方舟さくら丸
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〇 ひとことで言えば多彩かつ多面的な作品だ、ということになる。まずなんと言っても面白い。細部まで周到でマニアックで緻密な状況設定、世間のはみだし者ばかりを集めた登場人物たち、小気味よい物語の進行。冒険小説のスリルと推理小説の意外性を兼ね備えたエンターテインメントだ。 〇 次いでその文章術。さすがに安部公房だと唸らないわけには行かない。小説のはじめの方には秀逸な比喩と華やかな表現をちりばめ、後半になるとまっすぐな事実描写でわき目もふらずに畳みかける。体言止めの多用が生む不思議な余韻。全篇を対象と距離をおいた表現が生むユーモアが支配している。便器から脚が抜けなくなった主人公「もぐら」と、穴の底に囚われた『砂の女』の主人公と境遇はよく似ているのだが、もぐらは『砂の女』の主人公みたいにジタバタせずに、どこか余裕をもって事態を見守る。そこにユーモアがうまれている。 〇 さらに風刺も忘れていない。やり玉にあげられるのは、国家権力の粗雑、組織人間の危うさ、老人の醜悪、簡単にひっくり返る力関係のもろさなど。ただ、チクリチクリとやるだけで深入りはしていない。 〇 最後に、全編を通じて克明に追っている主人公の心理の不思議が味わい深い。彼は世間から逃れるためにシェルターを作り、最後は真っ先にシェルターから逃れて世間に戻った。ここに何か寓意があるのだろう。 〇 この作品でいったい作者は何を言いたかったのだろうか、と一応は考えてみたのだが、すぐにやめた。その気になれば何かもっともらしいことは言えそうな気はするけれど、上に列挙したことで十分ではないか。念の入った架空の小世界を作り上げて、2日にわたって何時間もの楽しい時間を読者に提供し、社会と人間の愚かを垣間見せ、ちょっとした価値の転換に似た感覚を味合わせ得たとすれば、小説家としてそれ以上なにを望むことがあるだろう。 〇 ああ、面白かった、で良いのだと思う。 | ||||
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大変安く購入出来ました | ||||
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ものすごく感動的な話ではないし、痛快な話でもない。しかし読み終わった後に、心の中に何か引っかかる塊のようなものができ、簡単には忘れられそうにない。 物語の全てが何かの隠喩であるような感じだが、何の隠喩なのかははっきりわからない。そのモヤモヤも、心の中に引っかかる。 はじめは主人公の考え方についていけないが、だんだん、主人公が自分とあまり変わらない人間のような気がしてくる。 物語の最初と最後に出てくる市庁舎の黒いガラス張りの建物に関して、主人公の受け取り方が大きく変化しているのは、主人公の成長のせいなのか、喪失感のせいなのか。 | ||||
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「ぼく」は地下採石場跡に、シェルターを作った。核戦争が起こっても生き延びられるエリートだ。 「乗船切符」はあと三枚、人選が難しい。 ある日デパートの屋上で出会った昆虫屋に声をかけたら、サクラとパートナーの女がついてきた。 共同生活が始まった。 「ぼく」は間違っても他人には愛されない、痛くて変な奴である。 肥満体で奇怪な家庭環境というところが、痛さに拍車をかける。エキセントリックな父親の造形が秀逸だ。 昆虫屋とサクラも印象に残るキャラだが、特記すべきはサクラの連れの女だ。最後まで女としか書かれない。 具体的な容姿の描写はないし、性的なシーンもないのに、不思議な色香を感じる。 作者の描く女性はなぜこんなにエロいんだろう。 例によって本筋は明確ではないが、細部が面白い。 侵入者撃退の罠とか、なんでも流せる巨大なトイレとか、ディテールが妙に楽しい。 主人公の情けなさに共感したので、最高点にします。 | ||||
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ストーリーの展開は面白いけど、私にはしっくりこない本でした。 | ||||
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