坂の途中の家

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種別
長編
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4,440回
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5
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18
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あらすじ

2018年12月07日 坂の途中の家 (朝日文庫)

最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない。刑事裁判の補充裁判員になった里沙子は、子どもを殺した母親をめぐる証言にふれるうち、いつしか彼女の境遇にみずからを重ねていくのだった--。社会を震撼させた乳幼児の虐待死事件と〈家族〉であることの光と闇に迫る心理サスペンス感情移入度100パーセント、『八日目の蝉』『紙の月』につづく、著者の新たな代表作が、いよいよ文庫化!(「BOOK」データベースより)

評判

坂の途中の家の評価:

6.67/10点 レビュー 3件。 B ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点6.67pt

坂の途中の家の総合評価:

7.41/10点 レビュー 140件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

全3件 1〜3 1/1ページ
No.3
(5pt)

坂の途中の家の感想

心理サスペンス小説ということで、期待感一杯で読んだが、なかなかしんどいお話であった。
とにかく主人公里沙子の思考にイライラする。
本文中にも「・・・そんな具合に、ネガティブな思考のループにはまりやすい自分を里沙子は自覚していて、心底面倒だと思っているのだが。・・・」
まさにこの一文に尽きる。

主人公は三歳の娘を育てている普通の主婦である。夫陽一郎もその娘を可愛がるどこにでもいるような普通のサラリーマン。
そのどこにでもあるような普通の家庭の普通の主婦が、裁判員制度の補充裁判員に選ばれ、刑事裁判に臨むことになったというお話。
刑事裁判の被告は、我が子を湯船に沈めて虐待死させた女性水穂。
当方読み始めて本書の展開は、「被告や証人の証言や主人公の発言・行動が複雑に絡み交錯しつつ、事件の真相が思わぬ展開を迎える」というエンタメ的なストーリーを予想したが、実際は全く異なっていた。

事件そのものは、この小説の本題ではない。
要するに、主人公里沙子が被告水穂に自分を重ね、自分の生い立ち・環境・家庭・家族・結婚生活・子育て・躾け・虐待・嫁姑・自立・専業・共稼ぎ等を考える社会派的家族小説である。
安直に言うと、若い男女が結婚するに当たっての指南書・啓蒙書とも言っていいかもしれない。
男性側から見ると、里沙子のような超面倒な女性は遠慮したい。
女性側から見ると、陽一郎のような一見理解があるようだが、女性の内面を知ろうとしない無理解・マザコン男はもう無理。こういうことだろう。
だから、円満な結婚生活を送るためには、この本を読んで男女の特性差を知り、些細な一言も気を配って結婚しましょう。ということではないか。
勝手ながら、当方、著者の意図をそういう風に捉えてしまった。

アマゾンの感想を読んでいると、里沙子の心情に共感するというコメントが多いことになるほどと思う。
無理解男が世に多いということの証左でもある。
まあしかし読みながら、うじうじ思考の里沙子には、もっとガツーンと言ってやれよと言いたくなった。
もしかすると、著者はダメ女性の例として里沙子を描き、世の女性たちに「もっと自立せよ!」って発破をかけているのかとも思った。

エンタメ小説では無く、ちょっと本サイトでは範疇外という印象なので、中庸点の5点とした。

マッチマッチ
L6YVSIUN
No.2
(6pt)

坂の途中の家の感想

簡単に言うと、補欠裁判員に選ばれた主婦が被告人に同情する話。
ただ、それが深くて、男性の私にはコメントしづらくて、みたいな作品です、、、。

kmak
0RVCT7SX
No.1
(9pt)

夫と妻、親と娘、分かり合えないのはなぜか?

幼児虐待事件の裁判を通して、家族とは何か、人を理解するとは何かを追及した長編小説。犯罪行為自体も犯人もはっきりしているのだが、事件の真相を探るという意味で、心理ミステリーと言える作品である。
もうすぐ三歳になる一人娘を育てる専業主婦・里沙子は、8ヶ月になる子どもを溺死させた母親の裁判で補充裁判員に選ばれた。いやいやながら裁判に参加した里沙子は最初は被告を軽蔑していたのだったが、様々な証言を聞くうちに何が真実か分からなくなってきた。さらに、裁判に通うために娘を夫の実家に預けに行き、帰りには義理の母親から息子の好物の料理を持たされ、子どもは言うことを聞かず、夫は自分を理解してくれていないような気がして来るという、肉体的、心理的な疲れに押しつぶされそうになる。公判が進むに連れ、被告とよく似た自分の過去が思い出され、被告人は自分であってもおかしくなかったと思い始めるのだった。孤独な子育てに疲れ、周囲の善意をすべて逆の意味に捉えてしまった被告は救いようがない悪人なのか?
日常の何気ない一言も、解釈次第で善意にも悪意にも取ることができ、そのズレがやがては致命的な影響を及ぼして来る怖さ。まさに裏表紙の「感情移入度100%」の心理劇が展開される。性別や年齢、既婚・未婚を問わず、多くに人が自分が隠してきた心の奥底を見せられるようなサスペンスを覚えるだろう。
ミステリーのジャンルを超えて、多くの人の共感を呼ぶ傑作エンターテイメント作品としてオススメしたい。

iisan
927253Y1

Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.137
(5pt)

