羊をめぐる冒険
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
羊をめぐる冒険の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 B ランク
羊をめぐる冒険の総合評価:
8.44/10点 レビュー 208件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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この作品は、単体でも楽しめますが、『鼠三部作』と呼ばれるシリーズの完結編にあたります。
一作目の『風の歌を聴け』は、難解だと紹介されることもありますが、本作の舞台や世界観を知るうえでおすすめです。著者のデビュー作でもあり、「カッコいい!」というのが素直な感想でした。
二作目『1973年のピンボール』は、まだ学生気分の抜けない20代が、少しずつ社会に取り込まれていく物語。双子やピンボールといったモチーフを通じて、現実と非現実の境界があいまいになっていく、村上春樹らしい幻想的な世界が広がっています。
そして三作目となる本作では、主人公の「僕」と「鼠」が、それぞれのやり方で社会と折り合いをつけていく姿が描かれます。
私と同じ団塊ジュニア世代には、「子どもを持たない」という生き方を、人生の流れの中で自然に選ぶ人が少なくありません。本作には、そうした時代の空気感――弱さや「こうあるべき」といった一般論との葛藤――が、「羊をめぐる冒険」という形で映し出されています。
物語の冒頭では、三島由紀夫の自決の日を「我々にとってどうでもいいこと」として登場させています。「なぜ人は繁殖を手放し、自ら墓仕舞いを選ぶのか?」という問いが、人口増加のピークを迎えていた時代の若者たちに投げかけられている、そんな名作だと感じました。
随所に印象的な描写も散りばめられています。なかでも心に残ったのは、埋め立てられた海を前にして水の流れに目を向け、「そもそもの最初から街は彼ら(水)のものだったし、おそらくこれから先もずっとそうなのだろう。」と語るシーン。心に残る場面です。
こうして語り始めたら止まらなくなるような、奥深く魅力的な作品でした。