侍女の物語
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侍女の物語の総合評価:
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「女性作家のディストピア小説で、主人公の一人称」だと、レビューが多いわりに辛いなあという印象があります。 たぶん男性なのか、恐ろしくて目を向けたくない人なのか。 最後まで読めば、侍女たちがどんな環境に置かれ、読み書きを禁じられた世界で書いたのかわかるのに。白い被り物の下から伺う生活だけ。買い物だけ。子を産む道具。異端者はすべて処刑。情報を全く知らされない、自分のことしかわからないのはとても恐ろしいと思う。 女性が劣悪な扱いを受けている国々はまだまだありますが、集めて先進国で煮たらギレアドになるのかも。 私も作品世界の社会状況が分からなくてドラマを見ました。視覚で補填するのはおすすめです。 この本の続編の「請願」では、リディアおばがおばになった経緯が知れます。おばは、書いてもよいのです。 | ||||
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ディストピア小説、不愉快、不快、嫌悪・・・なのに次のページをめくってしまう。心理描写が生々しく、胸に迫るものがある。何より驚きなのが、この小説が40年も前に書かれたということ。少しも古くない、むしろ今私たちが直面している、もしくは社会が少しでもバランスを崩せばこのような世界になってしまうかもしれない危うさを持っていることに気づきゾッとする。 ぜひ男性にも読んでもらいたい。 | ||||
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考えさせられる事が多い | ||||
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鴻巣友季子氏「文学は予言する」で詳細に紹介されていたので、読んでみた。著者はカナダ人作家。1985年作。これは典型的ディストピア文学である。近未来(21世紀)の「ギレアテ共和国」~20世紀の娯楽・風俗・大衆文化などはことごとく否定され、階層分化が極端に進んだ社会では特異な宗教儀礼と集団結婚が行われ、支配層(ここでは司令官)の子孫を生むことだけを使命とした「侍女」が配される。「侍女」の語りとして進められるこの物語の筆致は非常に静かで淡々としていて、支配される側の苦しみ・悲しみも、支配する側の喜び・欲求の満足もあまり大きくは感じられない。いや、敢えて「何も感じない」よう自己抑制された社会。私は、よく比較されるであろうジョージ・オーウェル「1984」よりも、カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」を思い起こした。あちらでは「臓器提供のために育てられたクローンの子供たち」、こちらでは「子を産むことだけを目的とされた侍女」~どちらも「ある目的のために支配される身体」。そして今これを読むと、そんなに極端なディストピアにも感じないのである。人権抑圧・女性への性役割の押し付けをアップデートできず、「統一教会」の極端な教義に裏支配されたかのようなこの政権下で生きていると、「これを薄めたら今やな」ということにもなる。勿論、現実社会とは違う極端な空想世界だが、今これを読むというのは、そういう現代をどう捉えるかを抜きには考えられない。少なくとも私はそう読んだ。ちなみに著者は本作でアーサー・C・クラーク賞とカナダ総督文学賞受賞。 | ||||
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主人公の女性は半ば狂ったような状態で、過去と現実と主人公の感想が交錯する夢現の状態であり、 その女性が感じる主観的世界を描いたもので、読みづらく読み切るのにかなり時間がかかりました。 映像的な美しい世界で、私でも気がつくような聖書的な言い回しが随所にあります。 とはいえかなり見落としもあったかと思いますので、解説を入れてほしいところです。 おそらく、平均的な日本人では読み解くことが難しいです。 女奴隷が不妊の主人のために性的に奉仕するというのは古代ではあったことでしょうし、 このシステムのすべての人が真に信仰と善意に基づいてシステムの一員であることを 受け入れて実行することができればそれはそれで良い…ようにも思われるのですが、 小説の中の人々は決してそのようではなく、主人公も含めて欲望とエゴにまみれて歪んでおり、 醜悪に生きています。それが人間が人間であるということなのかもしれません。 ドラマの宣伝では主人公が困難な状況に立ち向かうかのように描かれていたのですが、 決してそんな話ではなく、極限的状態の中で、死にたくない、逃げたい、そして セックスしたいという本能的感情に突き動かされる混乱状態が描かれていると思いました。 続編は読みやすく、よく整理されていますが、あまりにも整理されすぎており、 こちらだけで良かったのにと思いました。 | ||||
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