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紙の月
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紙の月の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全158件 81~100 5/8ページ
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お金を馬鹿みたいに使い、男に貢ぐ。 こういう話はよくありますがたいてい嫌悪感だけが残ります。 自分も一歩間違えるとこうなるのかも。などと思わないです。 梨花に対しても同じでした。同年代で主婦で真面目な夫がいて 不自由なく暮らしているという共通点があっても、です。 梨花の友人でお金をコントロールできない人たちに対しても同じです。 ただ「嫌悪感」は残りませんでした。何故だろう。ここかなぁ。 排卵日が近いことを告げ夫を誘ったのに不快感をあらわにされた場面。 傷ついたのは自分ではなく夫なのだと。「ごめんなさい」 デリケートな問題ですし、向き合うのは重いです。 でもここを一人で納得したつもりになって欲しくなかった。 そうせざるを得なかった梨花の気持ちが心に刺さります。 証書の偽造方法は有り得ない!と思いましたが 「こんな時間に電話をするのは非常識か」と長い時間悩んだり 学生時代のボランティアの変な盛り上がりとか 女ならではの感情の在り様はとてもリアルに描かれていると思います。 | ||||
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映画を観に行けなかったので、良かったです。ぐっと入り込みました | ||||
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以前、職場の先輩に勧められて読んだ角田先生の『八日目の蝉』の重苦しい雰囲気が良かったので、昨年映画館に足を運びました。 ですがなんだか予想外に感情移入できなくて結局文庫を読むことに。やっぱりぜんぜん違いました。繊細な気持ちの動きや風景の描写から受ける世界観は小説の中でこそ活きるように思いました。 誰にも、旦那さんにさえ必要とされないと感じる寂しい主婦が、ふとしたことから一億を横領をして愛人に貢ぐ。 結婚に夢を抱いている者からすればひどく衝撃的な展開でしょう。 重罪を犯した主人公の梨花ですが、横領された側の老人からも罪を知ってなお慕われるような優しい人で、その彼女がどうしてこんなことになったのかを考えました。 ちょっとした気持ちの弱さとか、ほんの少しの隙だとか、ふとした歯車がわずかに狂っただけで、こんなことになるんだなと思うと怖くもあり、誰かに必要とされたいとささいに願う精神的にもろい面のある梨花に共感してしまう面も多々ありました。 なによりも、普通の主婦が転落していく様を間近でかいま見たようで少し怖いです。 読む前は、私のようなまだ人生の未熟者である年齢の者が読んでも理解できないかもしれないかなと思っていましたが、年相応に考えさせられることが多かったので、若い人にも読んでもらいたい作品だと思います。 なんだか普通の毎日を送れることを喜び、いろんなことに感謝しつつがんばろうと思いました。 | ||||
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雪が解け始めたよ。解けたら、何になるのかなぁ。 雪が解けたら 春になるのだよねぇ。 | ||||
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本書に興味を持ったのは新聞広告で 「わかば銀行から契約社員梅沢梨花が1億円を横領した 正義感の強い彼女がなぜ?」なる惹き句を見てからだ。 私が思い出したのは昭和56年(1981年)に実際にあった、三和銀行の伊藤素子(32)の1億3千万搾取の事件だ。 この事件は当時新聞テレビで大々的に報道されたが、犯人の伊藤素子が美人であった上に、現金5000万円、小切手8000万円の合計1億3000万円を引き出したて都内で全て愛人に渡し、引き出し損なった1冊の通帳と、現金500万円を持ち、そのまま羽田空港よりマニラへ逃亡したものであある。 著者の角田光代さんには、自らも旅行好きらしく、NHKの山岳紀行番組でイタリアの岩山トレッキングに挑戦しているのを見て以来関心を持っていたが、その著書を読んだのは今回が初めでである。 