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紙の月
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紙の月の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全158件 41~60 3/8ページ
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どんどん読んでしまうと言ってました。私は、映画の宮沢りえさんがぴったりはまってたなぁと思いました。 | ||||
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本書は『』で知られる作家・角田光代氏が2007~08年に新聞連載で発表したサスペンス小説である。 2012年に第25回柴田錬三郎賞を受賞し、2014年には原田知世さん主演で〈2014・1・7~2・4放送〉、宮沢りえさん主演で〈2014・11・15公開〉され、その年の映画賞を数多く受賞(主演の宮沢りえさんにとっても近年の代表作ともいえる作品となった)されて話題となった作品である。 銀行のパートで働く主婦・梅澤梨花が年下(大学生)の男・平林光太とつき合った事から一億円を横領に着手する物語だ。 商社勤務の夫・正文と結婚して子どもはいなくとも順風満帆な生活を送る彼女だが、自分のお金が自由にならない事からパートタイマーとして銀行に勤め、職場でも信頼され、得意先でも評判のよい彼女だったが、大口顧客のひとりである平林孝三の孫で大学生の平林光太と知り合った事から彼女の運命が歯車が狂い出す。 元々、映画公開当時に本作が話題になっていた事は知っていましたが、その時はそれほど関心もなく、後に原田知世さん主演のNHKドラマを見たのがきっかけでした。 その後、宮沢りえ主演の映画も鑑賞して面白かった。原作の出版元である角川春樹事務所の会長・氏もとというかつて角川映画でデビューしたふたりが今回、自身の版元である原作の作品に出演していた事に感慨深かったそうだ。 ドラマも映画も秀作で主人公の梨花が男と付き合って深みにはまっていって横領していく場面もスリリングでどんどん転落していく様子が面白かった。 原作である本書も事前に映像化作品を見ていたので自分の中で脳内映像が出来上がっていたのでスムーズに読めました。 物語設定は1990年代後半となっており、冒頭が高校時代の同級生やパート仲間、知り合いが梨花のことをニュースで知って、振り返る展開となっており、ドラマの方が原作に忠実である事がわかりました(残念ながら映画ではインパクトのあった若い女子行員の相川恵子〈演:〉とベテランの隅より子〈演:〉は本書では登場せず、映画自体のオリジナル配役だそうだ)。 印象に残る場面といえば、光太と不倫関係となった梨花の横領のきっかけとなった映画でも描かれていた化粧品を買う場面だ。最初は仕事帰りに何気に立ち寄って覗いていただけだったが店員のセールストークによって買うつもりは全くなかったのに勧められて購入してしまい、その時、自分の所持金が足りなかった事からお客様のお金に手をつけてしまい、その後すぐに自分のお金で返済したがそこが横領への第一歩となっているところだ。 光太と付き合い始めて光太に借金がある事がわかると借金を返済のために梨花がお金を渡すも遠慮する光太に自分がセレブでお金に不自由していない事を演じるために必要以上に大金を使ってみせて、その結果、横領の額がドンドン膨らんでいく様子が読んでいてハラハラするところだ。 余談だが、ドラマでは人妻である梨花〈演:原田知世〉が光太と不倫して彼のために銀行のお金を横領してぜいたくするようになり、光太を演じた(チュートリアルの徳井に似て物凄くイラッときた)も最初は遠慮していたのにだんだん金を無心するようになり見ていて腹が立った。 その横領する過程を読んでいて、よくニュースで目にする一社員による巨額の横領事件も最初は会社のお金をちょっとした金額のお金を拝借するつもりが、一度バレずに成功して味をしめた事により、ドンドン深みにはまっていって気がついたら本人も後戻りできなくなっていたのかなと読んでいて思いました 。 さらに神のいたずらというべきか、旦那の単身赴任と大口顧客のひとりである一人暮らしの老女・名護たま江の変化という偶然が横領に貨車をかけ、梨花本人も信じられないくらい横領の額が半端なく増え続け、定期証書を偽造するなど、どんどん主人公が悪い方向へ進んでいく心理描写が絶妙で読ませます。 また、光太も自分勝手な男で典型的なダメなタイプの男である事がわかるし、現実でもそうだが、この手の話で貢いだ相手はろくでもないのが定番だ。 読後感としても主人公が破滅に突き進む展開というのもハラハラして面白く、個人的には映像化作品を見てから読む事をオススメします。 ただ、何も知らないダンナさんとの別れの場面は切なく思った。 | ||||
