遠い山なみの光
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一気に読みました。完全に理解できていないので、しばらくして再度読み返します。戦後の日本の話ですが、英語から日本語への翻訳なので、不思議な言葉使いです。 | ||||
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舞台は敗戦後の長崎。 古典的な日本女性の代表の様な優等生的の主人公。 妙にとがった、先鋭的で自立心の強い謎の隣人女性。 対象的な2人に、読者はかすかかな不穏さと違和感を覚える。 だがそれは漠然としていて、深海の底に静かに潜んでいる。 ラストの章で静かに明かされる事。 それはあまりにさりげなく描写されているので気付くのに、一拍遅れるのだ。 だが、その衝撃はじわじわと読者の中に広がっていく。 男性優位社会で、戦後の女性達が何者かになろうともがく。 それは静かに確実にそこにあり、一気に臨界点を超える爆弾なのかもしれない。 元は「女達の遠い夏」を「遠い山なみの光」に改題している。 女達にとって、光はまだ遠いのか。 掴める光なのか。 Audibleで聞いたが、朗読者が素晴らしい事を追記しておきたい。 特に、さりげなく「明かされる事」の表現が秀逸だ。 | ||||
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カズオ・イシグロ氏の作品、私はこれで二作目です。 私は前回『私を離さないで』を読み、そのディストピア的雰囲気と他人の為に命を供することを運命づける命、という存在に、意識のある家畜などを想起しました。まあとにかく、その設定に魂消た。 そして今回の作品も実は原作は40年前となかなか古め、そして不穏さがプンプン漂う中、釈然としない終了。模範解答が示されない! 友人知人に解釈を聞いて尋ねたくなるような展開でした。 【不穏①自殺した娘、景子】 本作は長崎時代の悦子と老年(50代後半)の悦子の状況が、行き来しつつ展開します。 冒頭では英国に渡り再婚した悦子から始まります。どうやら日本から連れてきた長女景子は自殺してしまった模様。他方英国に来てからの再婚後の子である次女ニキ。彼女と母の母娘の関係はもとよりニキと景子の姉妹関係もどうもしっくりいっていなかった様子。 こうした中、一体どうして景子が自死を選んだのかは明かされませんでした。英国が合わなかったのか、母との関係が良くなかったのか、或いは日本人の父親との間に何かあったのか等々、個人的には色々勘繰りました。一体どうして? 【不穏②再婚の経緯】 語り手である悦子が英国にて再婚したことは状況から分かります。でも、経緯については一切語られません。今現在、英国人の夫も亡くなり、その資産を受け継ぎ田舎に引っ込んでいるという事だけが分かります。 来し方を振り返り、戦後の結婚当初の日本人夫そして義父については振り返りますが、この英国人の夫については詳細が分かりません。こちらはどのような背景があったのかは全く分かりません。一体何があった? 【不穏③佐知子と万里子親子はいったい】 アメリカ人の情婦と思しき佐知子とその子である万里子(純ジャパ?)。 悦子が景子を亡くし、その後かつての長崎を想起する際、この母娘を思い出します。この佐知子・万里子親子は、没落貴族?のような風であり、プライドも高く、特に母は虚言癖の如く、米国人情婦のフランクとともに母子ともども米国へ移住すると何度となく悦子に告白(自慢?)します。 佐知子によるオオカミ少年的繰り返しの何度目かで、娘万里子が可愛がる猫がアメリカへは持っていけないと分かった万里子は、母親の反故にした点を佐知子にねちねち言ったところ、母親はとうとう猫を川に沈めて殺してしまった!?なんだこの母親!? 読者として、そんな病的な行為を後々振り返って考えると、実は英国での悦子というのは佐知子なのでは? そして英国で自殺した万里子とは景子のことでは?等と想像してしまいました。つまり佐知子は長崎でしった悦子(本物)を英国で思い出していた!?とか。 あるいは猫殺しやフランクへの執着から佐知子・万里子母娘の不仲が想定されましたが、実は景子とは佐知子から引き取った万里子のことで、悦子が英国へ連れて行ったのか等を想像しました。では長崎で孕んでいた悦子の子供はどうしたんだってことにもなりますが。 いずれにせよ、行間の広い、そして不穏な空気が美しく文語チックに描かれる様が美しい作品でした。 ・・・ ということでイシグロ作品二作目でした。 今回は翻訳が非常にすばらしかったのですが、原典でも(お値段安かったら)読んでみたいなあと思いました。 純文学好き、英国好き、長崎好き等々にはお勧めできる作品です。 | ||||
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はまらない方のイシグロカズオでした…私の人生経験か何かの不足です。人生頑張って出直します。 | ||||
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敗戦後の長崎。原爆の暗い影とそこから立ち直ろうする街。長女の自殺や結婚の意思が不明な米国人の彼。そんな中でも力強く生き抜こうとする女性達の強い意思を感じました。 作者はほとんど英国で育ちながら古き良き時代の日本を感じさせる文章でした。 | ||||
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