学生時代から美人ではあったが、自らを美人と認識したこともなく、正義感が強い梅沢梨花が結婚してから送っていた平凡な新婚生活。 しかし夫婦の間には子供が出来ず、将来子供を持ちたいとの意見では一致していたので、ある晩梨花は自分の排卵日を夫に告げ性交渉に誘う。しかし、この即物的な言動が夫の気持ちを急激に萎えさせ、それ以来夫は梨花の体に触れようとしなくなった。 この辺りの描写は男性の心や体のデリケートな感じ方を著者は熟知しているのではないかと思わせるリアリティがある。 子供が出来ないことからパートとして銀行に働きに出た彼女は、ある日自らの買い物のために顧客から預かった5万円に手を付ける。 その後、重要得意先の老人の孫、若い光太と出会った彼女はふとしたことから彼と肉体関係を持ち、それからは坂道を転げ落ちるように横領を重ねて行く。 この辺りか物語のリアリティはちょっと怪しくなってくるが、実際には美人女子行員の巨額横領事件と言うのは三和銀行事件のほかにも何件か報道されてるので、実際の横領とはこんな風に行われたのかもしれないと思えてくる。 銀行の社内調査の結果横領がばれると観念した彼女はマニラならぬタイのバンコクからチェンマイに逃亡するが、結末は皆まで書かず読者の想像力に任されている。 本書の沢山のレビューの中には、物語や登場人物にリアリティがないとして酷評しているものもあるが、そんなことはない。 期待にたがわぬ第一級のエンタテインメントで読み出したらやめられる一気に読了してしまった。 私は、横領に手を染めてからのリアリティは別として、そこまで気持ちを追い込まれた主人公梅沢梨花の気持ちや、梨花の言葉には傷つく癖に夫婦関係を円満に継続しようと言う努力のない夫の鈍感さは丹念に書きこまれていると思う。 久々に小説の面白さを味あわせてくれた一冊で、角田光代の著作をもっと読んでみたい気持ちになった。 | ||||
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和久峻三 『 裁かれた銀行 滋賀銀行九億円横領事件 』 廃版になって久しいですが、図書館ではまだ入手できるでしょう。 あまりにも似ているので… 片や現実の事件のドキュメンタリー小説。 片や創作といっている小説ですが… 実際はどうなんでしょうか? | ||||
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多分、映画化されなければ読むことは無かったと思う、きっかけは顧客から集金したお金5万円を無断拝借した事。 ここから、夫婦間の考え方の違い等の溝や顧客の孫との出会い、果てしない物欲から横領、詐欺にひた走る。 最後は逃げ切ってしまうのか、分かりませんが何とも辛い作品でした。 | ||||
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主人公が横領に至るまでの過程が非常に興味深い。 すなわち、幼少時代の環境や旦那との関係、友達との付き合い方、若い男性との出会い等全てが横領をせざるを得ないような仕立てになっているような気がした。 横領を始めると、初めは何とかなると自分に言い聞かせ、そのうち、どうにでもなれという、(自分のしていることを)早くみつけてくれ、という心理的な変化の描き方もリアルで巧い。 終盤では発覚後のストーリーが無いのが唯一残念ではあるものの、映画化され話題の作品だけに、全体的に期待を裏切らない面白さがあった。 個人的には、横領に手を染める大きな要因は、夫とのコミュニケーションが希薄であることだったと思う。 既婚者である私自身もこの作品を読んで、自分の願望を相手(妻)に巧く伝えることや妻を思いやる言動を大事にしていきたいと思った次第。 今年読んだ多くの作品の中で、上位に位置する出来栄えであったと思う。 | ||||
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映画化されたので、期待したのですが、パズル仕立ての展開はよみにくかった。 | ||||
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落ちるときは坂道を転がるように一気に落ちていく。 平凡な人生、毎日が同じ事の繰り返し…だったはずなのに、どうしてこうなったのだろうか。 一つの嘘を隠すために嘘を重ねる主人公の落ちていく様が、読んでいて息苦しささえ覚えました。 主人公だけではない、もしかして自分の人生にもあり得るのかもしれない。 | ||||
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気が滅入る話でした。 救いがないわぁ。 面白みを求める人には向かない。 | ||||
