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紙の月
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紙の月の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全158件 1~20 1/8ページ
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私の夫は横領こそしなかったが、銀行員でありながら多額な借金を2度も繰り返し、私たちは離婚した。それも愛人がいたわけでもなく、ギャンブルに狂ったわけでもない。一体何にそんなにお金を使ったのか未だによくわからない。ただ、日々足りない分を補填して、利子が払えずに、また別のところから借りて補填し、を繰り返していた。一度は早期退職をしてその退職金で借金を返したが、一部残したままで、またそこに借金を重ね、最後は家族にも言わず家土地を抵当に入れて、ギリギリまで私に相談もなく、いきなり何とかお金を100万用意してくれと言われたのは、晴天の霹靂で頭がくらくらした。 その後は成人した息子も娘も巻き込んで、毎週家族会議、結局家土地を売却、子どもたちは独立、売却したお金は借金に充て、私は自分の中古マンションを買って離婚した。家族離散。 その後私は幸い仕事を続け、運用もうまくいき、半分割の年金も入ってくるようになり、余裕のある生活をできるようになり、子どもたちとも交流しているが、夫は寂しい老後を送り、例によってまた借金だかリボ払いだかでお金が足りなくなり、私に貸してくれと泣きついてきた。2回まで助けてあげたが、3回目はさすがに断った。 ファイナンシャルプランナーの資格を持ち金融機関に長年勤務しながら、どうしてそのような過ちを何度も繰り返すのだろうと不思議に思い、長いこと謎だった。 しかし、本書を読んで何となく横領や借金をしていく人の気持ちが分かるような気がした。 何かが足りない、物足りない、夫婦間でも何かすれ違いがあるが、それが何なのか、はっきりしない。そして、それをお金やモノで埋めていこうとする。最初はほんの少し、すぐに返すつもりでいる。しかしそれは段々エスカレートしていく。 夫は横領こそしなかったが、一歩間違えば同じような罪を犯していたかもしれない。 テニスが趣味の人だったが、試合の為に集めたお金を一時自分の借金に充てたことがあったと言っていた。 今思うとぞっとする。 今は離婚してよかったと心底思っている。もしあのまま夫婦生活を続けていたら、共倒れだっただろう。 | ||||
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満足 | ||||
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面白かった。 リカが求めてたのは、自分の殻を破ってみることだったのかなと思う。 だから好きで好きで会いたいだけだったみたいな文脈の本の煽り文句見ると疑問。 最後まで読んでみたけど、リカってたぶんコウタに恋愛的な意味で溺れてこうなったわけではないと思う。 極端な散財も、散財のための様々な犯罪行為も、コウタとの関係性もコウタ自身も、リカにとっては目的じゃなくてただの手段だったような印象を受けた。 読んでて思うけど、こんな20やそこらの男の子と一時的に感情が高ぶって、その結びつきが永遠に続くなんてリカは思ってない。それが色んな文章から分かる。 リカからは夫どころかコウタに対しても、好きで好きで仕方ないなんて感情感じなかった。 ただそのとき近くにいて、色んなタイミングが重なって偶然関係しただけの人達というか。だからこそ、この少しずつ静かに、どんどん自分でもコントロールできない破滅に向かっていく感じに引き込まれるのかも。 リカから強烈に感じたのは、これまでの自分というものを徹底的に壊して自分を解放して全然違う自分を知りたい、見てみたいって気持ち。これ、、、激しく分かる この小説、誰にでも分かるような表現や言い回しや語彙しか出てこないのに、人間の混沌や心の機微の描き方は物凄いものがあった。 難解な言葉を使わなくてもすごい小説って書けるんだなと驚きます。 | ||||
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テレビで映画が放映されていたので、 気になって原作も読みました。 映画よりもっとエグいです。 メンタルに来るので、元気な時に読むといいかと思います。 | ||||
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サスペンスとかミステリーだと思って読んだら違った。 簡単に言うとお金で躓いた女性たちの話。それもなんだかイヤミスに出てくるような魅力のない女性3人。 主人公の梨花の夫はまぎれもなくモラハラ夫だが、彼女を含め登場する他の2人の生活環境もそう極端に悪いとは言い切れない。何故、彼女たちは「失敗」したのか、理由はこの作品の中では簡単には明らかにされない。読者がそれぞれ感じることなのだろうと思う。 印象的だったのは、梨花が「ようやく自分の身に起きた全てのことがら、つまり進学や結婚は言うに及ばず日常のささいなできごとの積み重ねが今の自分を作り上げている」と心の中で語るところだ。自分自身や結婚生活から目を背けて、逃げているように感じた前半の彼女が最後に悟ったことがらは、全ての人にあてはまることだと感じた。 | ||||