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一気に読めるが、登場人物全員にイラついた。 上手く行かないことがあれば 違和感を募らせるだけ。 解決しようとか、できなくても 折り合いをつけようとか全くしない。 独りよがりな思いにいじけるだけ。 読んでるこっちが悶々とする(笑)。 また、横領に至る心理が解らない。 他の女たちが金に翻弄されたのも解らない。 そこを想像したいと、私は思えなかった。 私にとっては対岸の彼女。 意味不明。 | ||||
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「違和感」を感じつつそれが何であるか解らないまま、夫の不機嫌を避ける様に顔色を伺いながら生活する梨花。 美人でこんなに家庭的な奥さんなのに、つまらない事で自分の上位性を匂わせる様な一言を言わないと気の済まないケツの穴の小さい旦那が諸悪の根源な気がしますが、梨花があまりに「無欲」で本当に自分が何を望んでいるかも自覚出来ないのが悲劇なのでしょう。 「ふとした」ことで、若い光太と結ばれた事で、誰かに大切にされたかった事に気付いてしまい、光太の借金を肩代わりしてもそんな端金なんでも無いのよと思わせる為に身の丈に合わない贅沢三昧をしなくてはいけなくなり、いつしか自身の金銭感覚もおかしくなって行く。虚構の為の贅沢の原資が、彼女を信頼している顧客の金だというのに、少し借りているだけのつもりで始めたはずが、いつしか返済できっこ無い額になっているのが解ってももう止まらない処まで行ってしまう。 サイドストーリーも含め、生活に窮している訳じゃ無いのにお金に人生を乗っ取られている女たちが描かれています。 | ||||
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銀行の外回りの仕事を任される梨花が、偶然大学生と仲良くなり、お客さんのお金を横領し、大学生に貢ぎ、家庭、仕事、恋人のすべてを失う話。 この物語では、真面目な普通の主婦が転落して行くきっかけを象徴的に描いている。それは、主人公が、デパートをたまたま通りかかった時に衝動買いをするのだが、手持ちがないためにお客さんのお金を一時的に借りたこと。さらに、その後横領を繰り返す増幅因子として、夫の単身赴任と痴呆ぎみのお客さんの存在がある。もちろん、女性としても人間としても、梨花が夫から必要とされていないことがいないことがすべての導火線である。 人間がまっとう(に見える)なのは、そんな悪への偶然の積み重ねがなかったからであり、誰もがその火だねをもっている。軌道からはずれるのはほんの些細な不幸な偶然の積み重ねであろう。 娘のためにカードで高額な服を買う友人や、倹約家の妻の浪費癖などのサイドストーリーを混ぜ、お金とは力であり、たとえそれが他人のものであっても、借金であっても、購買することで権力を行使できるような快感が得られることを描く。そんなお金の魔力や恐ろしさ、さらには、この消費社会にも警鐘を鳴らす小説であろう。 | ||||
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角田光代の作品が好きで 更には映画化された時の主演が宮沢りえで これは読まなきゃ‼とずっと思ってたので。理解できないこともないなーなんて思ってしまいました。 | ||||
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何度も出てくる「違和感」という表現。その「違和感」にどんどん自分がはまっていくほどの物語の中に連れていかれました。 現実離れしている話ではあるが、主人公の気持ちが理解できてしまい、思った通り光汰をどんどんダメなヒモ男にしてしまう。 梨花もわかっていてどうしようもできずにエスカレートして思った通りに破滅。 これは恋愛ではなく、淋しい梨花という女が自分の居場所を、必要としてくれる男に間違った愛情表現をしていく おそらく出会いが始まった時から、思考停止の日常を送っていたために自分で解決するのも面倒になってしまったのであろう。 | ||||
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暴走してゆく主人公が、何だかかわいそうで読む事がしんどかった。 読み返そうとは思わない。 | ||||
