(短編集)
砂の女
- 脱出 (172)
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砂の女の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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現代人たちは、今の状況、どこか閉塞感を感じながら現状に甘んじ、諦念を持って生きているのだろうと思う気持ちが強くなった。何とか現状から逃れたいと思うが、簡単ではないので今の状況に甘え、諦めているのである。(諦めきれずに逃れたいがその方法を間違う輩は犯罪を犯すのである)そんな現代人の心理を比喩的に描いた本作、名作といわれる理由がよくわかる気がした。 | ||||
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失踪をモチーフにした純文学は戦後以降、世界中で流行ったかもしれない。そういう空気感、孤独、自己憐憫、自己喪失、身の回りへの抗議。とはいえ戦後経済の豊かさを享受しての自己矛盾・欺瞞にも苛まれている。「砂の女」はそういう本だ。 ゴダールの映画がその後の映像制作関係者向けのネタ集となったように、安部公房の不条理ネタ作品も次世代に受け継がれている。ネタ集であると感じる。これは前衛作家であった安部公房の宿命的な立ち位置か。とはいえ、最近の作家はもっとスマートーに現代風アレンジして同じことをやっている。それを確かめたり、それでも安部公房が一枚上手だと唸る表現を発見したり。 今、30年ぶりに再読して今でも素晴らしい洞察的な比喩表現、陳腐化または意味不明な比喩表現は半々だ。まるで文芸表現の技術展覧会のようだ。ただし、主人公の感傷的でネチネチした語り口は今の時代にフィットしないだろう。そこは割引いて読むべきだ。文学史的な通過点として読む分にはヒントもたくさんある。そういう目線で読むと非常に楽しめる。 例によってか、安部公房作品は大抵救いのあるような無いような曖昧な形で物語を締めくくる。美しい破綻。永遠の未完。言い表せない不安。 因みにこれはいまだに現在の純文学でもよくある締めくくり手法だ。まるで純文学とはそういうものだというように。ひょっとして安部公房作品がその手法の免罪符になっているのかも?とかおもう。 「砂の女」は不条理文学の「肥やし」としては世界的傑作だと読み返しておもったし、時代風化のアレコレも感じる。それ故か、永遠の未完の安部公房はノーベル文学賞受賞を逃した。むしろそれは、安部公房らしさ故だろう。ひねくれ者には今でも読む価値が十分あるが、拒否感を感じる人の気持ちもよく分かるから、星ひとつ。 | ||||
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ブラック企業や日本の体制に取り込まれると自由が利かなくなり『日本沈没』までは 至らなくても人柱状態のようにされてモルモットレースの如く両輪を回して馬車場の如く 働かなくてはならなくなり蟻地獄の様な移民国家で日本の寓意とも捉えられるなぁ~と 思った。昔から海を渡ってきて土着して混合していき、時代の変節に於いて渡来人が渡って きては重宝がられ!?土着して混合しての繰り返しです。ポストモダン化するポール・ヴィリリオ の提唱したことが現実化している社会では、移民の移入の流れが速くなりましたが、この日本 の蟻地獄性(特に新参者)は普遍的で騙された、こんな筈ではと沼落ちする方も少なくないのでは と穿った見方であるが思った。またあらゆるものが日本語化されて日本化されて取り込まれていく ダイナミクスがある過程とも読める気がした。常に新陳代謝を繰り返さなければならない宿命なのか、 常に取り込まなければならないのか。魅力的なトーキョーという装置も大きな蟻地獄の側面もあるの かもしれない。 | ||||
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アイデアはいいが状況設定がゴテゴテしすぎ、人物に味がない、比喩がどれもピンぼけ。通俗素人向け名作ではありえても、文学としては二流三流。 | ||||
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出版時から相当年数経過の本ですのでそれなりに日焼けシミなどあり。 | ||||
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やはり、安部公房は天才だ。このような発想自体が、なかなか凡人には出てこない。ちょっと、SFっぽい話に最初は読めたが、よく考えてみると、自分事にも思えてきた。つまり、人生は自分の思うようには行かない。世界を変えることはできないが、自分の内面は変えられる。それは妥協ではない。この小説のラストを読んで、そのような結論に至った。いつの時代でも、多くの方に読み継がれて欲しい傑作である。 | ||||
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