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紙の月
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紙の月の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全158件 141~158 8/8ページ
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主人公・梨花は、判断力がなく愚かであるが、それだけでなく、平気で信頼してくれている顧客を騙し、隠ぺい工作をし、逃亡する、犯罪者である。現実にこのような事件は起こり得るので、ドキュメンタリーなのであれば、興味深いかもしれない。しかし、フィクションでこのような人物をつくって掘り下げる必要があるのだろうか?また、私は、女性であるが、買い物をすればストレス発散できるとは感じない。登場する男性は普通なのに、女性はことごとく金銭感覚がおかしいのも設定が変だと思う。この作者の本は、初めて読んだが、期待外れだった。 | ||||
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新聞で書評を読み、amazonで求めました。 久しぶりに一気に読み終わりました。 主人公の女性の気持ちや行動に共感するところ もあり、女性として考えさせられた本でした。 | ||||
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角田ファンで、かなりの作品を読んでいます。 前回読んだ「曽根崎心中」の圧倒的な情念と構成のうまさで、 一気に読まされてしまったのに、対して、今回の「紙の月」は......。 残念ながら、心に何も引っかかりません。 梨花が、何故、光太にそこまで入れあげてゆくのか? 伝わりません。 愛情のみとは、思えませんし、、、、、. その心情の背景に、合点がゆくものがないため、 物語だけが、カラカラ空回りしている感じです。 買い物依存や、カード問題、離婚女性の労働とか、子育て問題 とか、現代社会の問題テーマは、散りばめられておりますが、 表面を触れただけのように思えます。 いつもの、角田流の深き心模様の投影がなされていないのです。 | ||||
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主人公は、梅澤梨花という女性。 彼女は結婚している。 元々は、正義感の強い女性だった。 結果として、彼女は銀行員(営業)という立場を利用し、1億円ものお金を横領した。 本作は、彼女の高校時代の同級生たちの現状も交えつつ、彼女が何故犯罪者となっていったのかを描いている。 人は誰しも、彼女が当初感じていたような「今の場所は本当に自分が居るべき場所か?」という疑問を感じる時があると思う。 そういう点で、誰しも彼女のように犯罪に走る危険性はあると思う。 (ほとんどの人は、どこかで自分に歯止めを掛けると思うが・・・) 大金を得て、彼女は幸せになれたのか? 愛人といるときに、彼女は幸せだったのか? 逃亡の果てに、彼女が思うことは何か? 後読感は悪い。 | ||||
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読んでいる間中、ずっと苦しかった。 銀行のATMの前に立った時、ふと思ってしまう。 これは、自分のお金だよね、、、 実際には経験することはないことなのに、ここまで作中の人物の気分を 持たせられてしまうのは、やはり作者の力量なのだろう。 苦しいのに、最後まで読まなくてはいられない。 ここから出して、 早くみつけて、 作中の人物のつぶやきが、胸に痛い。 | ||||
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「紙の月],Paper Moon。村上春樹の「1Q84」の冒頭に、ジャズの名曲It's Only a Paper Moonの歌詞の後半が引用されている。 こんなに最近の作品に引用された言葉と余りに類似したタイトルを選んだセンスがまず解らない。 内容的にも連載小説にありがちな散漫さを感じる。 主人公以外の女性に話が飛びすぎて、それが本筋にあまりかかわってこない。現代の女性たちの物欲や精神的な飢餓感のようなものを描きたかったのだと思うけれど描けていない。もっと主人公に的を絞って、タイへ逃げた後のことを書いた方が面白かったんじゃないかと思う。 面白い小説が少ない昨今、角田光代は新作を出すたびに期待する作家のひとりなだけに、この作品は残念です。 | ||||
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買い物依存症、ホスト依存症の女が公金に手をつけるという、言っちゃえばそんだけの話です。 特に後半読むのがきつくて、超速読になってしまった。 買い物依存の女が3人くらい出てきますが、中村うさぎで語りつくされちゃったことばっか。今更感がある。 主人公が何したいのかがわかんない。 で、もう一つの大きな問題は若い恋人が魅力的じゃないことに尽きる。典型的なだめんず。 しかも、女が男を更に駄目にしていく。見ててひたすらイタイ。イタ女です。 で、こういうイタ女は自分がイタイと思われたくないのでもっといたくなっていくという、でも、小説としてそこに滑稽感がないのは、男のキャラが立ってないから。こんなつまんない男に入れあげるか?意味が分からない。 新聞小説だけに、書いてるうちに迷走してわけわかんなくなった感がありあり。 角田作品、好きなものが多いのに、これに限ってはなんの真理もない寄せ集め。 辻村深月、中村うさぎ、宮部みゆき(火車)の寄せ集め。 まあ、文章は上手いのでそこそこは読めますが、結末もやっつけ。 | ||||
