坂の途中の家
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.67pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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心理サスペンス小説ということで、期待感一杯で読んだが、なかなかしんどいお話であった。 | ||||
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簡単に言うと、補欠裁判員に選ばれた主婦が被告人に同情する話。 | ||||
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幼児虐待事件の裁判を通して、家族とは何か、人を理解するとは何かを追及した長編小説。犯罪行為自体も犯人もはっきりしているのだが、事件の真相を探るという意味で、心理ミステリーと言える作品である。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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三回以上読み返している。 その度に戦慄する。 2人の女性の孤独と彼女らを追いつめて来た透明な悪意とに。わたしには子どもがいない。 しかし、この母親たちに子どももいない自分がこんなにも感情移入するのは何故なんだろうと思いながら読んでいた。 そして今回ようやくわかった気がする。 わたしが築いて来た社会的連続性を優しく巧妙に断ち切り、怒鳴りもせず暴力も振るわずにゆっくりと確実に自尊心を奪うパートナーとの生活。 訪れる人は整ったインテリアを褒め、わたしも何一つ欠けているものなどないかのように振る舞う。しかしわたしの手の中には砂粒さえないのだ。 コミュニケーションを取ろうとすればするほど言語はすれ違い、弱った時を見透かすように崖の端で蹴られる。怪我をして自信をなくし、暴力を振るった主に養われ労られ、社会は日に日に遠くなる。 暴力の形も色もさまざまで、自分以外の人には見えない。 自分でもそれが暴力であることをこの主人公のように否定し続けて来た。 ただ、この小説は突きつけて来る。 「あなたは本当に今のようなあなただったの?」 「何に怯えているの?」 「どうしてそんなに無力感に打ちひしがれているの?」 と。 家庭という密室にて、自己愛性人格障害やモラルハラスメントに相対して苦しむ、あるいはカサンドラ症候群の女性たちには辛い小説かもしれない。 しかし「自分自身で思考すること」を取り戻すきっかけにはなるかもしれない。 | ||||
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この人の家を私は知っている。あの坂の途中の家だ。 裁判員裁判の補充裁判員になった主人公は、被告人に自分を重ね合わせてしまう。年齢も性別も家庭環境も近いからだ。 この私も重ね合わせてしまった。年齢も性別も家庭環境も全然違うのに。 自分は子どもにこんなことしなかったか。自分は子どもになぜあんなことしたのだろう。 一行読んでは反省し、一行読んでは後悔し、一行読んではため息を吐く。なかなか前に進まない500ページだった。 描写が細かい。心理描写だけでなく、料理の描写も。この描写の細かさが、作品にリアリティーを与える。作者は名文家である。 ラスト。被告人に判決が下る。じっと見守る主人公。あれほど肩入れしていた被告人への思い。主人公は納得したか。主人公自身は吹っ切れたのか、自分の置かれた境遇に。夫と姑と愛娘とどう切り結んでいくのか。たやすいことだ。愛すればいい、などと言って済ませられるか。いや、大丈夫。たぶん大丈夫。人間はそこを乗り越える力を秘めているのだから。 | ||||
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登場人物の感情をリアルに感じる。男、女、全て人間の根底はミソジニー。男は自分が優位に立てる女しか結婚相手に選ばない。女は男に選ばれる事が性でありマウント。でも2人の生活が始まれば憎しみの感情が徐々に溢れ出して…。ミソジニー意識は細胞に、原子から組み込まれている。ミソジニー意識が強い男が結婚しミソジニーを受け入れ理解し武器に出来ない女が結婚する。女がミソジニーから解放されるには見せ物になること。エンターテイメントで活躍する女性達はミソジニーの遥か彼方に君臨している。男と女の性質に耐えられる自信は到底なく、自分を貶める感情を知る位なら下級国民の自分はひとりの方が遥かに幸せ。 | ||||
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ただの小説とはわかっているのだけど 生後10か月の子がいる私にとってひとつひとつの描写がリアルにとらえられて、重すぎた。 序盤の公判2日目まで読み、以降、進められなかった。 怖いくらい心の中に重くのしかかってくるのはさすが角田光代さん…。 | ||||
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心理描写が詳細すぎて読んでいて苦しくなるほどでした。 あの愛し方でしか実母と夫は主人公を愛せなかった、そこに1番印象に残りました。 私の母親も子供(私)を常に小馬鹿にして自分が常に優位に立ちたがる人です。自分と同じコンプレックスをもつ子供(私)に対して必要以上に蔑む。自分より先を行くことを許せなかったのだと思います。 そんな母親に気をつかっていた私は、今なぜか同居という道を選んでいます。考える事を放棄した結果なのでしょうね。 角田先生の作品を初めて読みましたが、他の本も読んでみようと思います。 | ||||
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