警部ヴィスティング 悪意



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初公開日(参考)2022年03月
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長編小説

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警部ヴィスティング 悪意

2022年03月04日 警部ヴィスティング 悪意

2021年「このミステリーがすごい!」海外編第7位、2019年英訳北欧ミステリ最高賞「ペトローナ賞」受賞の、国内外で大人気のミステリ「警部ヴィスティング コールドケース・シリーズ」第3弾をお届けする。 二人の女性に対する暴行・殺人・死体遺棄の罪で服役中の男が、第三の殺人を告白した。殺害した二人の女性と同時期に失踪したもう一人も自分が殺したという。 21年の禁固刑を言い渡されていたその男トム・ケルは、死体を遺棄した場所を自供する見返りに、世界一人道的だと言われるハルデン刑務所への移送を要求した。 ケルが供述した遺棄現場はラルヴィク警察の所轄区域内だった。主任警部ヴィリアム・ヴィスティングらが厳重な警備態勢を敷くなか、国際犯罪捜査局のアドリアン・スティレルや弁護士とともに、ケルが現場に到着した。 ケルには手錠と足枷がつけられていたが、二度も転んだため足枷が外された。自由を得たケルが一瞬の隙をついて走り出すと、直後手榴弾が爆発した。多数の警察官が負傷し混乱する中、ケルは姿を消す。 爆風に吹き飛ばされる直前にヴィスティングが見たのは、森へと走り去るケルだった。 過去に残虐な犯罪を繰り返してきたケルには、アザー・ワン──共犯者がいるとされていた。今回の逃亡にもその人物が関与したと確信した警察は、二人の行方を追い始めた。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

警部ヴィスティング 悪意の総合評価:8.17/10点レビュー 6件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

派手な物語になったが、その分、深みに欠ける

ノルウェーの大ヒットミステリー「警部ヴィスティング」シリーズの第14作、邦訳では4冊目。解説によると「未解決事件4部作」の「カタリーナ・コード」、「鍵穴」に続く第3作である。
二人の女性を虐殺して服役中の男トム・ケルが、人道的だと言われる刑務所への移送を条件に第三の殺人を告白し、死体を埋めた場所に案内するという。警備の警察官、弁護士らが立ち会い現場に到着したケルは手足を拘束されていたのだが、足場の悪い森の中で何度も転倒したため足かせだけは外された。すると一瞬のスキをついて逃げ出し、追いかけた警察はブービートラップによる爆発で負傷者を出しただけでなく、まんまと逃げられてしまった。ケルの犯行には正体不明の共犯者「アザー・ワン」がいるとされていて、今回の事態もアザー・ワンの関与が疑われた。大失態を犯した警察はヴィスティングを中心に必死でケルを追いかけるのだが、まんまと裏をかかれ足跡をつかむこともできなかった。ヴィスティングたちはわずかな可能性を求めてアザー・ワンの割り出しに注力する…。
冒頭の派手な爆発から始まり最後の流血戦まで、北欧警察ミステリーの枠を外れてはいないが、これまでのシリーズとは異なるアクションたっぷりの物語である。アザー・ワンの正体が判明しそうになるとどんでん返しがあり、なかなかスリリングな展開で飽きさせない。ただ、その分だけ事件の背景やキャラクターに深みがない。
読みやすさはシリーズの中では一番で、シリーズ未読の方、北欧警察ミステリーに慣れていない方にもおススメできる。
これは作品の出来とは無関係だが、読みながら頭に浮かぶヴィスティングのイメージと表紙のイラストとの違和感がさらに強まったのが残念。何とかならないものか(苦笑)

iisan
927253Y1
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No.5:
(5pt)

