ターングラス 鏡映しの殺人



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    初公開日(参考)2024年09月
    分類

    長編小説

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    ターングラス: 鏡映しの殺人

    2024年09月19日 ターングラス: 鏡映しの殺人

    1881年イギリス、エセックスのターングラス館で起こった毒殺事件。事件解明の鍵は、館に監禁された女性が持つ一冊の本にあるという。一方、1939年アメリカ、カリフォルニアでは推理作家が奇妙な死を遂げる。彼は、死ぬ間際に58年前の毒殺事件の物語を書いていた。(「BOOK」データベースより)




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    No.1:
    (4pt)

    この物語は"女衒"のように私に付きまとう

    本書は二つの物語から構成されています。
     「エセックス篇」。1881年、ロンドン。医師のシメオン・リーは或る理由からエセックス沿岸のレイ島にある<ターングラス館>で暮らすオリヴァー・ホーズ司祭を訪ねます。彼はシメオンの父親のいとこですが、五日前から体調不良で伏せっており、誰かが自分に毒を盛っていると語ります。そして、複数の変死体が発見されていきます。その真相はいかに?
     「カリフォルニア篇」。1939年、LA。映画俳優を目指しているケン・コウリアンは作家オリヴァー・トゥックが主催するビーチ・パーティに参加しますが、その屋敷は<ターングラス館>と呼ばれ、ほぼ全体がガラスでできていました。オリヴァーの父親は現在のカリフォルニア知事であり、ケンは二十五年ほど前にオリヴァーの弟・アレグザンダーが誘拐されて殺されたことを知ります。そして、その後オリヴァーが<ターングラス館>の書斎塔で死体となって発見されることになります。その後の経過はいかに?
     <テート・ベーシュ>をどう理解するか?或いは、メビウスの環のようにいかに二つのストーリーが循環するのか?いわく言い難いアーキテクチャが施されていますので、これ以上語ることができません。
     完成度という点では「エセックス篇」が優れていると言えますが、「エセックス篇」は「カリフォルニア篇」があってはじめてその輝きを得ていますので、どちらがいいか?という問いかけはやはり無意味なのでしょう。
     そして、最大の美点は、「エセックス篇」から「カリフォルニア篇」を読み終えた後、読者は再度「エセックス篇」へと舞い戻ることになります。
     この物語はいつまでも断ち切れない"女衒"のように私に付きまとう(笑)。
    ◾️「ターングラス 鏡映しの殺人 "The Turnglass"」(ガレス・ルービン 早川書房) 2024/9/23。
    ターングラス: 鏡映しの殺人Amazon書評・レビュー:ターングラス: 鏡映しの殺人より
    4152103620



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