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紙の月
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紙の月の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全158件 101~120 6/8ページ
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何となく思い立って1日で読みました。 桐野さんほどの毒は無くて読みやすく、また桐野さんのあの皮膚がひり付くような感覚までは感じませんでした。 (別に桐野ファンでは無いけどドロドロ系と言うことで) でも同世代だし、容赦無く年は取って行きあくせくと変化の無い毎日を過ごす中でまたドキドキするような事が起こったら・・・そして少し足を延ばしてお金を出せば、きらびやかな世界に行けるのであれば(私は九州の地方住まいなので、たまに上京すると驚かされます)・・・全然リアルじゃない!理解できない!とは正直思わなかったですね 東野圭吾の古いのばかり読んでる母に回そうと思います。 | ||||
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新聞におすすめと 書いてあったので つい買ってしまいましたが、あまりにも絶賛されていたので、 逆に期待はずれでした。 | ||||
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最初に言いたいことは、解説を読んで、げんなりしたということです。あまりにも、わたしと違って、ノウテンキな理解に……。もう少しマシな解説を書ける人はいなかったのでしょうか。不思議です。 さて、―― 梅澤梨花は、だれの心の中にもひそんでいます。たとえば、違ったかたちではあるが、節約に努める岡崎木綿子の中にも。そして、登場人物の女性のすべてに。 日常を逸脱させる世界。本書に出てくるデパートが、そのひとつです。その商法は、世界で初めてデパート〈ボン・マルシェ〉をつくったアリスティッド・ブシコーに始まるようですが、衝動買いへの誘惑、より高い生活様式を求めるように仕組んだものです。欲望を駆り立てる世界は、その虜になるともう抜け出せなくなる。現代は、その欲望を容易に達成させる時代です。本書でも、それが描かれています。 そして、日常の中に、それを飛び越えさせる動機がひそんでいます。たとえば、梅澤梨花は、専業主婦であるということが扶養されるだけの存在と感じる。また、今の生活を維持するために夫婦の親密な関係を引き離して行く会社などの外力もあります。女性として、人として、〈本来のすがた〉を求めようとしていくなかで、それまでの日常を逸脱させる装置に捉えられてしまうことがある。それは、いつのまにか、犯罪を犯した梅澤梨花になっていた、ということなのでしょう。 いつもながらの角田さんの書きっぷり。このての内容のものにしては、角田さんの〈やさしい〉心を感じてしまう。角田さんの小説の中の主人公には、いつも〈一種の救い〉があります。それは、人としての〈やさしさ〉をどこかに残していることです。本書の梅澤梨花も、犯罪を犯したけれども、人としての〈救い〉がある存在です。 しかし、あまりにも卑俗な内容の本でした。もう少し広い世界観の中で書いてほしいです。 好きな作家だけに、もっと人間の存在にきびしく迫ってほしいと思います。もう、こんな通俗小説のようなものから離れて、時代を超える作品をつくりだしていただきたいです。 角田さん、期待しています! | ||||
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小説なんて裸にすれば他愛もない、今の日本人の幼稚さが見えるだけ ヒロインになんの共感もわかない(テレビの宮沢りえに惹かれただけ) 最初のバックパッカーのシーンが一番好き(自分の若いころが思い出されるから) ラストも中途半端 リアル? 女性は買い物でストレスを解消できるらしい(男ではこうはいかない) 小説は風俗を描く所に魅力がある 主人公がどんな消費をしたのか、どんな恋愛をしたのか、それを見て真似てみたい そんな活用の仕方が目に浮かぶ | ||||
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直木賞もとったし、良かったね感満載の姫野さんなので、もう読まなくてもいいかなあと思っていましたが、図書館にあったので借りました。 感想は姫野さんの小説の中では上の中くらいで、中々余韻も残って良かった。ただ、最後の船だけが残っていた、というあたり、わけがわかりませんでした。読み違いかと思って読み返しても本当にわからない。お亡くなりになったってこと? | ||||