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「紙の月」というタイトルならば、名作の誉れ高い映画「ペーパー・ムーン」を想起する。 それを日本語に置き換えると、何か詩情がごっそりはぎ取られたペラペラの安っぽい非現実感が漂う。 それじゃ詐欺のお話なのかというと、これが実際詐欺のお話なのだ。 映画のストーリーとは全く関連がないけど。 日常のリアリティーなどというが、そうかな。学生生活にリアリティーなんかあるのか。 映画造りだのサブカルチャーだのバンドだのとうわごとのような言動で過ごしているが。というか、私はそうしていたが。 光太のぺらぺらした感じは、だからよくわかったし、過去の自分が責められているようで身が縮まった。 逆に、ちょっと贅沢をしてレストランで食事をしたり旅行をしているときも、日常的な現実感はない。 スカイツリーを見ているとき、何か現実離れしている気はしないか。空の月が、何かぺらぺらと空に貼りついているだけのように見えることは無いか。 しかしそれは、しっかり現実である。 日常性、連続性がリアリティーなのだ。殺人など信じられないと言っていた人が、戦争になれば優秀な兵士になって正確に人を打ち殺したりする。 犯罪が連続性を持ってこちらに忍び込んでくるとき、それは日常的なリアリティーを持ってしまう。梨花はリアリティーを持って、詐欺の仕事をこなし続けていく。どこかで超えた一線など、あとづけの理由でしかない。もう一度同じチャンスを与えられても、たぶんそっくり同じことが起きる。 夫の正文は、かなり自分勝手な嫌なやつである。会社じゃあいい人なのかもしれないけど。こんな夫を「いい人に違いない」と自分に言い聞かせ続けた梨花が、かわいそうだ。 | ||||
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わかば銀行から41歳の契約社員・梅澤梨花が1億円を横領した。海外へ逃亡した梨花は果たして逃げ切れるのか? 今回は事件性を扱った長編小説 角田さんの作品はデビュー当初から読んでいましたが「森に眠る魚」以来、かなりお気に入りの作家の1人です。 「森〜」以来、特に人物描写が巧みでそれぞれの登場人物が脳内映像で動めき 時には共感したり時には反発したりと小説の中にどっぷりと嵌まり込んでしまいます。 いわゆる、どこにでもいそうな人々がほんの些細な事がきっかけで 人生を狂わせて行く様子がリアルに描かれていて怖い程でした。 文中、何度か出て来る「もし〜だったら」は自分にも当てはまる事で そこで立ち止まって自分自身の人生を振り返ってみたりも出来ました。 角田さんの作品はどんどん読み応えのある物になって来ていて次作も楽しみです。 | ||||
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角田光代さんの小説はタイトルも好きです。上手いなぁと思います。特に長編。 梨花が専業主婦から働きに出るようになり、 夫の言動に違和感を感じる箇所が多々出てきます。 女性から見れば梨花の気持ちに共感できますが、 男性はやはり夫がそういう言動に出る気持ちがわかるという方のほうが多いのかな?と 少し気になりました。 また過去に梨花と接点を持ったことがある人達の梨花の印象や、 それぞれの現在の生活も興味深く読みました 主人公の梨花が横領するきっかけとも言える場面が出てきますが、 同じ状況になってもそれをできる人とできない人に分かれます。 (できない人と言うか、そもそもそういう概念がない人) 梨花が前者だったのですが、大きな事件を起こす芽は持っていたんだなと思います。 そう考えると、物語の終盤に逃亡先で「あの時もし・・」と、 いくつかの分岐点を振り返りながら出した結論に納得です。 横領のことだけを言っているのではないと思いますが。 給料25万円で生活できている人が転職し、35万円になりました。 差額の10万円は大事に使えるか、ちゃんと貯金できるかというと、 そうではない人のほうが多いという話を聞いたことがあります。 35万になったら35万に見合った生活を自然とするそうです。 今回この本を読み終えてさらにお金ってそういうものなんだなぁとしみじみ思ってしまいました。 | ||||
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誰もが、この本の中に登場する様々な人物の要素を持ちえていて、共感する部分が多いのではないかと感じました。真面目でごく普通にきちんと育った娘・・・そういった女性が、日々の結婚生活の中で少しづつ澱をためてゆき、ほんの少しのきっかけから、次第次第にずれてゆき、気づいたときには、元に戻れなくなっていたという、誰もが、陥る可能性のあることなんだよと示唆されているように感じました。 | ||||
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伊藤素子のあの1億円横領事件をモチーフにしたこの小説、抑圧された主人公の心の移ろいと破滅に向かってひたひたと進行していく様が わかり易い文体でスリリングに描かれており、私は非常に面白くて一気に読破しました。 穏やかな家庭の主婦でありながら夫の言動から抑え込まれた感情を持ったひとりの主婦が保険会社にパート勤務をします。 営業を担当し努力を重ねて顧客に可愛がられるようになり、成績を上げ成績優秀な保険レディに変わって行く過程で、 年下で映画監督を夢見る貧乏学生との出会いがありその男への複雑な感情が愛情に変わって行きながら、 どんどん破滅への道を辿って行く。 彼女は若い頃から正義感が強くボランティア活動にも積極的に参加していた事が 結果的にはその貧乏学生を救い上げようとする感情の基になってしまいます。 どこか怯えたように毎日を過ごしていた主人公は、徐々に考え方まで変わって行き 顧客から預かったお金に手をつけて行く。 そこからの転落過程の心の描写が非常に上手く、一気に読ませられます。 これは非常に怖い物語。 誰もがこの主人公のようになり得る、“つまずく”題材は日常に潜んでいる…という事を思わせる 不気味な怖さを持った物語です。 | ||||
