(章に応じて複数の視点から描かれる横軸の意味でもあり、3世代、5世代といった一族の因果といった縦軸の意味でも、あるいは最終章にみられる回想の中の手記の中の物語という、小説そのものについても)構造を持つ各章がそれぞれの次章に続く引き金となっており、またそれらがすべての読了後に全体を俯瞰した際に円環を形成しているという物語の構成の巧みさにあるのではないかと思う。 劇中のアルチンボンディの名の由来でもある画家アルチンボンドの騙し絵が花弁や果実などといった「部分」と、人物という「全体」として描く方法を小説において実験したものではないか。読了後に過ぎたページを捲り直すこと必至の名作です。構成上やはり個々の物語としては5章が最も面白く、ページをめくる手が止まらないところ。 ただし、純粋に物語という意味では各章で描かれる符号がすべて合致する、、、といったものでもなく、行方知れずの作家の行方と連続殺人という物語の主題からも、感情移入を求める種類の小説でもない。ただ、これだけの技巧を以てこれだけ文学で広大な世界を描くことができるのかという意味では読後感は保証された名作かと。非常に 高額な小説ですので小説に求めるものを考えて検討してみてください。 ※ちなみに、4章のレイプ殺人の詳細な記述はなかなか読み進めるのが辛いところ、、、。苦手な方は読み飛ばし気味でも問題はないのではないかと。 | ||||
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読了してません。2012年購入、2019年春、未だ、読み終わりません。いい加減諦めて、中古で売ってしまえばと思うのだが、なにせ、6000円以上のお金を出して買ったと思うと、悔しくて、諦めがつかず、読み終えるまでは売らないと思い、ベッド脇に鎮座する、とても分厚い小説。 この数年間、読みかかっては、眠気を誘われて、読むのを諦め放置→もう一度初めから読むを繰り返し、やっと90ページ弱。 この小説を読むには、相当の知識も必要だ。ぐぐっても、ちんぷんかんなことも、結構出てくる。 やっと、殺人事件の話しも出てきたが、いま、読んでいる部分と、時間と、そのほかのものごどう繋がるのかがまったく想像つかない。 書評するにも、時間が必要なの本です。 | ||||
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やたら評判のいい本作だが過大評価だと思う。 理由は以下3点。 1.テーマが陳腐で古臭い 2.技法が過去作家の模倣ばかり 3.プロットが弱く、冗長で散漫なエピソード群が効果を上げてない 1.のテーマが陳腐で古臭いだが、本作のテーマは性と暴力が主なものだろう。だが言うまでもなくそれは文学ならフォークナー以降、映画でも本作以前に散々扱われたものである。そして本作で性や暴力に関する新しい何かなど何もないのであって、それはやはりテーマの選定や扱いに失敗したのだと思う。 2.の技法についてであるが、これはアマルフィターノの部で見えるラテンアメリカ文学らしいシュルレアリスムに根をもつ詩的な文章やビートニク以降の酩酊感のあるエピソード、犯罪の部でのボルヘス風の辞書的犯罪列挙やフェイトの部でのハードボイルドやアルチンボルディの部でのSF風の挿話など、様々な技法を用いていることが挙げられる。ただどれも既視感のあるものでああそれなかったねというのが一つもない。 そのまま3.のプロットが弱いにもつながるが、800ページも読んできて、批評家の部で謎であったアルチンボルディがなぜメキシコに行ったかなんてどうでもいい部分を、いまさらアルチンボルディの甥が犯罪の部の重要な容疑者で、老いた妹を助けるためにサンタテレサに来たなんてつなげられても全く感動出来ない。プルーストかボルヘス風の円環構造も既視感あり。各部の繋がりも弱くあってないようなもの。まして800ページ散々エピソード積み上げたが殆ど本筋に本当に関係ないし、何も浮かび上がらない。散漫な話の塊はピンチョンの得意とするところだが、ピンチョンにはエントロピーという文学的意図があるが本作にはそんなものはないのだ。 凡作とは言わないが全てが古臭いし、やはり傑作ではない。これ読んで感動って具体的にどこでするの? | ||||
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苦労することはなく本当に舌なめずりしながら読める訳である。少しずつ読み進めようと思ったが、2章からやめられなくなり、思ったより早く読み終えてしまった。そして読了時にまた最初から読みたいという欲求を覚えた。こんな本はそうそうあるものではない。 | ||||
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850頁超あるので、本そのものが物理的に重いし、個人的に二段組がやや苦手ということもあって、 読むのにはいささか苦労した。 全体が五部構成になっているうち、とくに「4 犯罪の部」は270頁ほどあって最も長いが、ここでは メキシコ北部の架空の都市サンタテレサにおける女性連続殺人事件について語られ、紙数の多くが 被害者の殺害状況やプロフィールについての無味乾燥とも言える記述で占められているので、数十頁 ずつ読んでは少し休むということの繰り返しで、なかなか集中を保って読み続けられなかった。 (読み終えてから知ったのだが、サンタテレサのモデルになった都市シウダー・フアレスは、数年前まで 「世界一治安の悪い都市」として知られ、実際に十数年の間に数千人単位の女性が殺されているらしい。) ところが、最後の「5 アルチンボルディの部」は物語的に最も波乱万丈で面白く、それまで宙吊りのまま 延々と焦らされてきた謎の作家アルチンボルディの素性が明かされることもあって、この部だけはむしろ 終わるのが惜しいように感じながら順調に読み進み、結末に至って不覚にも滂沱の涙を流していた。 ボラーニョ作品を読むのはこれが初めてなのに、遺作から読んでしまったなんて悲し過ぎる。もう一度 読み返せば、この作品をより深く味わえることだろうが、果たしてその日は来るのだろうか。 | ||||
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