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2014年11月本書が映画化される事もあって、カバーには主演の宮沢えりの美しい表紙のカバーが添えられていた。 それをきっかけに、近所の書店で立ち読みで本書を広げてみると宮沢りえがタイのチェンマイで逃亡しているシーンから 始まっており、その後の展開が気になったこともあって購入に至った。 はらはらドキドキの逃亡生活が始まると思いきや、序盤途中からほぼ最後までは逃亡が始まる前までの主演者の過去の話。 そして、最後も数ページで逃亡生活の締めくくり。 著者角田光代のことを知らずに映画化の期待だけで本書を購入し、映画で美しい宮沢りえの活躍も期待外れの印象を 持った方もいるはずだ。 一点本当に評価できるのは、著者角田光代が展開する40代女性の恋愛観である。 60代のおばばになりながらいつまでも20代女性の裸体の恋愛観を語る作家桐野夏生ではく、ほとんど誰もが注目を 浴びない40代女性の恋愛観を語りながら、それをきっかけに非日常の海外逃亡という内容につなげ一つの作品に 仕上げていく作風は評価できる。いわゆるこれが文学だと、その評価から映画化につながったと思う。 最後に、本当に残念なのは現在の美しい宮沢りえにもっと逃亡生活を演じさせてあげたいと思う気持ちだ。 | ||||
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何が欲しかったんだろうと思わせておきながらのラスト。 う~ん。物足りない。逃げおおせてくれればよかったのにな。 | ||||
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―自分には縁のない話。 ―あり得ない話。 ―なぜこんなことをするのだろう・・・。 それは分かっているつもりで、この主人公には共感できなかったが 読んでいるうちに次第に怖くなってきた。 ―もしかしてもしかしたら私も同じことをするかも・・・、 ‘絶対’というのは、人間にはない。 ふと気が付いたら、この人と同じことをしているかも。 そう思えてきたのだ。 普通の人ならわきまえているはずのライン。 ひと様のお金がいくらまとまって目前にあったとしても 手は出さない。 しかし、でも、もしかしたら・・・。 オリオン座のベテルギウスはもしかするともう爆発しているかもしれないという。 いま夜空に見えているのは過去の光ではあるが、 爆発はいつ起こったか不明で、 爆発の瞬間は、今夜の夜空で明らかになるかもしれないし 一万年後の夜空で明らかになるかもそれないそうだ。 自分に置き換えて、過去からの積み重ね―生い立ち・躾・家風等々・・・ーがもしかしてある日爆発するかもしれない。 明日かもしれないし、(幸いにも)死ぬまで顕われないかもしれない。 それほど人間は脆いものなのではないか、という点で物凄く怖かった。 主人公の知り合いの形をとっているそれぞれの人物たちは、 「私は違う」と自らに言い聞かせながらも結局お金に振り回され、 お金の渦に巻き込まれてしまった。 ずいぶん前に見たフランス映画『ラルジャン』(=お金)を思い出した。 後味が悪かったのでこの点数にしたが、人間の普遍性をうまく描いていると思った。 | ||||
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一人の女が何の魅力もない男に貢いてゆく・・・そんな単純な話ではないと思いました。 大金の横領も味付けに過ぎないのではないかと・・・ 問題は何も求めていない愛人にひたすら貢ぐ姿でした。また貢がれ続けた亜紀の娘の結果も・・・お金を貯めることに執着した木綿子の娘の結果も・・・ 全ての親が当てはまるとは思いませんが、我が子に何から何まで与え続ける親。または真逆に物を全く与えない親。 そういった日本を分かりやすくお金に翻弄される女性を描きながら訴えたのではないかと思いました。 不景気な日本と言われてますが、圧倒的に物質は豊かになっていると思います。 質を問わなければ100円で日常品が揃ってしまう日本です。 改めてお金の使い方、大切さ、そして心はお金では繋ぎ止められないと言うことを考えさせられました。 沢山の習い事にゲームに洋服・・・幸せすぎる日々・・・その中で子供たちが親の願い通りに育ってくれれば良いのですが・・・ 梨花のような寂しい人間が増えませんように・・・ 亜紀のように物を与えてれば、気持ちを紡いでいけると言うような大人が増えませんように・・・ 木綿子のようにお金に振り回される人間が減りますように・・・ 祈るばかりです。。。 そして自分自身、お金に振り回されずに生きていけますように。。。改めてそう思わせてくれた作品でした。 | ||||