真の悪人は・・・

刑事ヴァランダーに劣らず、クライマックスが凄くなって来ましたぁ~~~!! 前作「鍵穴」に続き、父親ヴィスティングは、またもや娘を窮地に立たせ、死を覚悟するほど・・。文中で、真犯人は「利他的で謙虚な人間を装い、自己中心的な動機を隠す事に長けた人間・・」と書かれているが、今の国会議事堂には、この様な奴はウヨウヨいるぞ・・「逮捕」!!
警部ヴィスティング 悪意Amazon書評・レビュー:警部ヴィスティング 悪意より
4094070915
No.4:
(4pt)

凶悪犯逃走! 翻弄される警察

今回はいきなり服役中の凶悪犯の逃走劇から始まる。
連続殺人事件の受刑者が別件事件の死体遺棄場所を告白すると欺いて、その現場で周到に準備された逃走を成功させたのだが、もちろん警察にとっては大失態であり、現場責任者として主人公が追及されることになる。
実はこの逃走劇は、未解明事件担当のあのスティレル刑事が共犯者「アザー・ワン」the other one逮捕のために仕組んだものだったのだが、結局、まんまと裏をかかれてしまい、スティレルは主人公と協力して捜査にあたることになる。
物語はこの警察の大失態から始まる異色の展開で、謎の共犯者の巧妙な陽動作戦に主人公らがキリキリ舞いさせられながらもなんとか解明を進め、最後はあっと驚くどんでん返しの結末となる。

捜査のディテールがリアルで説得力があるのは他のシリーズ同様で、ミステリーの手に汗握る推進力もよい。
ただ、スティレル刑事のあざとい手法や主人公の娘の捜査への危険な関わりはやはり気になるところだが、著者はストーリーの盛り上げに意図的に用いているようだ。

なお、ノルウェーの刑務所の自由な処遇は有名だが、本書でも受刑者が外部と自由に電話連絡できる(週20分、看守の立ち会いで)ことなどがわかる。
警部ヴィスティング 悪意Amazon書評・レビュー:警部ヴィスティング 悪意より
4094070915
No.3:
(2pt)

細かいところが、、、

甘くて残念。
三作よみましたが、次はもう良いかも、と思う。
警部ヴィスティング 悪意Amazon書評・レビュー:警部ヴィスティング 悪意より
4094070915
No.2:
(5pt)

冒頭の一大アクションから、1ページたりとも目が離せないスピード展開!

本書は、連続少女強姦殺人の凶悪犯の逃走という、まるで大団円のようなシーンで最初の100ページが費やされる。最初から手に汗握る設定である。凶悪犯に付き添い、割りを食う役が、我らが主人公ヴィスティングであり、撮影役を請け負うフリーランスの記者であり娘でもあるリーネが、共に冒頭の一大アクションに巻き込まれるという仕掛けである。

 何者かにより、予め計画されたこの闘争劇には、スタン・トルネード弾までが使用され、複数の警察官の重症者も出る。責任問題と事件の収束と、どちらの責任をも双肩に背負うことになったヴィスティングは、世間の耳目を集めるスキャンダラスな脱獄ショーに続く悪夢のような時間を過ごすことになる。

 事件が起こり、誰が犯人かを見極め、解決に至るという、いわゆるミステリーの定番から大きく外れ、本書はいきなりアクション小説としてのスタートを切り、それらの緊張感を伴うままに、過去事件の真相を掘削するという荒療治を行う、緊張感に満ち満ちた力作なのだ。

 もちろん巻置く能わずのノンストップ・ストーリーなので、最後の最後まで、真相に辿り着くための迷路は続く。緊張を緩めることなく読まされてしまう超娯楽作品の仕上がりと言えよう。

 巻末解説にもある通り、現役捜査官であった作者ならばこそ、およそあり得なさそうなアクションと緊張の連続シーンを、リアリズムとして描き切ることができるメリットは大きいように思う。

 下手をしたら子供騙しに陥りがちなトリッキー過ぎる事件とその行方についても、警察捜査の経験という固い地盤を持つ作者だからこそ、説得力のあるプロットに落とし込めているように思う。

