(短編集)
憤死
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憤死未遂から復活して振った男を見返すぐらいまで書いてほしかった。ショートケーキの食べ方も前と同じではなく、再生して一口でまるごといくくらいの勢いがほしかったな。 | ||||
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子どもの頃の記憶の中の、うすら怖い心象風景は私にもあるけど、それを虚実ないまぜにして鮮やかに見せてくれるのはすごい作家さんだなぁ。 そこしかない閉鎖的な学校生活で、悪目立ちしないよう、スクールカーストや自分の立ち位置を意識して、こういう風に見られようとキャラを立てたり、移動教室の時一緒に行く子を確保したり、子どももなかなか大変です。 私も人生の折り返し時点をとっくに過ぎて、人からどう思われるか、とか、失敗したらどうしよう、とか無駄なことにエネルギーや時間を使う余裕はないと気付くと共に、人生の経験値からか怖いものもなくなってきて、大人になったな、と感じます。 | ||||
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森見登美彦は佳穂を「俗物」と表現しているけれども、実際はその逆。 俗物からみると佳穂の憤怒は大変滑稽なものに見える。私は冒頭こそ木嶋佳苗みたいなヤバい女きたーーー!とwktkして読んでいたが、佳穂の菅原道真やかつての帝王と比類する怒りに主人公同様感銘を受けてしまった。 現代社会では怒りというのは、押さえ込まなきゃいけないみっともない感情とされており、アンガーマネージメントの対象であるが、中世の欧州社会では男らしい英雄的な感情の爆発のさせ方で、怒ることの出来る女性は高貴であるとみなされていた。 佳穂は中世の貴婦人たちの末裔たる存在で、俗物などではない。むしろその逆で高貴な姫君なのだ。 木嶋佳苗のようなエセレブの印象からジュリエット姫のような高貴な姫君の印象にイメージをびっくり返した綿矢りさは凄い。 | ||||
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『トイレの懺悔室』『憤死』『人生ゲーム』3つのそれぞれのショートストーリーからただの気持ち悪さ以上の感覚を味わえた。それぞれ小学生時代のセピア色の思い出から始り3人の主人公たちと同時に年を重ねたキャストたちが再登場し不気味なやりとりが展開する。『トイレの懺悔室』では、同窓会で再会した旧友が思い出のトイレの懺悔室を乗っ取っていたことを知ることになる。旧友はかつて世話になった管理人の老人を虐待していたに違いなかった。懺悔室に閉じ込められる主人公。肉の脂、白い部分を「指で力いっぱいつぶしたくなる種類の欲望が、子どものころからあふれてきて、止まらない。」と意外な残虐性を一方的に告白される恐怖。底なし沼に落ちていくような主人公の心情を追体験し残骸が心に残された。『憤死』では「ただあの瞬間、身が焼き切れそうな怒りから逃れられればよかったの」と自分の飛び降り自殺未遂を振り返る地域限定お嬢様を見舞う主人公。かつて彼女が飼育小屋で暴れた思い出が蘇り憤死に違いないと確信する。ショートケーキを苺からむさぼる彼女を傍観しながら、皇帝を見上げるような主人公の視線に触れ笑える貧富の差をキャッチし楽しんだ。『人生ゲーム』では2人の親友がゲーム盤に謎の美少年が記したマークに予言されて自殺するストーリーは壮絶でドラマチックな展開だった。主人公は彼らに比べれば淡々と生き延びて孤独なアパートで老後を迎える。引き出しから例の人生ゲームを引っ張り出し一人でやり始めるラストシーン。そこにあの日の謎の美少年があの日のまま現れる。心温まる2人のやり取りが展開する。最後のマークから死の宣告を予見する主人公。しかし死を目前にした一般的な心情をどこかに溶かしてしまう不思議さに何となくうろたえてしまうのだった。積極的にキャッチして欲しいのはそれぞれの衝撃の結末で向き合う主人公の心情だ。飽き飽きした日常からゾワっと飛び出したい人、あるいは時計の針が早回りしていて止まらない日常を何とか力ずくでも逆回りさせたいような、そんな衝動がある人に楽しんで欲しい作品だ。 | ||||
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綿矢さんの他の本も読んでますが、 なんでこんな本出したんですか? 「私こういうのも書けます!書きたかったんです!」的なものですか…? 4編、全部消化不良で、字がでかくてペラペラな本なのに読む気が乗らなくて、全然手が進まなくて、後悔しました。 | ||||
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