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逃亡劇ではなく、逃亡にいたる過程がていねいに描かれています。 主人公の梅澤梨花にとって、1億円の横領は目的ではなく結果。引き返せない道にたたずむ自分に気が付き、歩み続けるしかない。そういうせつなさであり、やるせなさであり、理由なき理由が書き込まれているのは、角田さんの巧さですね。周辺に、梅澤梨花と過去に接点をもった男女のミニストーリーが描かれ、平行して進む。それぞれの共通点は、満たされないものに対する抗いであり、逃避なのだと思います。その手段として、横領であったり、浪費であったり、倹約であったりと、お金の存在絡ませていますが、そこに、誰にもある満たされないもの、のリアリティがあるように思います。 | ||||
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帯書きは「梅澤梨花(41歳)が1億円を横領した。梨花は海外へ逃亡する。彼女は果たして逃げ切れるのか?」とあり、タイでの梨花の話から始まる。 しかし、「彼女は果たして逃げ切れるのか?」という点に、本書の「スリリングで、狂おしいまでの切実な」内容はない。 その後は、梨花と過去のある時期に接点のあった複数の同世代の者達の現在が描かれていく。 その別々の現在が、ぼんやりと ゆっくりと しかし 確実に絡み合う螺旋が 次第にラストへと上り詰めていくところにこそ、本書の感じるべきところがある。 その絡み合いを、彼女達の心理描写から感じるか、ちょっとした台詞や描写が重複する点から気付いていくのか、いずれにしても、その絡み合いを感じるならば、本書の終盤は正に角田光代ならではの、濃厚なものとして堪能できるだろう。 それにしても、角田光代は、比較的ドライな描写から、次第にネットリと纏わりつくものを読者に感じさせるのが上手い。「梅澤梨花(41歳)」という、実体のある一人の女性が、いつしか、人が誰もが心のどこかに抱えるものの集合名詞のように転じていくところは、同世代の女性にはどう感じられるのだろう。 | ||||
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あいかわらず巧いです。主人公が少しずつおかしくなっていく様子が、これでもかこれでもかというくらい丁寧に綿密に描かれています。私はまともな経済観念をもっている自信があるのに、読んでいくうちに主人公の狂気に引きずられそうになるような恐怖を覚えました。最後まで読んだら、もしかして私も道を踏み外してしまうかも…と。彼女は完全におかしいと理性ではわかっているのに、他人事ではないという切実さ。お金って、時にはほんとうに不思議な魔物だなと、あらためて感じました。お金に支配されることもある、人の心もまた不思議。そんな大きなテーマをこれだけ執拗に描く力量に、いつもながら感服です。 ですが「対岸の彼女」「八日目の蝉」のような読後感ではないので、★は1つ減らしました、ごめんなさい。 | ||||
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新聞の書評で購入してみましたが完全な駄作です。売らんがための書評と見られます。主人公の女性もその若い恋人も全く実態感がありません。 これは作者の社会、人生経験が乏しく、無理やり構築した人物像だからでしょう。せっかく高い本を買ったのだからと眠い目をこすりながら読み続けましたが、半分ほど進んだところでとうとう本を投げ出しました。そして最後の章へジャンプしました。 極めてありきたりなエンディングが待っていました。 | ||||
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角田光代さんは好きな作家の1人です。 歯車がほんの少しずれてしまったことで、大きく踏み外してしまう、そんな人間誰にでも起こりうる事を書いてくれる、貴重な作家さんだと思います。 億単位の金額を横領してしまった女性の話ですが、少しずつタガがはずれてしまう心理がとても共感できて、怖いくらいでした。 ストーリーは梨花目線の他に、他者目線で描かれている章があるのですが、欲を言えば貢がれている男性目線の章も欲しかったかも。 あとはラストがちょっとスッキリできないのでマイナス星ひとつ。 でもヒリヒリする感じ、切なくて痛くて空々しくないリアリティ抜群の心理描写、さすがだと思います。 | ||||
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桐野夏生?と思わせる展開。しかしそれはそれで良い。 この人は「蝉」以降信頼出来る作家になったと思う。 荒涼とした心理描写やヒリヒリするような緊張感が心地いい。 ふとしたキッカケで壊れてゆく女性の危うさを描かせると今ピカイチなんではないか。男性作家で同じ話だと性描写が露骨過ぎて長く,女性が性奴隷になったりするんだろうが,その辺の表現に抑制がきいてて逆にリアル。 決して楽しくなく読んでて気持ちが沈むけどクセになる毒。 | ||||
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