更に、古くて素敵なクラシック・レコードたち
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若い世代のハルキストにはなかなか理解しづらいと思えるアーティストへの指向があふれていました。元々はSP音源のレコードも含まれています。国内盤や輸入盤は混在しており、中古レコードとして100円で購入されたものも含まれています。いわば、ごった煮の面白さでした。 ただ、音楽愛好家の村上さんが、自身の言葉と考えでLPレコードの良さを語り、1940年代から70年代まで幅広い時代のクラシック音源を評価してその魅力を記載してある音楽評でした。 全体を通して、村上春樹さんの好きなクラシック音楽の嗜好が感じられますし、ジャズ喫茶のオーナーだった片鱗が伺える博識ぶりをここでも披露していました。有名な曲もありますが、未聴の曲も多く、歌詞と解説を読むと音楽が聴きたくなってくるような気分に包まれます。 それにしてもかなり個性的な選曲でした。こだわりが詰まっています。 村上さんだから一定の理解を得られますが、普通なら懐古趣味とか、スノッブとか言われる傾向が見て取れました。音楽の志向は人それぞれですが、クラシック・ファンの中でもユニークな選曲志向の部類に入るのではないでしょうか。 もっとも文章の巧みさは流石です。独特の批評で、その観点の珍しさは本書の魅力の一つにつながると思っています。 どちらかというと、昔学生街にあった名曲喫茶でかかるような演奏者を好んでいると思いました。それもかなり通が好む音楽として。 個人的に嬉しかったのはラヴェルの「三つのシャンソン(48p)」の紹介でした。合唱人に良く知られているロバート・ショウ指揮・ロバート・ショウ合唱団の演奏と名指揮者エリック・エリクソンのストックホルム室内合唱団の2つの音源を紹介しています。ラヴェルのシャンソンはI. ニコレット/ II. 三羽の美しい極楽鳥/ III. ロンドに分かれていますが、実に美しい音楽です。どちらもお手本ともいえる解釈と演奏で成り立っている貴重な音源だと言えるわけです。雰囲気の違いはあるにせよ、当時の世界最高水準の合唱ですので、今聴いても全く質の高さは十二分に伝わってくることでしょう。 なお、バッハの「ロ短調ミサ(141p)」は、リヒター盤が含まれていないのが意外でした。好みの違いでしょうね。 当方も一定の齢を重ねており、LPレコードへの愛着は今もあります。本書で紹介されている演奏者への思いを共感できることも多々あり、村上さんの演奏評もさすがにジャズ喫茶のマスターだと言えるほど、しっかりとした耳をお持ちでした。 判型もあり、個々の音楽への評論の文字数はそう多くなく、音楽評論として見れば物足りない感じを受けました。村上さんが書いているということに意味があるのでしょう。 当方も見知っているレコードジャケットは懐かしく、半世紀前のクラシックの潮流も感じられるような評でした。そしてなによりストレートに好きな演奏家や曲目への愛が感じられて、読み進めていく原動力にそれがなっていました。 素敵な出版物の第2弾でした。今回もまた、春樹ファンならその価値を理解し、認めることでしょう。 | ||||
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ときどき読み返して自分が持っているLPを聴き直しています。 | ||||
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みなさまのレビューに触発されて書きますが、確かに村上春樹という人はジャズの人であり、この本は編集者か何かから、ただ求められたから書いたに過ぎないような本です。一言でいうと「ぬるい」。 悪口をいえば、印税がっぽりで生きている人が道楽で書いたような本です。 逆に賞めるとすると、何よりセンスがいい、マイナーなものにも目が行き届いている。 しかし、これもただの道楽だから、ということはできないか? | ||||
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音楽評論は、多く読んできました。おおもとは、NHK-FMのクラシック番組とくにバロック音楽の紹介を行っている方々から学ぼうとしたところから始まっています。そののち書かれたものを読むようになり、学園時代に河上徹太郎著作集に出会ってしまい、それっきりです。 本書の著者は、個々の曲について、さらに個々の演奏について、知見の限りを説いています。冷静な評者です。 「世のクラシック音楽のファンの中にはたとえば、『カラヤンの音楽なんぞは許せない』とか『フルトヴェングラーは至高の神様だ』みたいな、がちがちに原理主義的な考え方をする方も少なくないように見受けられるが、僕は(たぶん)そういうタイプではない。もちろん好き嫌いみたいなものはあるけれど、それはあくまで個人的な傾向であって、それをほかの人に押しつけるようなつもりはまったくない。」(pp.14-15) とあります。おそらく、ここで、わたしの場合には、許せなかったり、至高の神様のように思ったりする理由を伺います。その理由の内容次第で、その人物の了見が原理主義的か否かを判断します。 という違いはあるようですが、著者の説明は、あまり反発を感じるところのない、好もしいものでした。もっと続篇を読みたいと思いました。 | ||||
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前著「古くて素敵なクラシック・レコードたち」の好評に応えて待望の続編が登場しました。 パガニーニの「24のカプリース」から、ベートーヴェンの「ピアノソナタ11番」まで、村上選手が秘蔵する懐かしのLPが陸続と登盤。1枚毎の思い出とともにその独断と音楽愛と「普遍的偏見」にみちみちた解説と解釈を、営々と綴っていきますが、不思議なことにその内容は、おらっちのそれとそれほど食い違ってはいないのが不思議です。 昼飯を抜きながら全世界のクラシックレコード屋のバーゲン箱を漁りつつコレクトした村上選手の守備範囲は驚くほど広く、たとえばクルト・ヴァイルの「三文オペラ(組曲&オペラ版)」の7枚や、ラヴェルの無伴奏の「3つのシャンソン」をロバート・ショウ合唱団の名演で聴いた感想などは、『レコード芸術』誌のエラソーなヒョーロンカなぞ、足元にも 及ばない深みにいつのまにか到達しているのではないでしょうか。 超有名プレーヤーだからといって無暗にもち上げず、若き日の邦人や無名に近い演奏家のレア盤などにも共感と拍手を惜しまない、いい意味でのアマチュア精神が自然に発揮されているのにも好感が持てます。 50年代のモノラルレコードも多いのですが、CDよりも豊富な情報で満ち満ちているレコードの愛好者が日を追って増加しているこんにち、本書の刊行はまことに時宜を得た好個のガイドブックと申せましょう。 | ||||
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