壁
- 人形 (161)
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やっと文庫全巻が、揃いました。嬉しいです。今は、あまり作品を知らない作家さんが取り上げられている巻より読んでおります。素直に、第一巻目より読み進めるべきでは、と少し迷いつつ、読み進めております。 | ||||
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散りばめられたユーモアに思わず笑ってしまいます。 物語は展開に次ぐ展開で飽きません。 奇妙なキャラクターがおかしな会話を始めると次は何が起こるんだろうかとワクワクしてきます。 アリスやカフカに通ずる作品もあれば、三部の赤い繭の事業などは夢野久作の人間腸詰を思い出しました。 当時のじめじめした日本の作家っぽくなくて、外国の作品を読んでいるようでおもしろかったです。 主人公が困惑しながらも悲観せず楽観的なのが凄く楽しかったです。 | ||||
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安部公房(1924-1993)初期の中・短篇集、1951年。第一部「S・カルマ氏の犯罪」、第二部「バベルの塔の狸」、第三部「赤い繭」(「赤い繭」「洪水」「魔法のチョーク」「事業」)からなる。名前 = identity = 自己同一性 の喪失という彼の多くの作品に通底するモチーフを通して、人間存在の実存的境位を追究しようとする。 「壁よ/私はおまえの偉大ないとなみを頌める/人間を生むために人間から生れ/人間から生れるために人間を生み/おまえは自然から人間を解き放った/私はおまえを呼ぶ/人間の仮設と」 本書『壁』は高校時代に既に購入していた。学校の教材かなにかで「赤い繭」を読んだのがそもそもの購入のきっかけであったと思う。何とも不思議な雰囲気の物語があるものだと随分魅了された記憶がある。しかし「壁」自体は当時の私には余りに観念的な内容であったために、第一部「S・カルマ氏の犯罪」のごく初めの個所で挫折してしまった。ことによると石川淳の「序」しか読んでいなかったかもしれぬ。数十年の空白を挟むことになったが、読み終えることができてよかった。大学に入ってからは哲学や思想を素人のいい加減さと根気のなさとで多少読みかじったが、今回読んだ「赤い繭」もやはり、そしていっそうに、美しい物語だった。そして「S・カルマ氏の犯罪」のあの最後の(これもやはり)美しい結末に到り着けてよかった。 | ||||
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僕には教養がないので、いったいなんの話なのかよくわからなかった なにかしらの比喩があるのかなんなのかわからず 不思議な話のまま読み進め、最後になったらわかるのかと思いきや最後までよくわからなかった 描写が上手いので容易に想像しながら読み進められますが いったいこの話はなに?ってのがずっと疑問でした 哲学書とか読んでいればこの作品の意味する所がわかるのかなとか思いました | ||||
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文体に慣れたのか、どんどん読みやすくなってきた。 本作は奇妙な構成で、中編二作と短編四作から成る。それぞれの作品には関連がない。 作品集というわけでもなく、全体で一本の小説なのだ。 「第一部 S・カルマ氏の犯罪」朝起きたら、名前がなくなっていた。 あちこちで差別された上に、椅子やズボンなどの日用品に取り囲まれて責められる。 Y子という美少女がかばってくれるが、彼女はマネキン人形なのだ。不条理ながら、妙に楽しい。 「不思議の国のアリス」を思い出した。 「第二部 バベルの塔の狸」変な動物に影を盗まれてしまった。影を失うと、存在そのものが無くなってしまう。 その動物は「取らぬ狸」といって、すべての人に一匹づつ付いているらしい。奇想縦横なストーリーが展開する。 イマジネーションに感嘆した。ファンタジーや童話に似た味わいだが、どちらでもない。 幻想小説でもなく、やはり異色の日本文学というしかない。 「第三部 紅い繭」は四本の短編である。 表題作は繭に変身する男の話だ。『洪水』は人類が液化し、『事業』は人肉ソーセージが合法化した世界を描く。 いずれも大量の後続作品の元ネタになったと思われる。 『魔法のチョーク』は、貧しい画家が、描いた絵が本物になるチョークを手に入れる。 四作の中ではこれが一番好きかな。 小説は想像力が命だ。安部公房は異色作家であると同時に、正当な作家らしい作家だともいえる。 つくづく日本には稀有な才能だと思う。 | ||||
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