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やっぱり まず最初にはその自分はお金を散財してストレス解消するという感覚がないので そこはあまり 共感はできなかった。 でも女性の置かれた立場というのはやはり 勉強になったと思う。それから なんだかいたたまれない気持ちがすごく強かった。 破滅が待っていることは分かっているのに 何とか 切り抜けようとするところの緊張感とかも。 普通の冒険小説などのスリルとは 感覚が全く違う。 何が違うのかというと やっぱり 普通の冒険小説ではハッピーエンドになってうまく切り抜けられることが前提になっているからだろう。 これは破滅が待っていることが最初に示されているのでそういう感覚は全くない。 なんだか自分の中に重なる部分があって読むのが辛いんじゃないだろうか。 重なる部分というよりも自分の中のなんとなく辛いところを刺激される感じ。 でもそれが何なのか自分にはよくわからない。 自分は嘘が下手だから 多分 そこに何かが繋がっている気がする。 自分は嘘をついて それを追求されたりするのがすごく嫌いなんだよね。多分そこが刺激されるんじゃないかな。 これは映画化されているので 後で これは見てみたいね。今週末でも見てみようかな。 | ||||
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元検事の読者です。事実は小説より奇なり、で、実際に多額業務上横領事件を何度か担当した経験からすると、つまらなかった。所詮小説。 | ||||
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本好きの妻に頼まれて購入しましたが、なかなか良かったようです | ||||
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主人公の梨花と同年代です。面白くて夢中になって一日で読んでしまいました。 アラフォーの梨花(夫とはセックスレス)が大学生の光太に初めて抱かれるときの気持ちの描写が秀逸です。 以下、引用 「自分の内側に分け入ってくる光太の性器を感じながら、梨花はあえて錯覚してみる。自分が、彼らと同じ20代の入り口にいる、未来に途方もない希望を抱えて、何も持たず、何も持っていないことにすら気づかず、簡単に人を好きになり、簡単にのめりこみ、簡単に体を許し、簡単に未来に誓い合う、名前のない誰かであると錯覚してみる。長いこと夫に触れられていない退屈な妻ではなく、これから存分に性を謳歌するだろう。奔放な若者なのだと、錯覚してみる。」 大学生だった頃の自分を思い出し、大学生に抱かれる自分をうっかり妄想してしまいました。そのときは気づかなかったけれど、若さとは一瞬のきらめきだったのですね…。 梨花は1億円ものお金を横領するわけですが、いつバレるのかとドキドキハラハラしながら最後まで一気に読みました。 読書って楽しい。こんな刺激的な擬似体験ができるなんて。おすすめの一冊です。 | ||||
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※ネタバレあり! 紙の月読んだけど、不正がわかったときの銀行側、顧客たち、旦那、こうた、それらの状況描写がない。 そこを期待して読んでいただけに残念すぎ。 旦那の海外転勤とたまえのことは特に重要ではなかったのが裏切られた気分(あとから伏線回収されるかと思ったらされなかった)。(自分の読解力の問題?) 八日目の蝉もそうだったが、長い時間かけて読んでいるのに『その後』がなさすぎて読んだ甲斐がなくなる。(八日目の蝉に関しては誘拐犯のその後) 物語自体はおもしろいのに残念です。 | ||||
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梨花は一億円の横領をした。作品中では梨花の同級生、元彼、友人。梨花とか変わってきた人物からの視点も描かれていますが、それぞれ、お金にまつわる悩みや苦しみを抱えています。表面的にはそれぞれが順中満帆に思えていても。 最初はひと時だけ持ち合わせのなかった財布から五万円をかり、すぐにATMで預金をおろして返しただけだった。そこから少しずつ、でも大胆に常識から外れていく梨花の姿に恐怖を感じました。当初、梨花に交換を感じていた私でしたが、後半の逸脱ぶりは異常でその金銭感覚は本当に恐怖でした。 でも梨花を含め、それぞれ差はあれど登場人物たちの金銭感覚は私達の日常にもあるすぐ側にある世界。その身近さにより恐怖を感じました。 オススメの方 1.主婦の方。 2.金融関係の方。 3.結婚している方、これから結婚しようと思っている方。 | ||||