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著者の作品は初めて読んだが、なかなか良い、映像化されるらしいが主人公の梨花役は、宮沢りえはピタリとはまると思う、今から楽しみだ、。 | ||||
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かなしい“さが”を感じました。 ちょっとしたきっかけが知らず知らずにエスカレーションし、ぐるぐると火だるまになっていく。 最初のきっかけは、さりげないさまであり、見過ごしてしまうような事象だと思います。 多くはそういうところでストップがかかるものかもしれません。 そういったきっかけは元をただせば、今の生活環境であり、さらには生まれてからの環境が影響するんだと痛感しました。 だれでも条件が組み合わされば、このような事態を招くことがあると思います。 付き添って養われているんだ、そのことにより上下関係があるんだという思いは、やがて自分自身も同じような行為をしているといった因果を省みる事ができます。 これも、自分自身が気がつかないうちに、そのような行動・行為に走ってしまうのだと思います。 この主人公の行為はわるいのですが、そう思う前に、渇望を満たそうとするところが、どうしてもかなしくて、切なく映ってきます。 主人公の知人と対比させることにより、主人公の像が浮かび上がってきます。 主人公は金銭欲ではないので、与えることに対して欲求が満たされるのです。 それは二次的に生産加工されたものに満たされているのです。 学生の頃に海外に寄付をして、手紙が返ってくるという”与える”ことに満足するのです。 一方、主人公の知人は、背景があるもののいずれも金銭欲であり、モノトーンで満足感を得るのです。 現実がしっかりとみえない、まさしくタイトルにある「紙の月」は、月のごとく見えてはいるが、それは幻想の中にあるのです。 現実をしっかりと見据えれば、“紙で作った月”ではなく、本来輝きある月が見えてくるんだと力説しています。 また、”作った月”はその努力により、不変の形であり、直に手に取ることができるのですが、本当の月はただ見ているだけですが、日々色や形が変化し、その遠くからの輝きに届かなくても愛おしみを感じるものです。 | ||||
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どうもリアルだなぁと思っていたら主人公と同年代で、まさに 「同級生のりかちゃん」。 梨花にも他の3人や牧子にも、かなり感情移入しました。 お金をテーマに、時代とその時代に育ち現代に至る女性、夫、若者、老人、すごくリアルに描かれている。 梨花や牧子ほど裕福ではなかったけど、ほしいものはたいてい買えて育ち、成人後は振り返ればバブル真っ最中だったけれど、当時は疑問なんてなかった。リッチなステイタスとか、真面目に働けば誰もが普通に手に入る(と思ってた)。 不妊治療だって今ほどメジャーではなかった。 サリン事件以降どんどん不景気で、末端まで節約・節約生活って、それにも限度がある。 梨花の夫も、夫婦は基本お互い様だけど、 きちんとした良い妻なのに一度のささいな事にかこつけて?、全く触れない、金銭面で張り合うなんて男性として‥どうなんだろう。 かなりすれ違ってる。でも大抵は、離婚したくないし至らない。 女性の心理と時代をすごくちゃんと描いていて秀作だと思いました。 この国は、庶民はみんな傷ついてる。こんな不景気になって。真面目に働いても財を為せない報われない、教わって努力してきた事が全く通用しない。貧富の差。そんなことを感じました。 | ||||
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八日目の蝉で、「どうして私だったのよ」というセリフで有名に なった角田さんの作品です。 こともあろうに、宮沢りえさんの帯にひかれて手に取りました。 買ってすぐに、あんまり好きな題材ではないことに気が付き、読む のを躊躇しましたが、出だしのチェンマイが好きな町だったので。 題材は、よくある女子銀行員の、若い恋人への貢ぎから、口座の 操作から、痴呆老人の財産管理。膨れ上がる嘘から嘘への連鎖。 はまり込む蟻地獄に、気が付けばもはや蟻地獄の針は深々と 痺れる毒をゆっくりとゆっくりと、しかし確実に送り込む。神経が 麻痺する。現実夢。もはや白昼、深夜不明の状態で、迷走を続ける 梨花さん。 あまりにもよくあるシチュエーションで、またこれか。 というボヤキに、少しづつページをめくるのが辛くなっていたの ですが、最後に。 三尺玉って、基本的に単発なので、ヒョロヒョロヒョロッとあがり、 弾ける。普通の花火だなあ、と思っていると、周りに小さな花火が 弾け出し、大きな円に光を紡ぐ。 そんな感覚でした。 女性の狂気。平凡な日々に潜む危険。その香り。 家を守る犬よりも、餌をねだる、危険が迫ればすぐ逃げる猫を思い 出す。そんな作品でした。 基本的にありふれた、よく聞く題材をこんなまとめ方。 90点。 これがありふれた題材に思える自分がちょっと悲しい。 | ||||
