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(短編集)
憤死
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憤死の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 1~20 1/2ページ
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憤死未遂から復活して振った男を見返すぐらいまで書いてほしかった。ショートケーキの食べ方も前と同じではなく、再生して一口でまるごといくくらいの勢いがほしかったな。 | ||||
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子どもの頃の記憶の中の、うすら怖い心象風景は私にもあるけど、それを虚実ないまぜにして鮮やかに見せてくれるのはすごい作家さんだなぁ。 そこしかない閉鎖的な学校生活で、悪目立ちしないよう、スクールカーストや自分の立ち位置を意識して、こういう風に見られようとキャラを立てたり、移動教室の時一緒に行く子を確保したり、子どももなかなか大変です。 私も人生の折り返し時点をとっくに過ぎて、人からどう思われるか、とか、失敗したらどうしよう、とか無駄なことにエネルギーや時間を使う余裕はないと気付くと共に、人生の経験値からか怖いものもなくなってきて、大人になったな、と感じます。 | ||||
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森見登美彦は佳穂を「俗物」と表現しているけれども、実際はその逆。 俗物からみると佳穂の憤怒は大変滑稽なものに見える。私は冒頭こそ木嶋佳苗みたいなヤバい女きたーーー!とwktkして読んでいたが、佳穂の菅原道真やかつての帝王と比類する怒りに主人公同様感銘を受けてしまった。 現代社会では怒りというのは、押さえ込まなきゃいけないみっともない感情とされており、アンガーマネージメントの対象であるが、中世の欧州社会では男らしい英雄的な感情の爆発のさせ方で、怒ることの出来る女性は高貴であるとみなされていた。 佳穂は中世の貴婦人たちの末裔たる存在で、俗物などではない。むしろその逆で高貴な姫君なのだ。 木嶋佳苗のようなエセレブの印象からジュリエット姫のような高貴な姫君の印象にイメージをびっくり返した綿矢りさは凄い。 | ||||
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『トイレの懺悔室』『憤死』『人生ゲーム』3つのそれぞれのショートストーリーからただの気持ち悪さ以上の感覚を味わえた。それぞれ小学生時代のセピア色の思い出から始り3人の主人公たちと同時に年を重ねたキャストたちが再登場し不気味なやりとりが展開する。『トイレの懺悔室』では、同窓会で再会した旧友が思い出のトイレの懺悔室を乗っ取っていたことを知ることになる。旧友はかつて世話になった管理人の老人を虐待していたに違いなかった。懺悔室に閉じ込められる主人公。肉の脂、白い部分を「指で力いっぱいつぶしたくなる種類の欲望が、子どものころからあふれてきて、止まらない。」と意外な残虐性を一方的に告白される恐怖。底なし沼に落ちていくような主人公の心情を追体験し残骸が心に残された。『憤死』では「ただあの瞬間、身が焼き切れそうな怒りから逃れられればよかったの」と自分の飛び降り自殺未遂を振り返る地域限定お嬢様を見舞う主人公。かつて彼女が飼育小屋で暴れた思い出が蘇り憤死に違いないと確信する。ショートケーキを苺からむさぼる彼女を傍観しながら、皇帝を見上げるような主人公の視線に触れ笑える貧富の差をキャッチし楽しんだ。『人生ゲーム』では2人の親友がゲーム盤に謎の美少年が記したマークに予言されて自殺するストーリーは壮絶でドラマチックな展開だった。主人公は彼らに比べれば淡々と生き延びて孤独なアパートで老後を迎える。引き出しから例の人生ゲームを引っ張り出し一人でやり始めるラストシーン。そこにあの日の謎の美少年があの日のまま現れる。心温まる2人のやり取りが展開する。最後のマークから死の宣告を予見する主人公。しかし死を目前にした一般的な心情をどこかに溶かしてしまう不思議さに何となくうろたえてしまうのだった。積極的にキャッチして欲しいのはそれぞれの衝撃の結末で向き合う主人公の心情だ。飽き飽きした日常からゾワっと飛び出したい人、あるいは時計の針が早回りしていて止まらない日常を何とか力ずくでも逆回りさせたいような、そんな衝動がある人に楽しんで欲しい作品だ。 | ||||
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綿矢さんの他の本も読んでますが、 なんでこんな本出したんですか? 「私こういうのも書けます!書きたかったんです!」的なものですか…? 4編、全部消化不良で、字がでかくてペラペラな本なのに読む気が乗らなくて、全然手が進まなくて、後悔しました。 | ||||
