(短編集)
老いぼれを燃やせ
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最高!!もうなんというか、一線を超えた面白さに呆然としてしまうようなスゴイ短編集でした。老いと復讐をテーマにした短編集。と言うと、どんな取り合わせだろう?と感じる人も居るかと思いますが。老人はやはり一般的には弱者であるし、復讐者もかつては極度な理不尽に屈せざるを得なかった人間ではある訳で。「侍女の物語」しか読んだことは無くても、社会が不当に弱者を抑圧して搾取することを見逃さずに告発するアトウッドが旺盛かつ偉大な批評家精神の持ち主であることは明白ですから、著者が円熟の境地で老いを、そして復讐を描くのは必然と感じました。そしてこれがアトウッドの魅力だと思うのですが、ただ抑圧されるだけの弱い人間を描いてるワケでも無いのです。というか強い。そして強か。老人も復讐者も登場人物がみな手加減の無い辛辣さを発揮し(もちろん知性の発露でもある)、俗物さ加減も遺憾なく発揮。とにかく人間臭いのです。この卑近さ加減だけ追いかけて読んでも大満足出来るほど、登場人物に対しても容赦の無い視線を注ぐ作家のスタイルにも魅了されました。老いと復讐をテーマにしつつ、どこか軽妙さを湛えており、悲愴さなどまるで漂わせない登場人物たち。熱く語ってしまいましたが、この本はとにかく面白いのです。そうそう。あと訳者の鴻巣さんの翻訳も素敵です。まず読みやすさで物語に引き込んでくれるのに、それだけでも無い。喚起力があると言いますか、語り手が、自らの毒のあるユーモアに自家中毒を起こして片頬をゆがませている表情まで思い浮かぶような文章。その語りはさらに凄みを増し読者を深い場所へ連れていきます。短編で読み易く、面白いのに、重厚なモノを読んだという満足感は間違いなく得られます。読後の感想を一言で言うと定価3080円はお得!!というモノで、つまりこの本は傑作です。 | ||||
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