紙の月



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初公開日(参考)2012年02月
分類

長編小説

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紙の月

2012年02月29日 紙の月

わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が1億円を横領した。梨花は海外へ逃亡する。彼女は、果たして逃げ切れるのか?あまりにもスリリングで狂おしいまでに切実な、角田光代、待望の長篇小説。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

紙の月の総合評価:7.56/10点レビュー 160件。Bランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

欠落している自分を、何で埋めるのか?

柴田錬三郎賞を受賞し、テレビドラマ化、映画化されて高い評価を得た長編小説。41歳の女性契約社員が、勤務する銀行から一億円もの巨額を横領したのは何故なのか? ミステリー部分は弱いものの、現代人の精神的な渇望を深く掘り下げた傑作エンターテイメント作品である。
裕福な家庭に育ち、平凡な結婚をし、子どもに恵まれなかったことからパートで勤め始めた銀行で真面目に勤務し、契約社員に抜擢された梅澤梨花が、ふとしたことから銀行の金に手を出し、やがては一億の巨額を横領し、タイに逃げ出すまでの転落の道が、周辺人物のストーリーを交えながらスリリングに描かれている。主人公の梨花を始め、彼女に関係する友人たちも「自分が自分でない」違和感を抱えており、その欠落を金(経済)で埋めようとする。特に梨花の場合は、精神的な飢餓を癒すはずだった恋愛も、いつしか金を与えることで自分の満足を得るという代償行為に変質してしまっていた。それを自覚したとき、梨花はもういちど逃げ出そうとする。
犯罪行為そのものや犯行が発覚するプロセスなどはさらりと描かれており、ノワール小説のスリルは無いが、金に縛られ、金に溺れる登場人物たちの姿には冷たい手で肌をなでられるような恐怖感がある。
犯罪小説ファンというより、宮部みゆき、奥田英朗などのファンにオススメだ。

iisan
927253Y1
No.1:
(8pt)

紙の月の感想

主人公がどんどん変わっていくさまがリアルで怖いくらい。
映画の主演が宮沢りえということで、良くも悪くも宮沢りえしかイメージできなかった。
こういう話って、主婦は共感するんだろうね。


▼以下、ネタバレ感想

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Hidezo
GX0TU62Y
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.158:
(4pt)

借金や横領を繰り返す人の気持ち

私の夫は横領こそしなかったが、銀行員でありながら多額な借金を2度も繰り返し、私たちは離婚した。それも愛人がいたわけでもなく、ギャンブルに狂ったわけでもない。一体何にそんなにお金を使ったのか未だによくわからない。ただ、日々足りない分を補填して、利子が払えずに、また別のところから借りて補填し、を繰り返していた。一度は早期退職をしてその退職金で借金を返したが、一部残したままで、またそこに借金を重ね、最後は家族にも言わず家土地を抵当に入れて、ギリギリまで私に相談もなく、いきなり何とかお金を100万用意してくれと言われたのは、晴天の霹靂で頭がくらくらした。

その後は成人した息子も娘も巻き込んで、毎週家族会議、結局家土地を売却、子どもたちは独立、売却したお金は借金に充て、私は自分の中古マンションを買って離婚した。家族離散。

その後私は幸い仕事を続け、運用もうまくいき、半分割の年金も入ってくるようになり、余裕のある生活をできるようになり、子どもたちとも交流しているが、夫は寂しい老後を送り、例によってまた借金だかリボ払いだかでお金が足りなくなり、私に貸してくれと泣きついてきた。2回まで助けてあげたが、3回目はさすがに断った。
ファイナンシャルプランナーの資格を持ち金融機関に長年勤務しながら、どうしてそのような過ちを何度も繰り返すのだろうと不思議に思い、長いこと謎だった。
しかし、本書を読んで何となく横領や借金をしていく人の気持ちが分かるような気がした。
何かが足りない、物足りない、夫婦間でも何かすれ違いがあるが、それが何なのか、はっきりしない。そして、それをお金やモノで埋めていこうとする。最初はほんの少し、すぐに返すつもりでいる。しかしそれは段々エスカレートしていく。
夫は横領こそしなかったが、一歩間違えば同じような罪を犯していたかもしれない。
テニスが趣味の人だったが、試合の為に集めたお金を一時自分の借金に充てたことがあったと言っていた。
今思うとぞっとする。

今は離婚してよかったと心底思っている。もしあのまま夫婦生活を続けていたら、共倒れだっただろう。
紙の月Amazon書評・レビュー:紙の月より
4758411905
No.157:
(4pt)

思ったとおり

満足
紙の月Amazon書評・レビュー:紙の月より
4758411905
No.156:
(5pt)

読みやすいけど人間の描き方は秀逸

面白かった。

リカが求めてたのは、自分の殻を破ってみることだったのかなと思う。

だから好きで好きで会いたいだけだったみたいな文脈の本の煽り文句見ると疑問。
最後まで読んでみたけど、リカってたぶんコウタに恋愛的な意味で溺れてこうなったわけではないと思う。

極端な散財も、散財のための様々な犯罪行為も、コウタとの関係性もコウタ自身も、リカにとっては目的じゃなくてただの手段だったような印象を受けた。
読んでて思うけど、こんな20やそこらの男の子と一時的に感情が高ぶって、その結びつきが永遠に続くなんてリカは思ってない。それが色んな文章から分かる。

リカからは夫どころかコウタに対しても、好きで好きで仕方ないなんて感情感じなかった。
ただそのとき近くにいて、色んなタイミングが重なって偶然関係しただけの人達というか。だからこそ、この少しずつ静かに、どんどん自分でもコントロールできない破滅に向かっていく感じに引き込まれるのかも。

リカから強烈に感じたのは、これまでの自分というものを徹底的に壊して自分を解放して全然違う自分を知りたい、見てみたいって気持ち。これ、、、激しく分かる

この小説、誰にでも分かるような表現や言い回しや語彙しか出てこないのに、人間の混沌や心の機微の描き方は物凄いものがあった。
難解な言葉を使わなくてもすごい小説って書けるんだなと驚きます。
紙の月Amazon書評・レビュー:紙の月より
4758411905
No.155:
(3pt)

メンタルに来る

テレビで映画が放映されていたので、
気になって原作も読みました。
映画よりもっとエグいです。
メンタルに来るので、元気な時に読むといいかと思います。
紙の月Amazon書評・レビュー:紙の月より
4758411905
No.154:
(3pt)

お金で躓いた女性たち

サスペンスとかミステリーだと思って読んだら違った。
簡単に言うとお金で躓いた女性たちの話。それもなんだかイヤミスに出てくるような魅力のない女性3人。
主人公の梨花の夫はまぎれもなくモラハラ夫だが、彼女を含め登場する他の2人の生活環境もそう極端に悪いとは言い切れない。何故、彼女たちは「失敗」したのか、理由はこの作品の中では簡単には明らかにされない。読者がそれぞれ感じることなのだろうと思う。
印象的だったのは、梨花が「ようやく自分の身に起きた全てのことがら、つまり進学や結婚は言うに及ばず日常のささいなできごとの積み重ねが今の自分を作り上げている」と心の中で語るところだ。自分自身や結婚生活から目を背けて、逃げているように感じた前半の彼女が最後に悟ったことがらは、全ての人にあてはまることだと感じた。
紙の月Amazon書評・レビュー:紙の月より
4758411905



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