洪水はわが魂に及び



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    初公開日(参考)1973年01月
    分類

    長編小説

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    洪水はわが魂に及び(下)(新潮文庫)

    1983年05月27日 洪水はわが魂に及び(下)(新潮文庫)

    「縮む男」は処刑され、もと自衛隊員は逃亡に失敗して自爆した。現代のノアの洪水に船出した「自由航海団」は、いまや機動隊に包囲され、すべてが宙ぶらりんのまま、そのむこうに無が露出している。銃を手にした大木勇魚(いさな)は「樹木の魂」「鯨の魂」に向けて、最後の挨拶をおくる、すべてよし! 人類の破局とその未来を黙示録的な電光のもとに浮かびあがらせて稀有の感動を呼ぶ雄編。(「BOOK」データベースより)




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    洪水はわが魂に及びの総合評価:8.00/10点レビュー 11件。Aランク


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    No.11:
    (3pt)

    狂人 大木勇魚の物語

    知的障害の幼い息子を持ち、かつて大物政治家の娘婿 兼 秘書だった中年男 勇魚が 町外れの核シェルターに息子と引きこもっていたが、
    目の前の湿地の向こうの廃墟に たむろしてる若者グループと関わることになり、そして国家権力によって破滅するまでの物語。
    当時からすると近未来の話のようだが、警察や機動隊の描写が60年代のそれのレベルであり、大江健三郎の想像力も その程度かと。
    まぁ 話の本筋とは関係ないから別にいいが。なんと言うか、骨の髄まで反国家権力なんだなぁと。
    大江が高校のとき毎日不良グループから理不尽な暴力を受けていたのが そういう思想になった原因らしいが、そいつら別に国家の手先じゃないから。論理の飛躍だよな。
    洪水はわが魂に及び (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:洪水はわが魂に及び (上) (新潮文庫)より
    4101126127
    No.10:
    (3pt)

    狂人 大木勇魚の物語

    知的障害の幼い息子を持ち、かつて大物政治家の娘婿 兼 秘書だった中年男 勇魚が 町外れの核シェルターに息子と引きこもっていたが、
    目の前の湿地の向こうの廃墟に たむろしてる若者グループと関わることになり、そして国家権力によって破滅するまでの物語。
    当時からすると近未来の話のようだが、警察や機動隊の描写が60年代のそれのレベルであり、大江健三郎の想像力も その程度かと。
    まぁ 話の本筋とは関係ないから別にいいが。なんと言うか、骨の髄まで反国家権力なんだなぁと。
    大江が高校のとき毎日不良グループから理不尽な暴力を受けていたのが そういう思想になった原因らしいが、そいつら別に国家の手先じゃないから。論理の飛躍だよな。
    洪水はわが魂に及び (下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:洪水はわが魂に及び (下) (新潮文庫)より
    4101126135
    No.9:
    (5pt)

    反体制と想像力

    主人公の勇魚は、かつてその販売企画担当員だった核シェルターで、障害を持つ息子ジンと共に隠遁生活を送っている。彼は、樹木の魂、鯨の魂の代理人であると自認している。ジンは、テープレコオーダーの鳥の声を聴くと「OO(鳥の名)、ですよ」と当てる特殊能力を持っている。彼らと湿地帯を隔てて対峙するのが、「自由航海団」と称する、社会からドロップアウトした若者たちだ。近い将来発生する天変地異に乗じて公海へ船出しようと企んでいる。本作は、勇魚と若者たちの対決、和解、相互承認、連帯、共闘に至る過程を物語る。外見的には、連合赤軍あさま山荘事件を思い起こさせる。実際、強盗、軍事教練、リンチ殺人、機動隊との銃撃戦(例の鉄球も出てくる)等、エピソードには周知のものが多い。しかし、内容は異なる。自由航海団には、連赤のもつ教条主義、硬直性、自閉性がない。議論が活発であり、命令系統がない。団員は、個人の自由意思で参加している。この点は、全共闘に通じる。
     勇魚と若者たちが世代を超えて共闘に至れたのは、反体制意識だけでなくヴィジョンに生きるという本能を共有していたからである。その意識も本能も廃れた現在の私たちに打撃を与える場面が数々ある。例えば最終章。地下室に立て籠る勇魚は、人類が駆逐された洪水の中を、水中に立つ樹木を縫いながら、群れなす鯨が泳ぐ姿を想像する。鯨の鳴き声のテープを聴きながら、「鯨、ですよ」とつぶやく。そのノアの洪水のイメージとは別に、実際には、機動隊の放水により、床の穴から泥水が吹き出てくる。上がってくる泥水の中から、勇魚は、自由への道におけるマチウさながら、自動小銃を連射する。
     特に、ナニモカモチュウブラリンノママデ、ソシテ無ダトイウ認識ガ、ナント広ク自由ナトコロへオレヲ突出シテクレルコトダロウ……という一節に私は感銘を受けた。
    洪水はわが魂に及び (下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:洪水はわが魂に及び (下) (新潮文庫)より
    4101126135
    No.8:
    (4pt)

    破滅を宿命付けられた情熱

    『洪水はわが魂に及び』には、自分の身長がどんどん縮んでいく「縮む男」が登場します。大江さんによれば、「縮む男」は「情熱」を表現しているそうです。自己破壊に向かう情熱を持っていて、内側に向かって爆発する(インプロージョンする)のが、「縮む男」です。この小説に出てくる「自由航海団」の若者たちは破滅に向かって暴走していきますが、「縮む男」はそうした破滅を宿命付けられた情熱を体現しているのかなと思いました。

    「自由航海団」の若者たちは政治的なものに無関係で、自分がやりたいことを自由にやって生きようとします。『芽むしり仔撃ち』に登場する感化院の少年たちも閉鎖された村で一時的に「自由の王国」を建設したので、「自由航海団」の若者たちは『芽むしり仔撃ち』の感化院の少年たちの変奏であるように感じました。『芽むしり仔撃ち』でも『洪水はわが魂に及び』でも、何事にも縛られないフリーダムな状態として「自由」が語られていると思いました。

    「自由航海団」の若者たちと勇魚は、物語のラストで『芽むしり仔撃ち』のように(?)閉鎖状態に陥り、悲劇的な破局を迎えます。しかし、『芽むしり仔撃ち』の「僕」と違って、勇魚は「すべてよし!」と言います。清水徹訳の「シーシュポスの神話」でもシーシュポスが「すべてよし」と判断しますが、これに似た肯定の言葉だろうと思います。
    洪水はわが魂に及び (下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:洪水はわが魂に及び (下) (新潮文庫)より
    4101126135
    No.7:
    (3pt)

    難しい本です

    何度も前に戻って読み返しながら読みました。上巻だけで一月かけて読みました。やっと下巻に入ったところです。
    洪水はわが魂に及び (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:洪水はわが魂に及び (上) (新潮文庫)より
    4101126127



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