誓願
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前作『侍女の物語』では完全なる悪役だったリディア小母がそうならざるを得なかった酷い拷問の日々が描かれる。あれに屈しない人間がどれほどいるだろうか?彼女は彼女なりに、酷い状況下で出来うる限り女性を守ろうとしたし、命をかけてギレアデへの復讐を果たした。彼女のしたことは決して許されないけども、そんな事言ってられないのが法もあってないような独裁国家。 独裁国家、軍事政権のダメさもよく描かれている。疑心暗鬼、汚職、密告、不当逮捕、リンチ、偽証、が横行し、やがて政権は脆くなり虐げられた民衆からのクーデターがおこったり外国から総スカンくらうのは必須。 | ||||
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読みやすくて簡単です。聖書の表現もきちんと注釈が入っているし、 出てくる登場人物が全員都合よくつながっていて、わかりやすい世界観だと思いました。 ただ、前作の続きとして書く必要あったのかなあ…。あまりにもわかり易すぎて 余韻を残して終わった前作があったことが惜しいように思いました。 前作の良かったところが一つ一つは宗教的に美しくも正しい思想を積み重ねていくと全体として 正しくなくなってしまうという不可解さや難しさを被害者の主観だけから描いていたことだと 思うのですが、これは、ただの子どもと老人の冒険活劇になっちゃっていますよね…。 勧善懲悪的なのも惜しいなと思いました。別に宗教国家だから汚職があるわけでもないわけで いつの間にかわかりやすい汚職の問題にすり替わっちゃってるのが惜しいなと思います。 | ||||
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ドラマから入りましたが、前作、侍女の物語より、構成も読みやすく希望が見えて面白かった。 前作は、結構きちんと読むのに労力を要したが、こちらの方がすっと頭に入った。 この手のフィクションで面白い本がなかなかないなーと思える昨今、久々に長編ながら引き込まれた一冊。 | ||||
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「誓願」とは、ざっくりいうと「修道院に入りたい」という人の申し込み、みたいなものかと思います。 原題は「テスタメント」なので「新約聖書・旧約聖書」のタイトルからとったのかもしれません。 「約」は「神様との約束」だったかと。 本作では「小母」を目指す若い女性がでてくるので、そちらに寄せたのかもしれません。 そして怖くて大嫌いだけどリディア小母がめっちゃいい味だしてます。 前作「侍女の物語」は1990年代の初めに読みました。 それから30年以上たって、ドラマ化され夢中で一気見。 鬱展開で胸糞なところもありましたが、本作はドラマを見ていた間に続編が出たと知って、気になっていました。 電子版でもいいやと思って購入。やっぱり一気読みしてしまいました。 前作のシンボルカラーが赤としたら、「誓願」は緑と青。 読み進めると衣装の「色」の意味を思い出して「なるほど~」とうなりました。 ーーーちょっとだけネタバレーーー Huluのドラマは前作「侍女の物語」と、「誓願」の間を補完してくれるような部分があったと思います。 ドラマのエピソードはかなりオリジナルストーリーかもしれませんが、本文のわずかなところからふくらませているところもあったと思います。 ディストピアものだから絶望も深いけど、救いと希望があります。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 自分のことを書きますが、プロテスタント系の学校で聖書を学ぶ機会がありました。 ほんのさわりを勉強しただけですが、自分でただ読むより今となっては「知識・教養」として触れることができてよかった。 先生は牧師様のお仕事もされているのですが、こういう機会がなければ生涯、宗教者のお話しを聞くこともなかったと思います。 必修なので単位を取るためだけに出席している学生が、退屈になってちょっと騒がしくなったとき、先生がイライラされた様子になったとき、とつぜん 「神はいるんです!」と叫ばれたことがありました。 ほとんどの学生は信仰とは無関係なので「いますと言われても・・・」と戸惑いますが、私はそれがすごく印象に残っていました。 宗教に対してたとえ深い理解は得られなくても、若い時の経験がこの作品を読むにあたって、おぼろげにでも背景を想像する助けになりました。 ギレアデは「支配」「統治」のために「神」「宗教」「信仰」をうまーく利用しているので、そこはすごいなと思いました。 また、女性の人権について、前作と同じく深く考えさせられました。 人権無視な表現がいっぱいあって「うわ!もう無理」というところもありますが、女性たちが決してひるまず、弱者で終わることなく人生に挑んで闘う姿勢には勇気をもらえます。 この作品だけでも充分面白いですが、ぜひ、「侍女の物語」もあわせて読むことをオススメします! ドラマを先にみるとイメージがつかめて読みやすいかも!! | ||||
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なんとまぁ! 34年も経って、ある物語の続きを書こうとか、なんてこった。 私自身、年齢を重ねるごとに、読書の傾向が変わっています。 少年少女文学集の探偵シリーズやドラえもんのような空想世界から始まり、多感な(笑)10代20代前半は幻想文学やら純文学を拗らせ、疾風怒濤の20後半、30代はSF、ファンタジー、歴史に現実逃避し、今40代の入り口に立って、現実の世の中には悲しいことも辛いことも山ほどあるので、ハッピーエンドの話が読みたいと思います。 文筆業ならなおのこと。 これまでのアトウッド女史の34年の人生が、作品に強い影響を与えていると思わずにはいられません。 『侍女の物語』は、不条理で、抑圧と諦めの中に一筋の希望というか、怒りと熱情が入り混じった物語でしたが、続編の『誓願』は、崩壊の足音の先に見える自己犠牲と、信念と、人は何のために生き死すべきかという希望の物語だと思いました。 前作は閉じた物語で、後作は開かれた物語だ。という感想を書かれていたレビュアーさんがおられますが全くその通りと納得しました。 意地悪を言えば、前作のほうが、よりセンセーショナルで実験的で力強く、後作はご都合主義でハッピーエンドで説教臭いかもしれませんが… でも私は『誓願』が読めてよかったです。 希望の見えない時代だからこそ、希望をもって歩みたいから。 | ||||
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