燃えつきた地図
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「都会――閉ざされた無限。けっして迷うことのない迷路。すべての区画に、そっくり同じ番地がふられた、君だけの地図。だから君は、道を見失っても、迷うことは出来ないのだ」 著者の他作品である『砂の女』『他人の顔』『箱男』『壁』などと同様、社会における「私」について考えさせられる、安部公房らしい一冊。「ここではないどこか」を願う思いは、いかにして満たされうるのだろうか。「私」は「私」を捨てて逃げ去ることができるのだろうか。筆者の言にもありますが、都市文明社会に生きる「私」の「私」からの解放の可能性について考えさせられました。 一冊の面白さ、安部公房文学への入り口という観点からは『砂の女』をおすすめします。 安部公房の作品をいくつか読んでみたいというのであれば、そのうちの一冊としておすすめです。 | ||||
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最近公房さんにハマってしまった。展開が面白くて止まらなくなるが最後が、?、って感じか。 | ||||
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たぶんネタばれあり。 読み始めは推理小説かと思ったが、それにしては不自然さが目立ってくる。この不自然さを解くカギはおそらく、失踪者の根室洋と主人公の私が同一人物と考えれば良いのだろう。つまり失踪した根室をその妻と弟が探したところ、根室が偶然か必然(心理的抑制)かで過去の記憶をなくしつつも興信所の調査員として働いているのを発見していたのである。そこでがみがみと真実を告げるよりも、自ずから自分が根室であることを悟ってもらおうと私に根室の捜索を依頼したのである。すなわち知らぬは本人ばかり、ということなのではないか。そう考えると不自然さの多くを説明できると思う。主人公は記憶を取り戻せたのか? それはお楽しみにである。 | ||||
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"探しだされたところで、なんの解決にもなりはしないのだ。今ぼくに必要なのは自分で選んだ世界。自分の意思で選んだ、自分の世界でなければならないのだ。彼女は探し求める。ぼくは身をひそめつづける"1967年発刊の本書は失踪三部作の1つ、前衛的にめくるめく都市社会を疾走する円環小説。 個人的には、失踪三部作の他ニ冊『砂の女』『他人の顔』が既読だったので、映画化もされている本書も手にとってみました。 さて、そんな本書は失踪した或るサラリーマンを捜索する興信所員『ぼく』が男の足取りをおって調査を進めていく様子が昭和の香り漂うハードボイルド探偵小説風に奇妙な人物たちと出会いながら展開していくも【謎解きはされず】それより、いつしか『ぼく』自身が表裏がひっくりかえるかのように名前や記憶の一切を失い、都市社会から失踪してしまうのですが。 まず。個人的には著者の作品は何冊か手にとってきましたが【回り道をあえてさせられているような細かい文章】が続く反復的、散文的な文体は、多少読みづらさこそあるものの"クセになる"というか。本書解説でドナルド・キーンも触れていますが冒頭の『アスファルトの道路』やラスト辺りの『電話ボックスに残された大便』や"油が乗っているから栄養になるかなあ"と『ゴキブリを肴にしてしまう男』など、映像的な【鮮烈なイメージに脳がハッキングされ、強制的に刷り込まれる】ような独特な魅力がある。とあらためて感じました。 また、それでも本作は展開としては失踪三部作の他ニ作、砂の中に埋められた家に閉じこめられる『砂の女』や他人の顔をかたどったマスクを被る『他人の顔』といった超常的な設定から唐突に始まる作品達と較べると、最初から【典型的、現実的な探偵小説のスタイルを与えられている】ので、とっつきやすいわけですが。やっぱりすぐに"あ、これは事件解決の望みはない"と気づいた後に【予想通りに異界へ連れさられていく】ような不安が与えられていく感覚。まんまと著者の思惑にのせられたような悔しさと楽しさ。控えめにいって最高です。 デヴィッド・リンチ監督のような映像的な作品が好きな人、都市社会の不安や孤独を描いた作品が好きな人にオススメ。 | ||||
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失踪と言わずさかんに蒸発といっていた時代の小説だなぁと思いながら読むこと三分の二。かなりイライラしてきたころ、いきなり話が展開し始める。昔読んだ作品も記憶には残らなかったがこれも同じ。独特の文体が当時は魅力的だったのかな。 | ||||
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