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他の作品からするとあまり好きではないけれど、話の途中から一気に引き込まれる感じはすき | ||||
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読み始めて、もしかしてホラーかと思いました。「トイレの懺悔室」、これが一番長いですが、すぐに先が読めます、こうはう意外に鈍感で臆病な男はいるな、という気がして、怖いというより、やっぱりね、と思いました。「憤死」はこういう原型はよくあるし、「人生ゲーム」のラストが一番好きで、意外であることがどこかうれしかったです。この内容も面白いのですが、この作家さんの、要所、要所に、「返し針」が確実に入っているような安心感はやはりすごいと思いました。 | ||||
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タイトル作を含む四作品が収録された短編集。 著者の作品は、シリアスであっても、コミカルであっても精神的な孤独感が漂っていて、そこに魅力を感じる。しかしながら、本作品集は、世にも奇妙な物語的なホラー風味のもので(タイトル作は違うか)、期待を外されてしまった。 へんな夢「おとな」、繰り返し風変りなおじさんから懺悔を強要された小学生たちのその後「トイレの懺悔室」、自殺を試みた同級生の今までを回想する「憤死」、子供の頃に遊んだ人生ゲームに絡めとられた人々「人生ゲーム」。 つまらないわけではないが、著者にこういうのを求めてないんだよなぁ。著者の迷走を感じてしまった。 帯に「著者初の連作短編集」って書いてあるけれど、これも??? | ||||
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トイレの懺悔室がとても怖かった。幽霊じゃなくて、人の怖さがある。 最初は地蔵祭りの話から始まる。思い出話かと思った。 読み進めて行くうちにわかる、あれこれは普通の小説じゃないぞ、と。 主人公の友人ゆうすけは近所の「親父」を高校生の頃から奴隷として周りにわからないように虐待している。 最終的に主人公に言う「実は親父は風呂場に置いている、動かせない」という言葉。 ゆうすけは親父の家に我が物顔で上がりこむ。家はゴミだらけ、流しからは悪臭がしている。病気をした親父の介護を他人だがボランティアでしているのに、そんな雰囲気はない家。 ぶっちゃけ尼崎の家に上がり込んで家族を破壊していった事件を思い出して怖かった。 高校生なのに、ゆうすけは恋愛や将来よりもジジイの虐待に精を出しているところがもう既に気持ち悪い。 表現も、言い切っていない。何でもない言葉で怖くさせる。これってひょっとしてそういう意味…?という風に。 | ||||
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『トイレの懺悔室』は、作者が書きたかった命題を書き切れていない印象を受けた。 『憤死』は、別に歴史の授業まで引っ張り出して「これが憤死なのだ」なんていちいち言わなくても伝わった気がした。 『人生ゲーム』はありきたりの話だったが、ラストシーンは良かった。 『おとな』(掌編)は、単に生理的に気味が悪く、出鼻を挫かれた。 個人的には『かわいそうだね?』のような勢いや軽快さを感じられず、少し残念だった。 | ||||
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綿矢りさの本を読んでいるといつも自分に刺さってくる表現がある。感性がすごいと感動するんである。 今回の本では憤死の自殺未遂した友人に対する「自分の命に八つ当たりした」という表現が刺さった。視点が違うと思った。私は精神科方面に関心があり本も読んだが医学者が考えない発想だと思った。 中で一番怖かったのはトイレの懺悔室である。生きた人間で、自分と違う世界に入り込んでそこで生きている人間は怖い。狂気を内包した人間は怖い。隙を見せると牙をむいてくるから。そんな感想をもった。怖い怖い。 | ||||
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どう考えたらいいんやろう。 なんか、難しい内容やった。 でも時間がたつのを忘れて読んでいました。 | ||||
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綿矢りささんの小説は5作目ですが、これは今まで読んだものと(あいまいですみません)作風が違うと感じました。 私が大好きな、勢いのある文体ではないです。 | ||||
