飢餓同盟
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戦後の混乱期。 潜水艦でドイツに渡っていた工学士の織木がしけた町に帰ってきた。 彼が持ち帰った強化人間を生み出すナチスの秘薬を巡る騒動。 古い家柄だが温泉が枯れてから没落し、キャラメル工場の主任をやっていた花井には野望があった。 狭山(駅員)や矢根(人形師)や森(医者)など不遇のよそ者たちを組織して町の革命を成し遂げようとする。 織木の生還で計画は急速に具体化。彼を戦中のような強化人間にして地下空間を探査させ、枯れた温泉の復活と地熱発電所を作ろうとする。だが強化のしすぎで織木は死亡する。 秘薬を研究してた秩父博士が最後に乗り込んできて多良根(町長)・藤野(開業医)ら地元有力者たちとともに地下資源をすべて横取りしてしまう。 キャラメル工場をクビになって食い詰めた上、革命運動の過労に耐えてきた花井もヒロポンの打ちすぎで廃人化していた。 | ||||
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阿部作品が大好きでいくつも読んでいますが、此方は登場人物も多くて少し難解ですが、やはり何と言っても阿部公房。がぜん面白いです。 | ||||
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1954年刊の書き下ろし。北日本の山あいの町で繰り広げられるドタバタ劇。山師と地熱発電、革命を目論む秘密結社、政治家どうしの利権争い……戦後数年経ったばかりの頃の地方の町なら、ありえたかもしれない。 登場人物はみな個性的、総勢25名のキャスト。紆余曲折の展開があるので、日曜劇場のような連ドラに仕立てたら、けっこういけるかも。 通俗小説のように書いてみるという作者の「実験」のようにも感じられる。哲学・文学・思想のニオイがさほどないのもいい。もちろん、筋書きは緻密に計算されていて、細部ではいつもの安部公房らしさが顔を出す。たとえばギニョール人形劇が登場し(いわば劇中劇)、そこではシュールな展開があったりする。 冒頭は、降りしきる雪のなか、下りの最終列車から大きなトランクをもった男が降り立つシーン。ここで読者の心をつかまえ、最後まで一気に読ませる。後半が駆け足なのが少し残念。 (なお、新潮文庫版は改稿版。オリジナルとはエンディングが少し異なる。) | ||||
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安部公房作品の良さは寓話性とリアリズムの絶妙な絡み具合だと思いますが、読みにくいのが難点かなと。 | ||||
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不条理や珍獣は出てこない。プロットがよじれることもない。でも、きわめて安部公房らしい作品である。 山間の寂れた町で、食品会社従業員の花井は、仲間外れにされた弱者たちを集めた「飢餓同盟」を結成している。 一人の男が自殺するためにやってくる。男は旧軍とナチスの科学で聴覚を高められていて、 地下の様子を読み取ることができるのだ。花井は、男を利用して地熱発電所を作ろうと企む。 今こそ飢餓同盟が町のボスたちを倒す時だーー。 飢餓同盟の面々は、堂に行ったクズっぷりというか、極めつけにユニークだ。 ボスとその仲間も負けず劣らずアクが強い。 戦後雨後の筍のように発生して、ほぼすべてが失敗した社会運動を戯画化したストーリーだ。 単なる薄っぺらい風刺ではない。この時代の地方都市の激動をフィクションに昇華した快作である。 ある意味救いのない話なのだが、まったく暗さを感じない。 次元を飛び越えたような物語化に成功しているせいだろう。 | ||||
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