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中年女性の孤独や不安、不満を扱った小説は今や、あふれかえっている。この作品においても、主人公の抱える孤独、不安、空虚な自身の人生についての描写は、ある意味で似通っている。作者は、「いびつな愛を描きたかった。」「銀行員の横領事件がいつも女性が男性に貢ぐという扱われ方に違和感を感じた。」「お金でしか愛せない。能動的にお金を使うことでしか愛いせない愛を描こうと思った。」と言っているように、学生時代の友人たちの描写も含めて、「お金と愛情とそれによる歪んだ恋人関係や家族との関係」が作者が最も描きたかったことなのだと思う。 ただ、どの人物もどこにでもいるごく普通の人たちであり、心に残らない。読後、主人公すら、今日スーパーで出会った誰かのように忘れてしまうのは、作者が意図してのことなのか。同じような内容を描いたとして、強烈なインパクトがあるのは、明野照葉というところか。彼女の作品の主人公なら、幾重にも裏と意図があり、ラストに驚くような仕掛けが待っていることだろう。 | ||||
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読み終えてまず感じたことは、自分もそして誰でも梅澤梨花になる可能性があり得るのだということ。 このことは、本作を読み終えた人全員が感じなければいけないことだと思う。 どんな人間にも「悪」という感情はある。 この小説を、違う世界の話だと、フィクションではない。 もしかしたら、自分のすぐ近くで、もしかしたら自分がしでかしてしまう可能性があるということを忘れてはいけない。 大切なテーマを扱った作品なので、より多くの人に読んでもらいたい。 | ||||
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初めて筆者の作品を読みました。 冒頭から物語に引き込まれて読み進める手が止まりませんでした。銀行で働く平凡な主婦が一億円を横領した。 その主婦を知る人達は考える。彼女は何故そんなことをしたのか、そして、一億円を得た彼女が何を得て、何を失ったのか。主婦自身も考える、私は一体どういう人間なのか。 幸福感という実態の無いものを人は追い求めて、時には自滅してしまう。お金は人生を狂わせる。そうではなく、お金を扱う人間の価値観が問題だということを、物語を読んでいてひしひしと感じました。 紙切れ一枚のお金に人生を振り回され、決して掴むことのできない幸せを追い求めて自滅する。人は幸せを掴めると思い込んでいるだけで、幸福感というのは夜空に浮かぶ月のように目に見えても決して掴めるものじゃない。 貴方の幸せ指数は大丈夫ですか? | ||||
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角田光代さんの本は4冊めになります。これと似た話は角田さんの「三面記事小説」の中にも出てきます。 そちらは短編集なので、紙の月ほど登場人物は多くありません。 紙の月は映画化されると知って本を読んだわけですが、そうなると映画も気になりますね。いずれ映画も 観てみたいと思います。 紙の月では梨花がどうして横領犯になっていくかが細かく書かれています。光太との出会いが無かったら、 または違う形であったなら、梨花に子供がいたとしたら、正文が異動していなかったら、梨花が料理教室 に通うことが無かったら、もしどれか一つが違っていたのならこういう結果にはならなかったのかもしれ ない。 また、梨花が5万円の化粧品を顧客から預かったお金で支払っていなかったら。それがなかったら、梨花 は横領などしなかったのではないかと思う。ふとしたきっかけで横領犯になってしまった梨花。梨花が自 分のしていることを客観的に見ることができればまた違ったのだろうと思う。 光太の男としての魅力は若さだけのような気がする。しかし、好きになってしまえば魅力など関係ない。 存在自体が魅力なのである。なので、梨花が取った行動がわからないこともない。しかし、そこは大人で ありブレーキをかけなければならないこともある。しかし、梨花にはそれができなかった。結果として、 もう戻ることはできない、行けるところまで行こうということになってしまった。可哀想だとは思うが、 そういう点では大人になっていなかったのだ。 八日目の蝉もそうですが、角田さんの小説にはとても惹きつけられます。一瞬でも、希和子と薫が本当の 親子のような、梨花がこのまま幸せに暮らせそうな錯覚に陥ります。もっと角田さんの作品を読んでみた いと思います。 | ||||
