平凡すぎる犠牲者



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初公開日(参考)2021年01月
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長編小説

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平凡すぎる犠牲者 (創元推理文庫)

2021年01月09日 平凡すぎる犠牲者 (創元推理文庫)

殺されたのは、アルコール依存症で年金生活者の老人だった。きわめてありふれた事件。捜査にあたるのはベックストレーム警部以下、一癖も二癖もあるソルナ署の刑事たちだ。同じアパートの住人や、競馬仲間と、一筋縄ではいかない関係者にも事欠かない。有力な容疑の一人だった第一発見者の新聞配達人が死体で発見され、捜査は混迷を極める。スウェーデンミステリ界の重鎮、『許されざる者』で5冠獲得の著者の、最新シリーズ第2弾。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

平凡すぎる犠牲者の総合評価:8.17/10点レビュー 6件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

前作よりは面白い

スウェーデンを代表する人気作家の3冊目の邦訳、ベックストレーム警部シリーズの第2作。折り紙付きの無能警部がなぜか難事件を解決してしまう、ユーモア警察ミステリーである。
アル中で一人暮らしの年金生活者の男が殺された。ほかに手すきの警部がいなかったため捜査を担当することになったベックストレームたちは極めてありふれた事件だと思ったのだが、被害者の友人や同じアパートの住人は曲者ぞろいで捜査は思惑通りには進まなかった。さらに、事件の第一発見者である配達員が死体で見つかり、話は複雑怪奇になっていく…。
前作同様、クソみたいな人格欠陥者で怠け者のベックストレームがいつの間にか事件を解決し、国民的英雄になるという法螺話的な物語なのだが、前作に比べると謎解き部分がしっかりしており、ミステリーとして楽しめる部分が多く、これならシリーズとして継続していけるだろう。
ユーモア・ミステリーのファンにおススメする。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.5:
(3pt)

4点は無理

すごく楽しかったが、それでも、3点。
群像劇、風刺劇としては良いのだろうが、スウェーデンの事情を知らぬ我が身としては、イマイチ、ピンと来ない。

なんとか、全部訳本出てほしい。ベックストレームもの、全部読んでみたい。
平凡すぎる犠牲者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:平凡すぎる犠牲者 (創元推理文庫)より
4488192084
No.4:
(5pt)

ベックストレーム、想像の上を行く

年度末で忙しいのに笑わせてもらいました。特に「プッテちん」と「シッゲたん」という翻訳にはびっくりです。主人公がホントにダメなやつなのに楽しく読ませていただきました。
平凡すぎる犠牲者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:平凡すぎる犠牲者 (創元推理文庫)より
4488192084
No.3:
(4pt)

カタルシスと爆笑のあるブラックユーモアな警察官シリーズ第2弾

三作目にしてようやくこの作家に慣れてきた。作家という職業の他に、犯罪学教授、国家警察委員会顧問、など三つの顔を併せ持つ、いわゆる専門家なのだが、そういう書き手による警察小説でありながら、内容はお固いものではない。というより、むしろブラックユーモアという今や廃れてしまった類いの言葉が最もよく似合うのが意外な本シリーズなのである。

 ミステリーの謎解きの味は確実に残しつつも、捜査に携わる実に多様な男女を各所に配しながら、彼らを率いる最悪のボスであるエーベルト・ベックストレーム警部の実に滅茶苦茶な活躍(?)を描くシリーズ第二作が本書。第一作の『見習い警官殺し』では、とにかくDNA検査を限りなく指示し続け一切成果が上がらない同警部の方針にやきもきさせられ冗長なイメージが付きまとった感があるが、本書ではさらに本領を発揮するこのいい加減極まりない主人公に、読者としても慣れたのかな? 周りの警察官たちの個性豊かで楽しい感じも含めて。とにかく、ここに来てようやく、手放しでこの作風を楽しめるようになってきた気がする。

 スウェーデンという国が見せる、文化や人間の多様性は、やはりこの国の小説の見どころなのだとは常々思う。この国に発生する移民の問題や人種差別について、本書では敢えて触れないようにするのではなく、むしろ露悪的までに見せてしまう滅茶苦茶で下品な主人公を描くことによって、読者に現実と向き合わざるを得ないように方向づける、作者のひねりへの意図が感じられてならない。

 もちろん人種、肌、女性への差別心を常備し、モラルという言葉を全く意に介さない、というばかりではなく、直情的で短絡的な思考回路がもたらす彼のバカげた行動や、下心を表に出すというユーモラスで何とも憎めない一面が、ある意味孤高さをまとい、実に現実離れしているのだが、この極端さこそが、実は本シリーズを他と分ける個性と言うべきなのだろう。

 ましてや、肝心のミステリー要素はしっかりとツボを抑えているので、謎解きと捜査の過程は警察小説としても大変面白い。しかしダイナマイトのような爆発力と猪突猛進な判断力を持つベックストレームという存在が、行き詰まる捜査の局面を変えてしまう、あのカタルシスと爆笑があるからこそ、本シリーズは、放送禁止用語でいっぱいのブラックな性格ながら、小気味の良い傑作に仕上がってしまうのだろう。

