咆哮



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    初公開日(参考)2021年01月
    分類

    長編小説

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    咆哮 (小学館文庫 フ 8-1)

    2021年01月04日 咆哮 (小学館文庫 フ 8-1)

    ドイツ南部ミースバッハ郡の小さな湖で、厚く凍りついた湖面の下から16歳の少女ピアの死体が発見された。謝肉祭のプリンセスのようなドレスを着て、口の中には数字の書かれたブリキのバッジが押し込まれていた。 第一発見者のクロイトナー上級巡査は自身が手柄を立てようと躍起になるが、ミースバッハ刑事警察署に特別捜査班が立ち上がり、ヴァルナー捜査官が指揮を執ることになる。 捜査が進む中、新たに13歳のゲルトラウトの死体が見つかった。現場はなんとヴァルナーの自宅の屋根の上。 ピアと同じようなドレスを着て、口の中からは数字の書かれたバッジが見つかった。 捜査線上にピアの通う学校の教師が容疑者として浮かぶが、700キロ離れたドルトムントの港で少年の遺体が引き揚げられ、少年の遺体にも少女二人との共通点が見つかって――。(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    咆哮の総合評価:6.43/10点レビュー 7件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
    (7pt)

    粗削りだが先が楽しみな予感

    日本では「弁護士アイゼンベルク」シリーズ2作が先行し、それなりの人気を得ているフェーアのデビュー作。ドイツではすでに8作が発売されて人気が高い警察ミステリー「ヴァルナー&クロイトナー」シリーズの第一作である。
    警察官のカーリング大会会場になる湖を下調べしようとしたクロイトナー巡査が氷の下にある少女の死体を発見した。鋭利な刃物で刺殺された少女は遺体にプリンセスの仮装を着せられており、さらに近くに名前と死亡日時を記載した木の十字架が立てられ、口の中には「2」という数字が刻まれたバッジが残されていた。ヴァルナー首席警部が指揮を執る捜査班は被害者家族への聞き込みから始めたのだが、何の成果も出ないうちに、今度はヴァルナーの家の屋根で新たな少女死体が発見された。第二の被害者も同じ衣装を着せられ、口の中には「72」と刻まれたバッジが残されていた。残虐なシリアルキラーの登場に衝撃を受けた捜査陣は残された証拠を必死で解明しようとするのだが、手掛かりは全く見つからなかった…。
    派手な演出を加えられた死体という、サイコ・ミステリー的な始まりだが、次第に正統派の警察捜査ミステリーになり、最後はワイダニットの謎解きになる。犯行の動機、捜査プロセスなどはやや粗削りで不満が残ろものの、登場人物設定が巧みでヒューマンドラマ的な面白さがある。ヴァルナー&クロイトナー・シリーズと呼ばれ、二人とも警察官なのだが、通常の警察バディものとは違って、二人で力を合わせてとなっていないところがユニークで、この関係は今後の展開に期待を持たせてくれる。
    北欧系警察ミステリーのファンなら十分に楽しめる作品としておススメする。

    iisan
    927253Y1
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
    未読の方はご注意ください

    No.6:
    (2pt)

    難解なコントのような謎のノリについていけなかった(ネタバレなし)

    なんというか、全体的に妙なノリがある作品です。ところどころ日本語として怪
    しい表現があったりするのも妙な雰囲気を色濃くしています。独特なので、この
    ノリが気に入れば楽しめるでしょうし、そうでなければきつい事になるでしょう。

    警察小説なのですが、事件の捜査を行うのは基本ヴァルナーです。クロイトナー
    は冒頭でも死体を発見したり、重要な場面に立ち会ってしまう運命の人、みたい
    なよくわからない立ち位置の登場人物で、どう受け止めたらいいのか悩みます。

    事件と真相についても、まあまあの「だからどうした?」感があり、やたら思わ
    せぶりに感じられた展開からの肩透かし感も強いです。時折挿入される事件と直
    接関係ないエピソードも「これいる?」だったり、合わない作家だと思いました。

    とにかく、色々とちぐはぐで取っ散らかった印象が強く、物語やキャラクターの
    魅力に乏しいので最後まで集中出来ないままだったという感想です。ドイツでは
    並び称されているとの事ですが、個人的にはネレ・ノイハウスの方が好みです。
    咆哮 (小学館文庫 フ 8-1)Amazon書評・レビュー:咆哮 (小学館文庫 フ 8-1)より
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    No.5:
    (2pt)

    金襴緞子

    お姫さまドレスと金襴緞子ではだいぶイメージが違う。エッチな祖父と2人暮らしの冷え性な警部と体力もツキもある巡査が事件を解決する、というのは良いとしても、殺人の動機はどうかと思う。十数年を経て妻の自殺が引き金になったとは言え、そもそも娘の死の原因を作ったのは妻の懇願を無視してのバックカントリーを強行した己な訳で、そんな辺りで男性優位な世界観を表現しているのか、とも思った。
    続編は更に男性に何も言えない女性の話でまぁまぁウンザリした。
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    No.4:
    (4pt)

    咆吼は風の音?

