毒花を抱く女
- 北欧ミステリ (199)
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
毒花を抱く女の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初はミステリーのミの字もない、ただのサクセスストーリーのように感じるかもしれないが、話が進むにつれて主人公の背後に潜む闇を少しずつ感じ始める。「もしかしたらあれも…」と、だんだんと深くなる闇に、読めば読むほど止まらなくなる一冊。 「深淵を覗くとき、また深淵もこちらを覗いている」というニーチェの言葉は有名だが、その言葉がとてもぴったりな作品と言えるだろう。 二部作での構想とのことで、まだ明らかになっていない謎もあるが、一作目でここまでの読み応えのある小説を書ける作者ならば、一作目を超える大どんでん返しを期待できるだろう。 そんな期待も込めて星5のレビューを付けさせてもらいたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
同じく北欧ミステリ・ミレニアムのような社会派ミステリシリーズの第1作目です。登場人物は皆あからさまに怪しく、ドリフのコントのように「サラ、騙されてるよ!」って教えてあげたくなります。個人的には読みやすく、ネットの地図機能を用いてガタン(通り)やお店をチェックするとより臨場感が出ます。とりあえず怪しい登場人物のうち、1作目の黒幕的な人は特定されますが、序盤からじわじわという感じがクライマックスで、唐突過ぎな感じがしました。1作目でしっかりとした説明が無かった2作目以降に期待でしょうか。いずれにしてもこのような社会派のミステリは北欧っぽいな、と印象ですし、嫌いじゃなく日本にも世界的に読まれる社会派のミステリが撃生まれないかな、と。音楽もそうですけど、ミステリ界もガラパゴスかなぁ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「毒花を抱く女」(ルイース・ボイイエ・アブ・イェンナス 早川書房)を読み終えました。 舞台は、ストックホルム。主人公・サラは、1年前のレイプ事件、数ヶ月前の父親の事故死という過酷な経験を乗り越えようと田舎町エレブロを出て、スウェーデンの首都ストックホルムで新生活を始めます。彼女は軍で将校訓練に参加し、ウプサラ大学で学び、優秀な成績を修めたにも関わらず、いい仕事につけずにいて自信を喪失しています。しかし、勤務先のカフェでひとりの女性・ベラに出会ったことにより運命の歯車が好転していきます。そして前向きに生きようとした矢先、彼女に向けて、或いは彼女の周辺で奇妙な出来事が頻発し始めます。屋根裏部屋で男に襲われ、事故死したはずの父親から電話があり、知らない人からインスタのアカウントに入浴中のサラの写真が投稿され・・・。果たしてそれは現実なのか?PTSDがもたらす妄想なのか?サラは父親が残した新聞、雑誌の切り抜き記事によって、父親の死に疑問を持ち始めます。果たして、そこには国家ぐるみの<陰謀>が隠されているのだろうか? <訳者あとがき>によるとシリーズ三部作の一作目だそうですが、前半は、ストックホルムの街と現在がアクチュアルな視点から描写されいて楽しめた一方、物語の進展が遅く、少し退屈でした。三部作とは言え、これだけでも一つのスリラーとして完結はしています。但し、サイコ・スリラーとしての新味はなく、醸成されるサスペンスもかなり弱いと言っていいでしょう。或る意味、仕掛けられた伏線を含めて読者の想像の範囲内に留まっている印象があるような気がします。ストーリーにおいては、今回未消化の部分もかなりあって、それはこれから出るであろう二作によって爆裂するのかどうか?心を喪失しているように思えるサラが、後半から少しずつ覚醒し始めますが、本当の活躍はこれからということになるのでしょうね。 サイコ・スリラーとしてよりもむしろ「欺瞞と背信行為」というもう一つの国家レベルでのテーマがとても魅力的です。そういう意味では、ノンフィクションではありますが、2020/7月に読んだ「スティーグ・ラーソン最後の事件」(ヤン・ストックラーサ)からまるでスピンアウトしたかのように思える内容がこの一作目の"Sequel"の中で明らかになり、「ミレニアム三部作」とは言わないまでも、よりエキサイティングなものに変貌していくことに期待したいと思います。キー・ワードは、「スティーグ・ラーソン最後の事件」同様、オロフ・パルメ元国家元首、スウェーデンの国家ぐるみのスキャンダルへと収斂していくのかどうか? また、そのテーマとして#MeToo、フェミニズム、悪しきショーヴィニズムへのアプローチも感じられましたが、(私は)今回は現実世界への「媚び」を疑い、未消化だったと思いました。 期待値を評価に加えるべきか否か悩むところですが、「たとえトラブルに巻き込まれるリスクがあっても、正しいことをする勇気を持たなければならない」というサラの父親・レンナットの言葉がその"Sequel"を通じて全うされるのであれば、とても素敵なことだと思います。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 3件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|