わたしを離さないで



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初公開日(参考)2006年04月
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長編小説

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わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

2008年08月22日 わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設ヘールシャムの親友トミーやルースも提供者だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度…。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく―全読書人の魂を揺さぶる、ブッカー賞作家の新たなる代表作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.50pt

わたしを離さないでの総合評価:8.21/10点レビュー 716件。Bランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(5pt)

骨のない話

最後まで霞にかかったような気持で読んでいました。なぜ名作なのかわかりません。

わたろう
0BCEGGR4
No.1:
(6pt)

わたしを離さないでの感想

ヘールシャム出身のキャシーの回想で物語は始まるが、テーマと云うか内容の割には少し長いと思う。
へールシャムでの生活と出来事を淡々と綴り、少しづつキャシーやその仲間たちとの勉強と生活を見守る保護官との会話で裏側にあるものが見えてくる。彼女たちの存在意義が浮かび上がってくる書き方だが、初めに出てくる提供者という言葉に違和感を覚えるがこれは無かったほうが良いと思う。ほとんどすべてが明らかになっても、キャシーと仲間たちはその運命を受け入れ提供者と看護人として全うする様子が描かれていて、最後のページのキャシーのモノローグには胸打つものがある。個人的にはもう少し切り口を変えてまとめれば面白かったのにと思うところで、さて、これはミステリーなのかと問われると少し違うと云わざるを得ない。

ニコラス刑事
25MT9OHA
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.714:
(5pt)

一生に一度は読んでおくべき作品です!!

TVで三宅香帆さんが話していたのを聞いて図書館で借りました
読み始めてすぐに「よくわからないけれど、ちょっと怖い話かも…」と思いました
しかし、ページをめくる手が止まらず、結局2日で読み終えました
訳して頂いた土屋さんには感謝です、が
もし他の人(女性)が訳したらもう少し異なった印象を受けたかもしれません
原文が読めれば良いのですが…
また、三宅さんがお話していなければ一生手に取ることはありませんでした
三宅さんありがとうございます!
私は50代ですが、10代、20代の若い人たちにも読んでもらいたいなぁと思いました
20年前の作品ですが、現代にも通じるものが確かにあると感じました
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.713:
(3pt)

暗い

定番の話題作なので読んでみました。

テーマそのものが重いのですが、臓器系、暗く、描写が海外っぽくエグいです。特に若年目線の性描写。

独特な世界、覚悟して読む文学作品でしょう。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.712:
(5pt)

『生命は生命の力で生きている』

本書の紹介には、『ヘールシャムという施設が覆い隠してきた残酷な真実』などと書かれているので、
主人公たちの境遇というか、彼らにまつわるシステムの謎解きのお話なんじゃないかと思ってしまったりするかもしれません。

 実際、解説を読むと、書評家達はネタバレをしてしまわないか気を使ったようですが、
著者本人はネタバレを問題視していなかったようですし、舞台設定のネタがバレたからと言って面白さが失われたり減じたりするような作品ではないと思います。

 へ―ルシャムと言う閉鎖的な施設、「提供者」というキーワード、親の影を全く感じさせない子供たち…
クローニング技術とか臓器提供(または臓器移植ビジネス)など、特にSFなどのファンでなくとも一般的に浸透しているイメージだけで、作品世界の概要はかなり初期の段階で大体予測できてしまうでしょう。

 しかし、本作で重要であり、素晴らしいと思うのはその舞台での「心の描かれ方」です。
外の世界は勿論、親も知らない子供たちも、我々や我々が知っている普通の子供たちと全く同じに、
友達を作ることに喜んだり、喧嘩をしたり意地悪をしたり、噂をしたり嘘をついて牽制しあったりします。

 正に社会性を持つホモサピエンスの性質そのものですが、
そうしたことに全身全霊をかけて取り組んでいる彼らの姿、心に、
愛おしさと人間の嫌な面への嫌悪感を同時に、リアルに感じました。

 そして彼らは成人するような年齢に成長してもなお、
社会で上手く立ち回るための諸々を知らないまま、大人が軽い気持ちで飛ばした冗談を信じ込んでしまう子供のような、無垢で不器用な心で「残酷な真実」に立ち向かって行こうと…、否、許しを請おうとします。

 しかし、彼らがたどり着いたそれは、物語中盤まで私が抱いていた、「私が信じていたかったへ―ルシャム運営者達の良心」とは違う形のものでした。
(「わたしを離さないで」と言う歌に対する主人公の気持ちへの、当たり前に自然で絶対的な解釈の相違がそれを象徴しているように思えます。)

 確かにその点を考えれば、それが紹介文にあった「残酷な真実」だったのかもしれませんし、ネタバレしてはいけない要素なのかもしれません。

 ただ、ガックリ来るよりも『そりゃ、そうだよな』と納得した方が大きかったと思いますし、物語上の綺麗な答えに逃げずに、問いを問いとして心に刻む良い結末だと思いました。

「残酷な真実」に打ちのめされてもなお、彼らの物語は美しいままです。
それをシステムの勝利だとは考えたくはありませんが…心に残ることは確かでしょう。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.711:
(5pt)

思い出は人を救う

この小説を読みながら、ドストエフスキーの『思い出は人を救う』という言葉を思い出した。

 カズオイシグロはこの小説の世界を『私達の子ども時代のメタファーにしたかった』と語っている。
 大人の世界の残酷さを隠しオブラートに包まれたような優しい世界― 人は幸せな子ども時代があるからこそ、大人になってからの過酷な人生にも耐えられるという。

 そして、作者は『システムを破壊して反乱する人より、悲惨な運命を受け入れている人々に興味をそそられる』と語っている。
 その視線は、世界のトップで人々を操っている少数の人ではなく、操られながらも必死で生きている多くの人に向けられている。

 最後のキャシーの決意に、とても勇気づけられた。表面上は悲劇に見えるかもしれない。でも、私達に生きる勇気を与えてくれる、最高の終わり方だと思う。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.710:
(4pt)

のめり込んで読みました。

すんごく複雑な気持ちになった。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517



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