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横領がばれてチェンマイに逃げた梅澤梨花(41歳)を 彼女と、彼女の友人知人 中高時代の同級生・岡崎木綿子、すごい節約家でクラス会にタッパー持参してあまりものはお持ち帰り。 卒業してから付き合ったモトカレの山田和喜、不倫真っ最中。 主婦になってから料理教室で知り合った岡崎亜紀は買い物症候群 その3人とから語られていくのですが、 ほんのちょっとしたことから人間が堕ちていくのが結構リアルで。 ああ、こんな風に人はほんの少しの不満をほんの少しの事で解消していたのが、 少しずつエスカレートしていき、 嘘を嘘で取り繕ううちに抜き差しならなくなっていくのだなと。 お金で解決できることはたくさんあるんだけど、 お金で解決のできないことをお金で解決しようとするからこんなことになるのよね・・・ 依存に陥っていく罠はいたるところにあるのだから。 自分で自分を律することができるかどうかが別れ道なのだろうけどね。 この小説、本当に嫌な奴ってのは登場しないんですよ。 しいて言うなら梅澤梨花の夫がそうなのかもしれないけど、 ちゃんと生活費渡すし、暴力振るうわけじゃないし、 まあ、妻に無関心かつちょっと俺様、そしてセックスレスなわけですが。 だからといって世の中もっとふざけた夫はたくさんいるわけで。 でも、梅澤梨花が一番駄目なのは、すべてにおいて受動的。 何をするのも自分で決めるというより人の顔色をみるばかりで。 うん、本当に嫌な奴は出てこない代わりに、 魅力的な人間も一人もいない・・・ すごく気持ちの悪いお話でした(笑) | ||||
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主人公の梅澤梨花の気持ちに、なかなか共感することは出来ませんでした。 それは、私が男であるからかも知れません。 平凡な結婚をし、専業主婦として子どももない暮らしがどんなものか、想像もつかないからです。 その単調で退屈な暮らしが、この物語の引鉄かも知れないと思いました。 それ故に働いたパートから、働くことで自立の意識を持ち、その自信が若い男の甘い言葉に誘惑されていったのかも知れません。 本当の「愛」を知らずに結婚し、「お金」でもって「愛」を買った女性と言えるのかも知れません。 主人公が、化粧品の支払いに集金してきた金に手を付けてしまうシーンがあります。 まさに、魔が差した瞬間です。 それが、すべての始まりになります。 私は、このシーンを読んだ時、ムルソーが太陽のまぶしさに引鉄を引くシーンを思い浮かべました。 何故、そこで「不条理」の世界を思い浮かべたのかは解りませんが、何となく共通するものがある様に思えました。 それにしても、「お金」を巡って様々な女性をこの小説で見ることが出来ます。 中條亜紀と岡崎木綿子は両極端化も知れませんが、確かにこうした女性はいます。 そこから考えると、主人公は金銭に関しては普通の女性です。 でも、「愛」を買うために「お金」を必要とし、不毛の地へと踏み出してしまいます。 女性の使い込みは、男へ貢ぐことによって起こると言う事は、経験上言えることだろうと思います。 それも、大人しくて真面目な女性ほど、その危険がある様に思えます。 この主人公も、まさにそんな女性です。 | ||||
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角田さんの作品は初めて読んだのですが、読後感が微妙です。 一億円横領して東南アジアに海外逃亡中、との出だしでひきつけられるように読み始めたのですが、中盤になってだるい感じがありました。 主人公の結婚生活の問題(セックスレス、仕事への無理解)やごくフツーの若い男との不倫などもからめて横領に至った経緯も、なんだか 強引すぎる気もします。主人公に絡めて買い物依存症が原因で離婚した友人、亜紀やキチガイなほどの節約家の木綿子、元彼で一回り 年下の女性社員と不倫、家庭が破たんしている山田などが登場しますが、誰一人共感できる人がいない。 彼、彼女らとの会話や更に主人公の生い立ちがつらつらと明かされるが、この主人公がなんだか中身の無いチョコボール?