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読み応えのある作品でした。一つの事象を複数の人物の視点でとらえている描写があり、実像が立体的に立ち上がってくる感じがありました。普通の人の普通の生活の向こうに犯罪がある、という光景がリアルで、淡々とした筆致を追って最後まで一気に読み切りました。お金というものについて考えさせられました。 | ||||
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角田光代さんの本はいつもイヤ~な話で息苦しいが、目が離せない。 本作の映画版の監督である吉田大八さんが、解説で次のように書いている。 「面識のないプロデューサーから突然呼び出されて、この小説を映画化し大儲けを企んでいるのだが一口乗る意志はあるか、と問われたのでもちろんないことはない、と答えた。」そして梨花が頭から離れなくなったと。 芸術性を云々される映画監督としては型破りだけど、いい解説だった。 映画とは違って、梨花の旦那の描写が秀逸で、周囲の女性陣もみな消費社会に踊らされている感じが興味深かった。 | ||||
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読んでいる途中や読み終えた後も現実の事の様に頭の中で映像として浮かびました。自分ならこんな浅はかな事はしないと思う一方暫く怖さを感じていました。アンリアルかも知れないがこれ程自分の中に浸透していると言うのはリアルであるのだと感じます。原田知世さん主演のドラマを見た後に読んだ為ドラマの知世さんをモデルに読みました。改めて梨花の役は知世さんしかいないと実感しました。 | ||||
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「夫の言葉に違和感」と言った話がグルグルと出てきます。 吉村昭の「熊嵐」を読んだ直後に読み始めたせいか,情報量の少なさ,吸引力のなさにがっかりしました。 最初の旅行シーンは実体験かな~なんて楽しく読んでいましたが,夫婦の会話のシーンに入って徐々に「どうでもいいわー」と思ってしまいました。 そういう冷めた夫婦の話が好きな方には良いかもしれませんが。 この長編を読むなら,別の本を読んだほうがいいかもですね。 | ||||
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なんとも深い小説だと思いました。夫婦とは?幸せとは?お金とは?そして愛とは?...答えのない人生の疑問を描いた小説です。賛否両論の出る内容だと思いますし、いくつかの新聞小説を繋ぎ合わせて出来た小説?だけに全体の纏まりがいまいちですが、私としては、それぞれの人物の描写は素晴らしく、読んでいて苦痛になることはありませんでした。主人公の心の動きや、最後の決断など、もう少し書いて欲しかった...と言う気もしましたが、あえてこの状態の物語に留めて、後は読者の創造にお任せと言った感じも気に入りました。正直言って、誰しもが面白いと思える小説では無いことは確かですが、それなりに人生を過ごした人は共感できる部分も多く、自分の過去を振返ってしまう内容だと思います。40歳以上にはお勧めします! | ||||
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企業物の本とか色々と読みますけど、それよりなんだか凄かった。 圧倒された感じだった。 世の中に生きている人は皆、自分も含めてこういう突拍子もないことと背中合わせにいるのだろうと思った。 良いことも悪いことも全部含めて自分・・・というくだりには素直に納得できた。本当は良いことも悪いことも引き受けていかなくてはならないのだろうけど。 とにかく凄かった、筆者のほかの長編も読んでみようと思う。 | ||||
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主人公の心情がイマイチ理解出来なかった。 何人かのともだちが10代から20代の主人公の印象を語るが、その背景を読み解くことが出来なかった。 だから、逆に綺麗におさまった話になっていたのかもしれない。 印象にのこった言葉は、梨花がいつも気にしている「自分の一部がすっかり自分自身になってしまうのではないか……」ということで、そんな、漠然とした恐怖を抱きながら生きている。 結婚を機に自分の一部分としか感じられない部分をさっぱりと切り捨てられると思ったが……。いつも自分を探している梨花。 梨花自信もいつからこんな性格になってしまったのか、主人公の心情をもっと知りたかったがその部分には深く触れていない。 梨花自身が最後に邂逅する箇所があるが、結局読者にはインパクトがない。 恐らく、最後に友人亜紀のくだりがあるが、この話から感じることは、きっと梨花自身の行動や性格は幼少期に周りの環境や誰かによってつくられたものであると言いたかったのではないだろうか? | ||||
