死に急ぐ鯨たち



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初公開日(参考)1986年09月
分類

長編小説

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死に急ぐ鯨たち (新潮文庫)

1991年01月01日 死に急ぐ鯨たち (新潮文庫)

いつ崩れるかほからない、危うい均衡の上に成り立つ現代世界。破局が来るその日まで、我々は引き延ばされた日常に居座り続けるつもりなのか?文学の最先端を疾走し続けてきた作家が、国家、科学、芸術、言語、儀式などを縦横に論じてゆく中で、時代を解く鍵が鮮やかに浮かび上がる…。論文、エッセイ、インタビュー、写真など多様な表現で、危機的現代を明快に摘出する評論集。(「BOOK」データベースより)




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死に急ぐ鯨たちの総合評価:9.75/10点レビュー 8件。Bランク


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No.8:
(5pt)

絶版には惜しい名著

安倍公房の本は結構読みましたが、なかには難解で読み難い本も幾つかありました。個人的に気に入っているのはSFチックな『第4間氷期』や、『R62号の発明』などです。
そんな氏の貴重なエッセイや評論集などをまとめたのが『死に急ぐ鯨たち』です。ここでの氏の口調は噛んで含めるような優しいもので、いまの社会が抱えている病根や、人類の所業のようなものが、スッと頭のなかに入ってきます。
氏の作品は大抵新潮文庫で読めるので、この全作品をいつかは読破してみたい!と思っていましたが、大分前に幾つかの代表的な本を残して絶版になってしまったみたいです。ですがこの『死に急ぐ鯨』たちは残して欲しかった。実際に私はこの現実社会を生き抜くための指針として時折読み直しているからです。
こういう本がもっと世の中に広く出回ることを願います。
死に急ぐ鯨たち (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:死に急ぐ鯨たち (新潮文庫)より
4101121230
No.7:
(5pt)

IT革命後のいまこそ

(前略)国家の外に立つことが誰にとっても不可能なら、抑止力としての核を生きるしかないことになる。だから現代の破滅願望は、反体制として機能するよりも、はるかに国家主義、もしくは民族主義的方向に組織されやすい性格を持っているんだ。けっきょく真の核廃絶は国家の廃絶以外にありえないような気がする。あまり希望は持てないね。兵士への道のほうが、国家の廃絶よりはずっと理解しやすいプログラムだからな(pp.141-142)。

*その後のグローバル化の急速な進展、とくにIT革命を経て、「国家の廃絶」とまではいかなくとも、「国家の弱体化」は、この文章が書かれた時代よりも、はるかに「理解しやすい」プログラムになっていると思います。
死に急ぐ鯨たち (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:死に急ぐ鯨たち (新潮文庫)より
4101121230
No.6:
(4pt)

どうしてこの手の本は絶版になるんだろう。

言語論関係の話が多く、随筆というより理論を説いているような感じである。氏の作品の内容は感覚的なことが少なくないがここでは論理的知識人として見識を振るう。安部公房は文壇に属していなかったし(文壇は時機にしょうめつするわけだが)文豪、というより知識人と言ったほうがしっくり来る。
対談は『方舟さくら丸』について触れていることが多く、同著を読む上で非常に参考になる。
最も彼は評論することより素直に読んで欲しいとポツリ。これは多くの文学者の思うところであろう。
死に急ぐ鯨たち (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:死に急ぐ鯨たち (新潮文庫)より
4101121230
No.5:
(5pt)

カバーが珍しい

安部公房の書籍を集めているが、昨今のもので、意外と手に入りにくいものが
この作品の初版帯つきだった。全集を見て「初版本」として考えると、この作品のカバーに価値があることが分かる。文庫でも「初刊本」という位置の作品が安部公房さんにはあるので、意味合いを考えて購入していくとよい。
死に急ぐ鯨たち (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:死に急ぐ鯨たち (新潮文庫)より
4101121230
No.4:
(5pt)

9.11以後:予感の実現

もうかなり前に書かれた本書で、安部公房は、次のように述べている。
「… 誰かが生き延びるために、誰かが死ぬ、この条件がある限り、サバイバルは犯罪になってしまう…人間が人間を所有し支配できるかぎり、生き延びようとすることで誰かを殺してしまうんだ…ファシズムとはすなわち選別の思想なんだ…殺すことも、殺されることも拒否しようと思えば、二人とも死ぬしかない…いまわれわれが置かれた状況は、まさにその選択を迫っているとぼくは思う。どっちかが生き延びることをゆるされるのなら、核戦争も許されてしまうじゃないか」 (p.104-108.)
 これは決して、「冷戦時代の思考」ではなかったことが、9.11とイラク戦争後、やっと明らかになり始めている。「核戦争も許されてしまう」という鮮明な予感は、今まさに現実のものとなった。核は今や、「偏在する潜在的なものとなった敵」の裏をかくことさえ可能なものとして、それ自身が「偏在する潜在的な力」となった。それは、多様な戦術に応じて、いついかなるときにも、誰に対しても使用され得るものなのだ。
 このような状況において、本書だけが語ってくれることは何だろうか。
死に急ぐ鯨たち (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:死に急ぐ鯨たち (新潮文庫)より
4101121230



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