遠い山なみの光
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| 映画をみたのですが、よく理解できず、原本を購入しました。面白かったです。 まだ読み終わっていませんが。 | ||||
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| 悦子という日本人女性が主人公だが、彼女は戦後間もなくの長崎で婚姻し子供をもうけ、その結婚が上手くいかずに離婚して英国人の夫と二度目の結婚をしイギリスに住んでいるという設定である。日本人の夫との娘(景子)を自死で失い、英国人の夫が先立った後にイギリスの田舎で今は一人暮らしをしているのだが、そこに久しぶりに二番目の娘(英国人の夫との子供ニキ)が訪ねてくるのである。悦子は長女の死を思いながら日本居住時の様々な思い出をそこにオーバーラップさせ、今と過去を照らし合わせて回想するというのが大まかな筋書きである。 この小説は会話のやり取りが非常に自然でなめらかである。小説らしい作り物めいた雰囲気がない。一女性の回想が過去の様々な出来事にあらためて意味を生み出している様な『今考えればこういうことであった』という想念を浮かび上がらせながら過去と現在を行ったり来たりするというストーリーである。かつては理解できなかった様々な事柄が今では自然に納得できる、というか今なら分かるという感覚なのである。 過去の記憶として、理解できなかった長崎時代の子持ちの友人女性(佐知子)とのいきさつがあるいは悦子のその後の人生のほの暗さを象徴しているともいえる。何の屈託もなかった最初の子の妊娠時代の青空が今の暗く寂しい人生の夕暮れと、それまでにかかわった人々とのやり取りが重なって今更訂正の利かない人生のエンドロールを見ている様な結末であった。 この小説を読んで川端康成の『山の音』とヴァージニア・ウルフの小説をちょっと思い出した。悦子と最初の夫二郎の父である義父の緒方さんとのやり取りは『山の音』の義父と嫁との関係、悦子の行ったり来たりの想念の流れはウルフの『灯台へ』の意識の流れ文学…でもこれらは見かけだけでおそらくイシグロは説明不要な現実の不条理な世界をそのままに描いたものなのだろう。 確実と思われていた世界が一瞬にして別のものへと変わってしまう不確実性に対して足場を失った人間の虚無感であるとか、頼りにならないものと分かっていて縋ってしまう人の弱さであるとか、守ってやれなかった保護すべき対象への後悔と懺悔とか、分かり合えるはずのない人と人の疎外感とか、この小説にはこんな材料があちこちにバラまかれているけれど、結局最後には何の救いも無いという想定外の結末である。まあそういう事だよね現実の世界は、と思うのであった。ということで、予定調和の無いそれこそ真にホラーともいうべき作品と感じたのである。 どうして二郎と別れたのだろうか?その伏線は会話の端々にはあるのだが、佐知子はその後どうしたのだろうか?佐知子の子である万里子は思わせぶりな悪夢の様に悲惨な最期を遂げたのだろうか?長女の景子はどうして家族と乖離して自死したのだろうか?など多くの疑問には作者は何の回答も用意しない。当たり前の結婚を否定して一人の女性として生きていく次女のニキが不意にロンドンに帰ってしまうというラストで、悦子の想念はそれっきりぷっつりと終わってしまうのである。 こういう小説って内容にかかわらずこれが一番不条理であると思ったりするのであった。つまり、小説の筋書きこそが最も不条理なのであろう。 | ||||
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| 連続でカズオ・イシグロ満喫中。 長崎を舞台にした物語。でもイギリスにいる日本女性から始まる。 途中であれ?と思う。これは、一体誰の話をしているのだ??? となってからが面白い。自分の中での推理と物語の進行とが絶妙のバランスで「こういう読み方が正解だよね」のラインを行ったり来たりする。 英語から日本語訳された日本が舞台の小説なわけだが、あんまり戦後の日本の一般家庭の雰囲気は感じないかな。緒方さんというとても自分のやってきたことを誇りに思うタイプの人(悪い人じゃない)よりも息子の二郎の方が家長制度の権化みたくてなんだか不思議。 カズオ・イシグロの小説って、なんというか透明だよね。臭みがない。著者の痕跡がないというか。においがない。 これもよかった。 | ||||
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| 原作も映画も、へぇーと思う最後でした。 同一人物だったのかと。 彼女は私で、あの子は自分の子 旦那さんとは別れ、アメリカならぬイギリスへ行った。 義父はいて、息子とは全然上手くいっていなかった。 時代の裂け目をまたぐシビアなお話でした。 ただ一つ、過去の常識、倫理が後から完全否定されると辛くてたまらないでしょうね。 昔はみんなが当たり前と思っていた諸々の規範、習俗が否定されると、自分の人生まで半ば否定されますね。 不適切にもほどがある、と。 | ||||
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| Good! | ||||
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