紙の月
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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柴田錬三郎賞を受賞し、テレビドラマ化、映画化されて高い評価を得た長編小説。41歳の女性契約社員が、勤務する銀行から一億円もの巨額を横領したのは何故なのか? ミステリー部分は弱いものの、現代人の精神的な渇望を深く掘り下げた傑作エンターテイメント作品である。 | ||||
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主人公がどんどん変わっていくさまがリアルで怖いくらい。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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私の夫は横領こそしなかったが、銀行員でありながら多額な借金を2度も繰り返し、私たちは離婚した。それも愛人がいたわけでもなく、ギャンブルに狂ったわけでもない。一体何にそんなにお金を使ったのか未だによくわからない。ただ、日々足りない分を補填して、利子が払えずに、また別のところから借りて補填し、を繰り返していた。一度は早期退職をしてその退職金で借金を返したが、一部残したままで、またそこに借金を重ね、最後は家族にも言わず家土地を抵当に入れて、ギリギリまで私に相談もなく、いきなり何とかお金を100万用意してくれと言われたのは、晴天の霹靂で頭がくらくらした。 その後は成人した息子も娘も巻き込んで、毎週家族会議、結局家土地を売却、子どもたちは独立、売却したお金は借金に充て、私は自分の中古マンションを買って離婚した。家族離散。 その後私は幸い仕事を続け、運用もうまくいき、半分割の年金も入ってくるようになり、余裕のある生活をできるようになり、子どもたちとも交流しているが、夫は寂しい老後を送り、例によってまた借金だかリボ払いだかでお金が足りなくなり、私に貸してくれと泣きついてきた。2回まで助けてあげたが、3回目はさすがに断った。 ファイナンシャルプランナーの資格を持ち金融機関に長年勤務しながら、どうしてそのような過ちを何度も繰り返すのだろうと不思議に思い、長いこと謎だった。 しかし、本書を読んで何となく横領や借金をしていく人の気持ちが分かるような気がした。 何かが足りない、物足りない、夫婦間でも何かすれ違いがあるが、それが何なのか、はっきりしない。そして、それをお金やモノで埋めていこうとする。最初はほんの少し、すぐに返すつもりでいる。しかしそれは段々エスカレートしていく。 夫は横領こそしなかったが、一歩間違えば同じような罪を犯していたかもしれない。 テニスが趣味の人だったが、試合の為に集めたお金を一時自分の借金に充てたことがあったと言っていた。 今思うとぞっとする。 今は離婚してよかったと心底思っている。もしあのまま夫婦生活を続けていたら、共倒れだっただろう。 | ||||
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満足 | ||||
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面白かった。 リカが求めてたのは、自分の殻を破ってみることだったのかなと思う。 だから好きで好きで会いたいだけだったみたいな文脈の本の煽り文句見ると疑問。 最後まで読んでみたけど、リカってたぶんコウタに恋愛的な意味で溺れてこうなったわけではないと思う。 極端な散財も、散財のための様々な犯罪行為も、コウタとの関係性もコウタ自身も、リカにとっては目的じゃなくてただの手段だったような印象を受けた。 読んでて思うけど、こんな20やそこらの男の子と一時的に感情が高ぶって、その結びつきが永遠に続くなんてリカは思ってない。それが色んな文章から分かる。 リカからは夫どころかコウタに対しても、好きで好きで仕方ないなんて感情感じなかった。 ただそのとき近くにいて、色んなタイミングが重なって偶然関係しただけの人達というか。だからこそ、この少しずつ静かに、どんどん自分でもコントロールできない破滅に向かっていく感じに引き込まれるのかも。 リカから強烈に感じたのは、これまでの自分というものを徹底的に壊して自分を解放して全然違う自分を知りたい、見てみたいって気持ち。これ、、、激しく分かる この小説、誰にでも分かるような表現や言い回しや語彙しか出てこないのに、人間の混沌や心の機微の描き方は物凄いものがあった。 難解な言葉を使わなくてもすごい小説って書けるんだなと驚きます。 | ||||
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テレビで映画が放映されていたので、 気になって原作も読みました。 映画よりもっとエグいです。 メンタルに来るので、元気な時に読むといいかと思います。 | ||||
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サスペンスとかミステリーだと思って読んだら違った。 簡単に言うとお金で躓いた女性たちの話。それもなんだかイヤミスに出てくるような魅力のない女性3人。 主人公の梨花の夫はまぎれもなくモラハラ夫だが、彼女を含め登場する他の2人の生活環境もそう極端に悪いとは言い切れない。何故、彼女たちは「失敗」したのか、理由はこの作品の中では簡単には明らかにされない。読者がそれぞれ感じることなのだろうと思う。 印象的だったのは、梨花が「ようやく自分の身に起きた全てのことがら、つまり進学や結婚は言うに及ばず日常のささいなできごとの積み重ねが今の自分を作り上げている」と心の中で語るところだ。自分自身や結婚生活から目を背けて、逃げているように感じた前半の彼女が最後に悟ったことがらは、全ての人にあてはまることだと感じた。 | ||||
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