 最初にヨハンソン・シリーズの最終作『許されざる者』という正当派ミステリーの傑作に接してしまったおかげで、本シリーズの方は、思わぬものを読まされている感は否めないが、そうした作風の幅を売り物にしているのがこのGW・ペーションという作家なのだと、ここに来て覚悟ができた。

 正直、前作では、二作の違いを比べた時に当惑のほうが先に立ち面食らってしまったのだが、本シリーズも二作目にして軌道に乗ってくれた。こうなったらとことん翻訳を続けて頂き、ヨハンソンの過去の活躍も、ベックストレームの今後の悪徳の限りと予期せぬ活躍ぶりも、両者ともに、是非とも読ませて頂きたく思う。
平凡すぎる犠牲者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:平凡すぎる犠牲者 (創元推理文庫)より
4488192084
No.2:
(5pt)

北欧ミステリーを読む醍醐味

北欧というと福祉国家で、男女平等指数も世界トップクラス。おしゃれな人たちが幸せに暮らし、世界中の人が羨望の眼差しでみている先進国、という印象だが、本書を読むと、かならずしもそうではない(当たり前だが)ことに気づかされる。このように日本人の先入観を見事に覆してくれるのが北欧ミステリーを読む楽しみの一つでもある。本書においては、社会的に大問題となっているアルコールの問題が取り上げられ、これに移民やLGBTの問題なども加わる中、風采の上がらない中年男であるベックスストレーム警部が一見何の変哲もない殺人事件を見事に解決するという内容。著者は、犯罪学の権威で国家警察委員会のアドバイザーを長年つとめたとのことなので、少々脱線気味のベックスストレーム警部の怪しい行動も、実際にありそうに描かれている。また訳文もとてもこなれていて読みやすい。
平凡すぎる犠牲者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:平凡すぎる犠牲者 (創元推理文庫)より
4488192084
No.1:
(4pt)

ぷよぷよの中年智天使(ケルビム)

「見習い警官殺し」(2020/1月)に続く警部・ベックストレーム・シリーズの新しい翻訳「平凡すぎる犠牲者」(レイフ・GW・ペーション 創元推理文庫)を読み終えました。因みにベックストレームはソルナ署に転属になっていますが、殊勝にも己が身体を気遣い、アルコールを控え、アロハシャツでウォーキングに励んでいたりします。とは言え、金を好み、エロと「サラミ」をこよなく愛していることには変わりがない(笑)。
 2020/7月に読んだノンフィクション「スティーグ・ラーソン最後の事件」にペーションがカメオ出演していましたが、逆に本書の中では<パルメ首相暗殺事件(1986年)のことが何度か言及されています。「見習い警官殺し」の時にも思いましたが、今回もペーションは犯罪学者としてスウェーデンの警察機構と<警察事件>エピソード("マーガリン暴動"とは?)についての豊富な知識を開陳しながら、そのこと自体がこのスリラーに<目くらまし>のような効果を上げているような気がします。
 今回の事件は、アルコール依存症者の年金生活者・ダニエルソンが無残にも殺害され、ソマリア出身の新聞配達・セプティムスが第一発見者として登場しますが、それはとてもシンプルでドメスティックな犯罪であり、直ぐにも解決されそうな様相を見せます。しかし、犯罪捜査部で起きた別の事件の余波がこの事件に何故か浸透して(具体的に書けないもどかしさ(笑))、ちびでデブで下品極まりないベックストレームが予想外の(まあ、あり得ない(笑))活躍を見せ、尚且つ、本来の事件についても読者を度々戸惑わせながら、<パズラー>としてとても綺麗な<ロジック>を見せつけるようにして大団円を迎えます。
 ソルナ署の署長、アンナ・ホルトを筆頭に、ベックストレームの部下たちもとても魅力的に(ベックストレームから見たらすべてダメ出し、ネガティブ!)描かれています。まともなスウェーデン人は一人も存在せず、フィンランド野郎に始まり、チリ、ロシア、ブラジルからの移民、亡命者で人員が構成されています。私はミステリ以外でスウェーデンについて触れることがほとんどありませんが(IKEAがあった(笑))、それが現在のリアリティなのでしょう。「スウェーデンはどこへ行ってしまうんだ」というベックストレームの嘆きは、国家のアイデンティティの喪失を危ぶむ作者の惑いなのかもしれません。また、今回登場した女性警部補、アニカ・カールソンの存在も大きい。おそらくその存在は、ベックストレームにとってもシリーズにとっても、読者にとっても掛け替えのない存在になっていくのか?どうか(笑)。断言できない所以は、ベックストレームがどう行動するのか私のような「短足の日本人」には読むことができないところにあるのでしょう。
 ベックストレームは下品で、破天荒で、特にその言動は今の時代にとても受け入れられるものではなく、おそらくそれ故にこのシリーズの好き嫌いが決定してしまうことにもなり兼ねませんが、この国にもこのキャラクターに似た「おっさん」たちは程度の差こそあれ、数多くいることは良く知っているつもりです(笑)。そういう意味では、この世の「一部の男は本物のブタ」なのでしょう。
 「翼の折れた、ぷよぷよの中年智天使(ケルビム)」は、「お姫様と王国の半分をもらえる」「竜を殺した者」になれるのかどうか?次なる翻訳を楽しみにしたいと思います。
平凡すぎる犠牲者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:平凡すぎる犠牲者 (創元推理文庫)より
4488192084



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