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主人公梨花は、夫の何気ない一言にちらりと違和感を感じるが、それが何の違和感なのかはっきり分からない。 当初は、とくに意味はないのだろうと受け流していたが、友人からの指摘で、夫は「自分が妻を養っていることを知らしめたい」のだと気づかされる。夫本人は無意識なのかもしれないが、それが言葉の節々に出てしまう。 私自身そんなプライドなどなく、どうしてそんな考え方しかできないのかと、梨花の夫に対して思ってしまいますが、こういう考え方をする男は世間一般的にはやはり多いのでしょうか。 そんな夫との関係の中で梨花の心の奥に澱のようにたまっていた違和感が、光太と接することで得体の知れぬ万能感に打ち消される。 誰かに必要とされているとの感覚が幸福感につながることはとても理解できますが、これが梨花の場合、夫に対する違和感が逆方向に振り切れ、客観的に夫を見ることで愉快な気分になっていく。 自分は行きたいところに行けるし、欲しいものを手に入れることができる、その愉快さをもっと堪能したくて、光太のためにお金を極端に浪費するようになっていく。 いつしか銀行の顧客の金に手を着けることに罪悪感がなくなり、その額はふくれあがる。 この罪悪感がなくなっていき、自分で自分を止めることができなくなっていく過程の描写は、スリリングでざわざわとした感覚を感じさせます。 梨花は思う。 「どうして人は、現実よりいいものを夢だと決めつけるのだろう。こちらが現実で、明日戻る場所が、現実よりひどい夢だとは、なぜ考えないのだろう」 本書は、この梨花を主人公とした物語と平行して、梨花を知る「中條亜紀」や「山田和貴」の家庭が描かれますが、そちらの物語も興味深く、本書全体を重層的で奥行きをもたせた作品とすることに成功しています。 | ||||
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読後の端的な感想は「怖い」でした。 裕福であれ貧乏であれ、多くの人間は、人生の大半で金銭との戦いを続けることになります。 金銭に主導権を取られ、人生を不自由にしていく登場人物たち。 少しコントロールを失ったささいな出来事を転換点として、最初は緩やかながら徐々に加速して転落していく。 既に自分もその転落の道に足を踏み入れているのではないかと、背筋がぞっとしました。 中年期の女性性としての生き辛さ・寂しさ・葛藤などに自分は絡めとられたわけですが、 ここまである種共感したのは自分もまた一時的に(のつもりで)家庭に入った主婦だからでしょう。 しかしながら、仕掛けられたように罠のように、いつ誰が落ちてもおかしくない気がしてなりません。 光太くんに魅力がないから説得力がないというご意見で思ったのですが 金銭を使うことで主導権を取れる子、という適当な相手で良かったんだと思います。 悲しいですね。 | ||||
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が、リアル・・・現実を知らないので、しょせん想像での話ではあるのですが、とても 説得力をもって描かれており、読んでいて背筋が寒くなりました。 陳腐な表現ですが、雪山で斜面を転がり出した小さな雪塊がだんだんスピードを増す ごとにあれよあれよという間に巨大になっていく・・・そんな印象でした。年下の男に逃 げられたくないという主人公の心理描写は物語としてはまあ普通だと思いましたが 彼女の同級生たちのお金に対する考え方、態度、行動など、梨花のそれとの比較がとても 興味深かったです(似ているところも多いし、まったく違うとこもあり・・)。また、物語の結末が 梨花のエピソードではなく友達のお話であるところが説明しがたい不思議な余韻を残しました。 え、どうしてなの?と作者に訊いてみたい気がします。 | ||||
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主人公が夫の上から目線の態度から自分の存在価値を見つけるため銀行で働き始めるまでは共感できましたが信頼してくれた顧客の金を年下の光太に貢ぎ豪遊しバレると逃亡、理解できませんがドラマは面白かったです | ||||
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おもしろかったー どんどん引き込まれます。 このほか2作品くらいを読んだので、角田光代作品制覇しよー!と思いました。 | ||||
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