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あっという間に読めた。誰にも感情移入はできなかったけれど現実味があって面白かった。 多分、他人の不幸を楽しむような嫌な感覚だ。 どの登場人物も流されて生きていてイライラする。人間的魅力がないとつくづく思う。 満足することを知らず、皆ばかみたいだ。 | ||||
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角田ファンです。 女性の細やかな心の動きや無意識の悪意を描くのが非常にうまい作家で、今作もその辺りはさすがです。 大学生の彼が魅力的でないというレビューもあったけれど、横領にかかる異性がダメンズというのは非常に現実的だし、ダメンズぶりも説得力があります。 主人公が堕ちていく過程のなかで、女性の就労や男女差別、役割意識、高齢者の孤独といったもの、時代の歪みがあぶり出されていく構成になっており、社会な作品でもあります。 作者は恋愛が描きたかったといっていましたが、この作品のテーマはタイトルからしても「お金」です。 恋愛がどこに描かれているのかわからなかった。最初から最後までお金の話。 誰も恋愛してないし、あるのは空しさとそれを埋めるための何か。 そういう意味でも、このタイトルは秀逸ですね。 自分はなんのために金をもつのか、それでなにを埋めたいのか、深く考えさせられました。 途中で別の視点からの物語がいくつか挿入されるわけですが、それが中途半端というか…消化不良で物語のスピード感を乱していた印象をぬぐえません。 別の視点からの話は1つか2つにして、メインの話ともう少しリンクさせるようにした方が良かったのでは。 その部分がマイナス1です。 | ||||
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映画版が大入り満員御礼・批評家全員絶賛売り込み中・50億円突破になってる原作。 「客観的に見ていかに非合理でも、人は夢を見ずにはいられない。 そうでなければこの世はあまりに救いが無い。 ドンキホーテ的な」(宇多丸) 作品である。 ドンキホーテって、すべての物語の原型なんだな・・・・・ | ||||
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素直に面白いと思うけど、主人公の梨花も友人の亜紀、木綿子、元カレの妻も、みんな自立心のない女たちだなと思った。 そういうところが私の価値観とまったく違うので、誰にでもある闇とは思わなかった。 与えられるだけの人だったから男に与え続けたのだと思う。それが高校の時の途上国の子供たちへの寄付にも結びつく。 寄付もそうだが、与える行為とは難しいのだ。経済的自立ができるような支援でないと、もらい続けなければならなくなる。 ここに出てくる女は基本的に甘っちょろく、クリエイティビティでないのだなぁ。 身の丈にあった生活の中で、楽しいことはたくさん作れるし、ブランドものを着なくてもかっこいい人はたくさんいるし、ブランドで固めてる人は逆に寒いし。などなど、30過ぎてるんだからわかるだろ?と突っ込む部分も多々あった。 | ||||
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横浜で何不自由なく生活をしていた平凡な主婦が、あえて不自由さと、自分の存在を求め、契約社員として銀行に勤めたまでわ良かったが、ちょっとしたスリルを感じる行動から、奈落の底へと転落の坂道を転げ落ちて行く・・・・・・伝々 以前バブルの頃わ、毎日のように、このような横領事件や背任事件がニュースで流れており、0の数も桁が違う数字が並んでおりましたのを記憶しておりますので、あえてこのような小説を読むより、当時実際の銀行の女性行員が刑事告発されたnon-ficfion物の方が、数倍緊張感があって生々しいです。この小説も、このような複数の実録を組み合わせて書かれているのでしょう・・・・・。 横領罪わ????人を殺した訳でわ有りませんので、比較的に量刑わ軽く、主人公の梨花さんわ一億円の使い込みですので、一年半、いや一年で出所して来るでしょう。 薦められて購読しましたが、薦めた方が、宮沢りえファン、であったのでしょうか??申し訳ないですが・・・残念 | ||||
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