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綿矢りささんの短編集。 おとな トイレの懺悔室 憤死 人生ゲーム が収録されている。 冒頭のおとなは毎日新聞夕刊 大阪本社版2012年8月2日夕刊に掲載。 著者自身の昔の記憶について。いや問題ありすぎだろ。 近所の夫婦!!と思った。 残りの作品のトイレの懺悔室と人生ゲームは世にも奇妙な物語の雰囲気と似ている。 人生ゲームに至っては終盤に既視感があったのだが世にも奇妙な物語っぽいと思えた。 個人的には人生ゲームが面白かった。 憤死は過去と今、心理描写中心の作品。純文学らしい作品でした。 | ||||
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短編初挑戦らしく、新鮮であった。短編は、それなりの流儀がある、 しかし、綿矢りさは、長い短編と短い短編とデコボコの短編集を世に 出した。それはそれで評価できるのかもしれない、が、作風の統一感 がどうもいただけなかった。 本人が、トワイライトゾーンやミステリーゾーン的な物語を描いてみ たかったと言明していたが、なるほど、あり得ない恐い話が満載だ。 ひょとしたら、綿矢りさは、こういう話がお似合いなのかもしれない。 小泉八雲、ラフカディオハーンのような作家の生まれ変わりなのかと 妄想したくなる一冊であった。 | ||||
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大昔、柴田恭平と誰かさんのダブルキャストで劇「悲しみのキッチン」を見たことがあります。 その時、役者たちは「僕たちはこんなに頑張っています。」というのが前面に出て閉口したことを思い出します。 これもスランプを脱して「こんなに創作活動をしています。!」と押し付けられている感じがします。 確かに「ひらいて」「しょうがの味は熱い」は秀作でした。 作者が新しい方向を模索しているのはわかりますが、もっとそぎ落とすことがで来たのではないかと思います。 などと偉そうなことを書いてしまいましたが、一気に読めて面白かったです。 多分こんなレビューを書くのは今までと余りに方向性の違いを感じたせいでしょうか。 また、相変わらず文字の大きさと紙の厚さで稼ぐのはやめてほしいです。 | ||||
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かわいそうだね?の次に読みました。 内容は短編集でした。 それぞれに良い内容でした。綿谷さんの独特の感覚、価値観、感受性という所が随所に見られたと思います。 素直にこのような内容を書けるのはすごいなあ、と思いました。 特に、出てくる人物の青年時代の描写、出来事、お祭りとかが心に響く、すごく懐かしい感じがしました。 しかし、最終的には怖い内容になる・・・おお、ちょっと怖いなあ、と思いました。 これを長くしてくれたら絶対映画になるぞ、と思いました。トイレの懺悔室?でしたかね? 最近の小説では、綿谷さんが一番好きですね。 むかーし、蹴りたい背中?でしたかね。凡人には内容が理解しがたい、難しいなあ、と記憶がありますが、憤死は私にも分かりやすく、書いてくれているなあと思ってます。 次作も是非買いたいですね。一冊長編で書いてくれたら、もっと濃い内容になるだろうから、それを勝手に期待して待っています。 | ||||
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大好きな、綿谷りさ ほとんどの作品を読んでいますが。 この作品はいままでと違いすぎるし、作風がりさちゃんにはあっていないと感じました。いろいろな話にチャレンジしているのは分かりますが・・・・ | ||||
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著者の作品にしてはひさびさに読めた感のあった作品。しかしここまでか。 | ||||
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トイレの懺悔室は、低級なホラーに近い。親父は子供を懺悔させたところで、キャラクターとしては使い捨て。ゆうすけは特に掘り下げられもしない、お粗末なキャラクター造形。ストーリーはもう少し伏線を張れよ、と言いたくなるレベル。狙いは、単なる怖いお話ではなくて、懺悔の欲求が人間の心理を歪めるところだろう。しかし、キャラクターと舞台装置のチープさで、娯楽映画のような仕上がりだ。残念。 憤死は、一般的な観客から見える無価値なAが、別の視点からだと価値のあるBに見えるという内容。町内会長が象徴的だが、世間から佳穂に対する視点と、気づきが含まれた「私」からの視点。後者の視点によって佳穂は救済されるわけだ。この話は読んでいても、それほど面白くない。エピソードが佳穂だけの一人芝居で「私」は観察者であり続ける。絡みがないので、ストーリーに膨らみがなくて、とてもつまらない。 人生ゲームは、3流ドラマのようなアイデアから出発している。この仕掛けのせいか、話の構成がせせこましく、ひどく説明的で説教臭い。読み終わって、うんざりした。 | ||||
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