    殺人者の心の中に吹き荒れる音かと思って読みました。最後まで読んでえっと思ってください。
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    No.3:
    (3pt)

    ドイツの人気シリーズ

    ヴァルナー&クロイトナー シリーズの第一作目で2009年に刊行、シリーズは既に八巻出ているようです。
    本作品はヴァルナーが主人公で殺人事件の捜査指揮を執っており、クロイトナーはたまにでてきて、要所要所で良い仕事をするといった感じです。ただまだ第一作とあってキャラクターの良さはあまり感じられません。正直、物語の展開も引き込まれる吸引力はなく、今一つかなと思いました。
    あまり悪い評価ばかりしたくないので良いところも少し。まずは物語の展開はたしかに目を見張るものはありませんが、逆に奇抜で突飛なところがないので安心して読み進められます。不自然な心理的プロファイリングがでるだとか、思い込みで捜査がぶれぶれになるような苛つくことも怠いこともありません。主人公の人格としては誠実に仕事に向き合っており好感が持てます。全体として嫌悪感を抱くような不快な描写もないです。なので今後シリーズを重ねて徐々に味がでてくることを期待するなら、まあ良いかなと言った感想です。
    ただ、特捜部Qやセバスチャン、ヨーナ・リンナシリーズには及ばないかなと思います。
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    No.2:
    (4pt)

    (2021年―第23冊)文字によって“騙られた”真相にまんまとはめられた

    2007年1月のドイツ南部。ミュンヘンよりさらに南のミースバッハ郡にあるシュピッツィング湖の氷の下から16歳の少女の刺殺体が発見される。たまさか発見者となったのは、酔いに任せて湖までドライブしてきたクロイトナー上級巡査。ヴァルナー主席警部指揮のもと捜査班が立ち上がるが、そのヴァルナーの自宅の屋根から別の少女の遺体が見つかる。警察を翻弄するかのように犯行を重ねるのは一体何者なのか……。

    ---------------------------
     すでに東京創元社から『 弁護士アイゼンベルク 』などの邦訳が出ているドイツ人作家アンドレアス・フェーアの2009年のデビュー作です。『弁護士アイゼンベルク』は人間的に深みのある大人の女性が主人公で、なおかつ大都市ミュンヘンのみならず、東ヨーロッパとドイツとの関係が物語に織り込まれた、ヨーロピアンな趣がある秀作ミステリーでした。一方、この『咆哮』は、作者フェーアの郷土である南ドイツの一地方に舞台を限っています。検視官は地元におらず、わざわざミュンヘンから呼び寄せる必要があるほどの小さな街が舞台です。
     犯人の犯行動機は万人の同意を得られるものであるかはやや疑問が残ります。デビュー作というだけあって、スケール的にも深みの点でもまだ若書きであるところがあるのは否めないと感じました。

     とはいえ、決してこのミステリーを楽しめなかったわけではありません。テレビの世界で活躍していたフェーアが、作家に転身するにあたって試みたのは、映像化が難しいテクニックを駆使して読者を欺くことだったようです。もちろんそのテクは決して斬新とはいえませんが、身構えていなかった私はすっかり作者の術中にはまってしまいました。登場人物と読み手である私とでは、その眼に映る事実が大いに異なっていたことの驚きを堪能しました。

     また『弁護士アイゼンベルク』の時にも感じたことですが、ドイツの郷土料理がそこかしこで顔をのぞかせるのも、ドイツ贔屓の私としては大いなる楽しみでした。
     シナモンで香りをつけた星型クッキー《ツィムトシュテルン(Zimtstern)》や《白ビール(Weißbier)》。「小麦ビール(Weizenbier)」といわずに「白ビール」と呼ぶところが南ドイツ的です。
     そして孫のヴァルナーのために祖父のマンフレートがハンガリー伝来の牛肉シチュー《グーラッシュ(Gulasch)》を作る場面に至っては、懐かしい味が口の中に広がりました。
     この祖父がひとくせもふたくせもある男で、孫にしてみれば嫌味なことこの上ない人物として登場しながら、終盤ではどこか憎めない人間臭さや老いの悲哀を感じさせます。なかなかあなどれない人物造詣です。

     3人目の被害者の父親が1998年にイルクーツクから移住してきたドイツ系ロシア人だという点にも目が惹かれました。先日読んだドイツ人作家ネレ・ノイハウスのミステリー小説『 森の中に埋めた 』では、ソ連邦から移住したドイツ系の少年が犠牲になる展開を見せました。ノイハウスとフェーアの両作品に共通するこのロシアからの移民という人々は、スターリンによって中央アジアに追放されたヴォルガ・ドイツ人の末裔を指すのでしょう。そんなところにもドイツの近現代史が見えて、興趣が尽きません。

     巻末の書評家・大矢博子氏の解説も丁寧で、クロイトナー上級巡査は制服外勤組である「保安警察(SchuPo)」、そしてヴァルナー主席警部は私服刑事の犯罪捜査部門「刑事警察(KriPo)」と、所属が異なることを説明してくれています。大矢氏の書評はネタバレのない文章ですから、まずこちらを読んで、主人公二人の警察機構上の相違点を把握してから小説本編にあたるのも手です。

     そして今回も翻訳者である酒寄進一氏の訳業にはうならされました。400頁を超えるこの小説を一度も倦むことなく読めたのも、バタ臭い翻訳調など微塵も感じさせない自然な日本語のおかげです。酒寄氏によってまた新しいドイツミステリーに出会えたことに感謝したいと思います。

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     ヴォルガ・ドイツ人に関する以下の書を紹介しておきます。

    ◆鈴木健夫『 ヴォルガのドイツ人女性アンナ 』(彩流社)
    :18世紀のロシアでは人口増加を目指して外国人の入植が奨励されます。ドイツ貴族の娘であったロシアの皇帝エカチェリーナ二世は外国人誘致を進め、ドイツ西部のヘッセン地方や南部ヴュルテンベルクなどからロシアへの移民が始まります。彼らの主な入植先がヴォルガ地方でした。
     この書は1889年に富農の娘として生まれたヴォルガ・ドイツ人女性のアンナ・ヤウクが残した手記をたどりながら、この特異な外国系ロシア人の運命を描いていきます。

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    咆哮 (小学館文庫 フ 8-1)Amazon書評・レビュー:咆哮 (小学館文庫 フ 8-1)より
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