というのか 外面はいいけど、全く主張がない人としか思えなくて、えらく気持ちが悪く思います。クラスメートのイジメを止めた?中学時代以外、人との 衝突を避けていい人を演じているような。。。。高校時代の寄付は、企画に乗っかり親のお金を寄付しただけ。裕福な親の金を右から左へ 流しただけ。中途半端な正義感を押し付けていただけ。初めて入社した会社では真面目に仕事に取り組むが、自身の名刺を見て「自身が侵食される」気がして違和感、確固たる自分の意志があれば、そんな気にならないはずだ。初めてのお給料で両親に恩返しをしようとしたら「そんなに金は不自由してない」と父親に言われ、ただ落ち込む。こんな事を言う親もどうかだけど、その場で「初めてもらったお給料でせめて恩返しがしたかった」と本音を言えばいいのに、しない。親のご機嫌を伺うだけ。結婚しても、子供が欲しくても協力してくれない夫に意見することも無い。そもそも銀行勤めも友人の亜紀が勧めたから。全てにおいて受動的。 人の顔色をうかがっているくせに裏で老人夫婦から金を騙し取り、さらに借金を重ねていくさまも、本当に本人が欲してやっているのかわからない。 コアが無く、魅力にも欠ける主人公で作者が異様に持ち上げている感が気持ち悪い。 横領のきっかけや各登場人物の家庭はリアリティありました。 長野の厚生年金組織の横領事件のおじさんも、初めは数千円の切手の横領から、最終的に何十億になりましたし。 唯一、本音をズバズバ言いそうな亜紀だけ少し共感できました。同窓会の残り物を貰って帰る木綿子はあり得ないと笑っちゃいました。 角田さんの作品は初で、映画「八日目の蝉」は観ましたが、正直面白くなかったのですがこちらも映画化される模様ですね。 これだけだと評価はつけられないので、評価の高い「対岸の彼女」も読んでみようと思います。 | ||||
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神の月 とても面白かったです。 人間の欲望、特にお金に関することを考えさせられました。 人って、幸せになるためにお金が必要だけど、お金だけでは、満たされないものが沢山あって、 難しいですね?! | ||||
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「森に眠る魚」が面白かったのでその後何冊かこの作家さんの本を読んでいます。 この作品はドラマを先に見てしまったのであらすじや結末もあらかた知っているのに読み進めるに従って息苦しくなりました。 若い男に大金を貢いで一億円横領してしまった愚かな女性の話・・・ではなくて、まあ世間的にはそうだけどその女性にとってはちょっと違うかなみたいな。その”おろしたての石鹸”みたいにきれいで正義感の強かった女性を知っている周りの人々にとっても腑に落ちない事件でいったいあの彼女がどうして・・・とか言っちゃってるその周りの人々自身の金銭がらみの問題もひっくるめて展開していくのですが。 あくまでも養ってあげてる感ありありの器のちっちゃい夫に対しての反動や年若い男の子に対する見栄やそんなところから始まって、本来手に入れることの出来る筈の、それこそ本当の自分の世界を夢中で追い求め続けた結果気がついたら一億円使ってしまっていましたという感じでしょうか。そのエスカレートしていく様があ~わかるわかる、そうそうそういう感じあるよね的についつい感情移入してしまい、そういうところ角田先生は本当に上手だなといつも感心してしまいます。だからよけいに息苦しくなってしまうのでしょうね。 | ||||
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フランスの19世紀の作家フロベールのボヴァリー夫人にそっくりだと思いました。 夫にはロマンのかけらはない。ただあるのは平凡な生活 お金を横領するところも似たものがあります。 いつの世も変わらない夫婦関係の問題なのだろうと思います。それが破滅のきっかけになっています。 この作品面白かった人はフロベールのボヴァリー夫人もハマると思いますね。 | ||||
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『八日目の蝉』『対岸の彼女』に比べると細かいところでやや雑ですが、続きが読みたいと思わせる力は『紙の月』が最も強いです。友人や元彼たちのエピソードの入れ方もうまいです。新聞小説は冗長になりがちですが、そういうこともなく、すばらしい1作です。これからも角田作品を読み続けたいと感じました。 | ||||
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