夫婦、親子の関係性を見直したい人におすすめ

これ、すごい本だった…。
自分をえぐられる。深掘りしすぎて不安定になるくらい。
読む人間の経歴によって違ってくると思うのだけど、子供がいる人は本当に読むのがしんどいと思う。なんていうか、すごくいい本なんだけど、これに耐えられない人もいるかもしれないと思ってうかつに薦められない…。
自分はずっと封印してきた幼いころの自分から子育てしていたころまでを一気に見つめなおさざるを得なかった。本当に読んでて苦しくて、早く読み終わりたくてたまらなかった。そして最後が来るのも怖かった。
物語の中に誰もが自分を見出すと思う。
それだと指摘ができない悪意。「よかれと思って」とかいうのよりもっと質が悪い悪意。残酷さ。自分の中にあるし、自分もそれに怯えている。
そして自分が喜んだり苦しいと思ったりするのは、こうやって自分が見ている世界は、自分の心が作り出しているのだなというのもじわじわ感じられる。一瞬でひっくり返る心、疑い、愛、よろこび、怒り、悲しみ。
人間関係に悩む人、一回こういうのを読んでみるのもありだと思う。
素晴らしい本だ。
坂の途中の家 (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家 (朝日文庫)より
4022649089
No.136
(5pt)

夫婦、親子の関係性を見直したい人におすすめ

これ、すごい本だった…。
自分をえぐられる。深掘りしすぎて不安定になるくらい。
読む人間の経歴によって違ってくると思うのだけど、子供がいる人は本当に読むのがしんどいと思う。なんていうか、すごくいい本なんだけど、これに耐えられない人もいるかもしれないと思ってうかつに薦められない…。
自分はずっと封印してきた幼いころの自分から子育てしていたころまでを一気に見つめなおさざるを得なかった。本当に読んでて苦しくて、早く読み終わりたくてたまらなかった。そして最後が来るのも怖かった。
物語の中に誰もが自分を見出すと思う。
それだと指摘ができない悪意。「よかれと思って」とかいうのよりもっと質が悪い悪意。残酷さ。自分の中にあるし、自分もそれに怯えている。
そして自分が喜んだり苦しいと思ったりするのは、こうやって自分が見ている世界は、自分の心が作り出しているのだなというのもじわじわ感じられる。一瞬でひっくり返る心、疑い、愛、よろこび、怒り、悲しみ。
人間関係に悩む人、一回こういうのを読んでみるのもありだと思う。
素晴らしい本だ。
坂の途中の家 Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家より
4022513454
No.135
(2pt)

疑心暗鬼

よく気がつく人は、何でもよく見てるってこと。夫も義母もそういうタイプ。見られて嫌なら一人で育てれば?無理だと思うよ。義母が作ってくれたお料理は重くてたまらないのに、ビールは重くないなんてね。
坂の途中の家 (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家 (朝日文庫)より
4022649089
No.134
(2pt)

疑心暗鬼

よく気がつく人は、何でもよく見てるってこと。夫も義母もそういうタイプ。見られて嫌なら一人で育てれば?無理だと思うよ。義母が作ってくれたお料理は重くてたまらないのに、ビールは重くないなんてね。
坂の途中の家 Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家より
4022513454
No.133
(5pt)

孤独な母親たち

三回以上読み返している。
その度に戦慄する。
2人の女性の孤独と彼女らを追いつめて来た透明な悪意とに。わたしには子どもがいない。
しかし、この母親たちに子どももいない自分がこんなにも感情移入するのは何故なんだろうと思いながら読んでいた。
そして今回ようやくわかった気がする。
わたしが築いて来た社会的連続性を優しく巧妙に断ち切り、怒鳴りもせず暴力も振るわずにゆっくりと確実に自尊心を奪うパートナーとの生活。
訪れる人は整ったインテリアを褒め、わたしも何一つ欠けているものなどないかのように振る舞う。しかしわたしの手の中には砂粒さえないのだ。
コミュニケーションを取ろうとすればするほど言語はすれ違い、弱った時を見透かすように崖の端で蹴られる。怪我をして自信をなくし、暴力を振るった主に養われ労られ、社会は日に日に遠くなる。
暴力の形も色もさまざまで、自分以外の人には見えない。
自分でもそれが暴力であることをこの主人公のように否定し続けて来た。
ただ、この小説は突きつけて来る。
「あなたは本当に今のようなあなただったの?」
「何に怯えているの?」
「どうしてそんなに無力感に打ちひしがれているの?」
と。

家庭という密室にて、自己愛性人格障害やモラルハラスメントに相対して苦しむ、あるいはカサンドラ症候群の女性たちには辛い小説かもしれない。

しかし「自分自身で思考すること」を取り戻すきっかけにはなるかもしれない。
坂の途中の家 (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家 (朝日文庫)より
4022649089

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