 父と娘と、さらにその幼い孫娘と、だれもが見えない危険に曝されながらのリスキー・ホームドラマの要素を巻追う毎に高めながら、本書でもスリリングなエンディングや、意外な真犯人という結末等々、いつもながらのドラマティックな盛り上げぶりで、安定のエンターテインメントを作り出している。

 映像化してほしいほどにスリリングなアクション作品なので、今後のヴィスティング・シリーズの躍動ぶりにさらに期待したい。本書でも、切れ切れの捜査官スティレルと彼を中心としたハイテクな捜査ぶりには、捜査小説の現代性どころか未来をも感じる。

 また、とりわけスマホやその他オンライン機器、カメラ、動画解析技術等々、ハイテク機器が事件捜査に与える影響や効果は、より加速しているように思われる。今年はWOWOWでも『CSIヴェガス』の新ドラマが始まったが、科学捜査の技術スピードは速い。捜査新技術の作品への導入も1970年生まれの比較的若手作者であるホルストならではの特権と言えるかもしれない。未解決事件四部作最終作にも期待する。
警部ヴィスティング 悪意Amazon書評・レビュー:警部ヴィスティング 悪意より
4094070915
No.1:
(5pt)

高速で輻輳するサスペンス、リバウンドする<Who-Done-It>

「警部ヴィスティング 鍵穴」(2021/3月)に続く警部ヴィスティング・シリーズの新しい翻訳「警部ヴィスティング 悪意」(ヨルン・リーエル・ホルスト 小学館文庫)を一気読みしました。 
 開巻、シリアル・キラー、トム・ケルが未解決のもう一つの殺害を自供する見返りに世界一人道的だと言われる刑務所への移送を要求、被害者を埋めた場所へ警察関係者を案内するところからこのスリラーが開始されます。現場には、警部ヴィスティング、いつものラルヴィク署の刑事たち、国家犯罪捜査局捜査官・スティレル、ヴィスティングの娘・リーネも撮影スタッフとして同行しています。そして、読者にそうなるのだろうな?と思わせながら、現地に着くや、彼は事前に準備したシナリオに沿うかのように様々な手管を弄して、逃亡を図ります。役に立たなくなった手錠、外された足枷、炸裂するグレネード、弾ける9ミリの銃弾。ケルには共犯者、"Other One"の存在が不明のまま取り沙汰されていましたが、果たして彼がこれほどのことをやってのけたのか?いつにも増してストーリーを書けるのは、ここまでだと言っていいでしょう(笑)。
 逃亡したケルは何処に消えたのか?共犯者は、果たして誰なのか?テオ・デルマンの正体は?ヴィスティングとハンメルらによって過去の事件が次第に洗い出されながら、この逃亡事件が新たな犠牲者を生み出してしまうのだろうか?
 多くの謎が輻輳しながら高速で奏でられ、密度の濃いサスペンスが重層し、<Who-Done-It>がリバウンドしながら終局へと向かいます。今までのシリーズ二作以上にエキサイティングな警察小説に仕上がっていると思います。
 また、娘の前では強気で振る舞うヴィスティングの姿とは対照的に、或る「罪悪感」に囚われるヴィスティングは、ヒーローでありながら、等身大の人間としての姿を垣間見せてとても味わい深い。
 そして、ストーリーの肝を語らないように努めるならば、ジャーナリスト・リーナが考察する論文「悪意-動機としての悪意について」がすこぶる興味深く、その先にある自己愛性サイコパスへの洞察もまたこの物語の読みどころの一つなのだと思いました。

 「権威の濫用、征服と服従、他人の意思の支配は悪の温床となる。それと同時に独裁支配への盲信的服従と無批判な忠誠は、平和的な民主主義国家をファシストの独裁国家に容易に変えてしまうおそれがある」(pp.230-231)という一文に、今日、今、この時、海の向こうで戦争が始まってしまったことが実感できてしまうような或る説得力を生み出していることも確かだと思います。それもまた、<Who-Done-It>。
警部ヴィスティング 悪意Amazon書評・レビュー:警部ヴィスティング 悪意より
4094070915



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