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銀行にフルタイムで勤務するパート主婦が、横領に手を染め、破滅していく姿を描いた作品。 社会参画に対する夫の無理解から、自己実現を金や若い男に求めてしまった主人公。加速度的に犯罪に手を染めていく様は、鬼気迫るものがある。 一時の贅沢に虚無感を持っていなさそうなのは、犯罪そのものが自己実現の手段と化しているようにも思える。誰しもはまり込む陥穽のようであり、読書は薄寒さすら感じるだろう。ラストは、主人公にそれほど悲惨さがないゆえに、余計にリアル。 なるほど、タイトルの紙の月=ペーパームーンは、はりぼての意味か。映画版より原作の方が考えさせられるね。 | ||||
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夫、屑やん。 妻の話を聞いて、意見を尊重して、釣った魚は食べるんじゃなくて育てて大切にしてよ。 貴重なものを扱うように、美しいものを撫でるように、こうして触ってほしかった。ずっと待っていた。ずっと。 って、なって当然や。 コロナ前は、梨花のような境遇の中年女性がバンコクやらセブやらそこらじゅうに転がっていましたよ。 彼女らが窓やら壁やらを全部ぶち破ったのは、男社会に対する反抗でしょう。 妻を従属物のように扱う、話し合いがまともにできない男と結婚すると、忍耐と悲劇の生活が続くわな。 というお話でした。 | ||||
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理解できない、という人もいれば面白かったと言う人もいる話。 理解はできないけど、でも、角田光代さんという、この作家らしい表現の内容でした。 ついつい引き込まれてしまうからこそ、反発意識も出て。そして面白い。 私は純粋に面白かったです。 | ||||
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読んだ後に、ざらっとしたものを感じました。 1億からを銀行から横領していく緻密な過程。 「普通の主婦」が手を染めていく。 それを多彩な登場人物を絡めながら描いていきます。 原作を読み、宮沢りえ主演の映画を見て、また原作を読みましたが、 やはり原作の方が粟立つような戦慄を感じます。 | ||||
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去年、10年来ママ友やってきた人が会社のお金横領して逮捕起訴された事件があったので、すごくドキドキしながら読んでしまった。りかのセリフが所々にその人のことを思い出させて苦しかった。だからかな、個人的にはリアリティがあって小説としては面白かったけど、やっぱり実際にそんなことが身近に起こると周りはエラい迷惑です。りかには全く共感できません。 | ||||
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本自体、新品同様、安価であり大いに満足しております | ||||
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これを読むのは三度目。購入から2年に一度くらい読み返しているかも。主婦がお金を横領していくお話。最初は全然興味が持てなかった。だけど、なぜ主人公がそんな「一線」を越えていってしまうのか、そこに至るまでの夫とのやり取りのなかで感じる齟齬、そのあとにつきまとう違和感が丁寧に描写されていて、 読むたびに泣きそうになる。 主人公がやったことは許されないのだけど、読んでいて全然憎めない。 だれの身にも起こりそうではない出来事を、角田さんが書くと、なぜこうも自分のことのようにはまっていってしまうのか。 主人公の人となりがわかる箇所の描写もすばらしい。 ということで、読書好きな友達に、これを読むたのしさを伝えたくて、プレゼント用に再度購入。 | ||||
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映画を見て気になったので購入。 夢中で読み切りました。 | ||||
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銀行で契約社員として働く四十一才の女が、若い男に入れあげて顧客の金を横領した末に行方をくらます。話は、事件が明るみになって既に主人公が逃亡先のタイに潜伏しているところから始まり、そこから事の顛末が回想されていきます。そして、事件を知った主人公のかつての友人達の胸中にはさまざまな思いが去来し、それぞれのエピソードが語られながら話の本質に集中していきます。彼らもやはり人生につまづいていて、その原因である何かが、物語の中で通底しているように思いました。 紙の月 貼り物のような奥行のない平たい月。ありあわせの虚飾に自分の存在意義を求めざるを得ない、その本質にある人間の弱さをうけとめてどう解釈するかが、この本の意味なんだと思いました。 | ||||
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