(短編集)

通話



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    初公開日(参考)2009年05月
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    短編集

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    通話 (EXLIBRIS)

    2009年05月31日 通話 (EXLIBRIS)

    『通話』―スペインに亡命中のアルゼンチン人作家と“僕”の奇妙な友情を描く『センシニ』、第二次世界大戦を生き延びた売れないフランス人作家の物語『アンリ・シモン・ルプランス』ほか3編。『刑事たち』―メキシコ市の公園のベンチからこの世を凝視する男の思い出を描く『芋虫』、1973年のチリ・クーデターに関わった二人組の会話から成る『刑事たち』ほか3編。『アン・ムーアの人生』―病床から人生最良の日々を振り返るポルノ女優の告白『ジョアンナ・シルヴェストリ』、ヒッピー世代に生まれたあるアメリカ人女性の半生を綴る『アン・ムーアの人生』ほか2編。 出版社からのコメント 【ラテンアメリカの新しい声】 ロベルト・ボラーニョは、1953年、チリのサンティアゴに生まれた作家、詩人。2003年に50歳の若さで亡くなったが、没後も国際的な評価は高まるばかりである。 本書は彼の第一短編集で、全三部構成。第一部<通話>では、おもに売れない作家や三流詩人たち、さらにはボラーニョ自身を投影した人物(B)が登場する。「ものを書く」「伝達する」という行為に対する、屈折しながらも共感に満ちたまなざしが随所に表れている。第二部 <刑事たち >には、不可思議な体験を語る男たちが登場する。第三部<アン・ムーアの人生>では、女たちの奇妙だが真摯な生き様が語られる。 いずれの作品にも、「世に知られないテクスト/名もない人々の声」への強い関心がみられる。また、各々の短編を流れているのは、得体の知れないさまざまな<恐怖>の感覚である。これはしばしば、1973年9月11日に起きたチリ・クーデターに根ざしている。 「皮肉とユーモア、不安と恐怖が、知性の房を抜ける鮮血となって、文学の心臓を支えている」(堀江敏幸氏) 作家のエッセンスがつまった、初期を代表する一作。 (「BOOK」データベースより)




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    No.12:
    (5pt)

    うまくいかないことが淡々と綴られる話。

    日のあたる世界では悪い冗談の種にしかなりえない。そんな詩人、ならず者に落伍者、彼らの声にボラーニョは静かに耳を傾ける。売れなくても、かつかつでも、いい生き方がある。
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    4560090033
    No.11:
    (4pt)

    不思議な人称の語り口

    一人称でも三人称でもない。一番近いのは二人称だが普通の二人称と違い、主人公との距離感がある。直接的に描写はないが、語り手の気持ちや主人公に対する思いは切実に伝わって来るので、語り手の存在感は大きい。登場人物は概ね地味な人生の失敗者でストーリー展開も派手さはないが底に流れるテーマが生死、性愛、嫉妬、名誉欲等人間の根幹に関わるものばかりで心に響く。
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    4560090033
    No.10:
    (5pt)

    偏愛の一冊

    以前出たものの改訳版ではあるが、ボラーニョ・コレクションから出る短編集はこれで3冊目となる。謎の作家アルチンボルディが登場する『2666』や女流詩人セサレア・ティナヘーロをめぐる『野生の探偵たち』を読んで以来、「歴史の闇に埋もれていった真の詩人や作家たち」(@訳者)が登場する話が個人的ツボになってしまった。本書に収められている最初の4編(「センシニ」、「アンリ・シモン・ルプランス」、「エンリケ・マルティン」、「文学の冒険」)もその二大長編の小変奏と言ってよく、ボラーニョの分身である主人公たちが本を読み、古本を買い、小説や詩を書き、また手紙を書くというだけの行為が描写されると、強く惹きつけられてしまうのだ。
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    4560090033
    No.9:
    (4pt)

    チリ人の人生に影を落とす軍事クーデタ

    著者は2003年に50歳で亡くなったチリの作家で、本書はその最初の短篇集。三部に分かれ、全部で14作品を収載。
     訳者によれば第一部はマイナー作家に焦点を当てたもの。
     最初の「センシニ」がとても良い。先輩作家との手紙を通じての交流を淡々とつづったエッセイ的な作品。その作家がアルゼンチン出身なので軍事独裁政権との関わりが背景にあり、複雑な味が出てコクのある一編になっている。あとの作品は、だんだんと日本の私小説みたいな感じになってきて、あまり面白いと思わなかった。

     第二部はアウトサイダーによって綴られた闇の現代史。
     「芋虫」はメキシコ人の16歳の少年が主人公。公園で知り合った謎の男(芋虫)が殺し屋であることを暗示する内容で、とても面白い。
     「雪」は、バルセロナで知り合った同国人のモスクワ体験を聞き書きする。ロシア人マフィアの話だ。チリ人が何でソ連にいるのかというと、その父親がチリ共産党幹部でアジェンデ政権の要人だったので、73年軍事クーデタの時にソ連に亡命したのだ。チリにはこういう政治的背景があるから、小説としても興味深いものができるのだろう。この短篇もかなり面白い。
     「刑事たち」は会話のみで、車を運転中の刑事二人が与太話を繰り広げる。話は次第に軍事クーデタ時の思い出に移り、最後は一種の怪談話になる。大勢の無実の政治犯が虐殺された悲劇と恐怖が、何ということのない会話の間から浮かび上がる。

     第三部は女性を主人公とするストーリー。
     「独房」は恋人だった女性の病んでいく様を一人称で綴る。背景にあるのはやはりクーデタと知識人への弾圧の記憶だ。第二部までほとんど触れなかった男女の愛や性が扱われている。
     「クララ」「アン・ムーア」は腐れ縁のように関係が続いた女性の、よく言えば奔放な、悪く言えばだらしない人生を「僕」の一人称で描く。ある種の病を抱えた彼女たちの人生の変転を逐一メモ書きしたような文体がいい。
     「ジョアンナ」は三部の中ではいちばん面白い。イタリアのポルノ女優の饒舌な一人語りが改行なしにびっしりと書き込まれた、ある種実験的な文体。往年の伝説的なポルノ男優の描写が印象的。

     「自分でもうまく整理のつかないことをなんとか他人に伝えようとする、しかしそれがうまくいかないでもがく人々の話に、ボラーニョは静かに耳を傾けている」と訳者は評している。
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    No.8:
    (5pt)

    掴みどころのない影のような短篇集

    一文一文が切実に迫ってくる物語と終始上の空のままに読み流してしまったような物語が混在する短篇集でしたが、みなさんはどうでしょうか?改行されることなく地続きの文で本筋の亜流と思われていたものが、実は本筋として話が流れていき、なんとなくの予想みたいなものを立てて読み進めようとした矢先にまた話題がひっくり返る。荒馬に乗ったカウボーイのように進行方向の迷子になってしまう文章こそはラテンアメリカのノリなのかも知れない。的を目掛けて矢を射ったら的自体がなくなって矢は落ち所を失うようなエピソードもあって、それが物語の末尾に飛び出すと物凄く不安感が残る。混乱し掴みどころを失うような気持ちになるたびに僕は読解をしている訳ではない、読書だと開き直って、理解不能な部分は謎というこの作家の味なのだと思って読み継いだ。波長が合う短篇は、隅々までピントが合って物語の濁流に呑み込まれたのだけれど。装丁がすごく良いですね。
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