聖週間



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    初公開日(参考)2022年08月
    分類

    長編小説

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    聖週間 (小学館文庫 フ 8-3)

    2022年08月05日 聖週間 (小学館文庫 フ 8-3)

    聖夜の朝、娘は家族に撃ち殺された――。 クリスマスの朝、人気女優カタリーナ・ミルルートの娘レーニが散弾銃で殺害された。かつての家畜小屋で死体を最初に見つけたのは母親のカタリーナだった。レーニは目を見開き、虚空を見つめていた。カタリーナの心の奥で、何年も抱え込んでいた感情がゆっくりと首をもたげた。 四か月後、復活祭をひかえた聖週間の木曜日、クロイトナー巡査の友人キリアン・ラウベルトが運転する配送車の荷室から、女性の死体が発見された。女性は十数年前、交通事故で大火傷を負い、美しい顔の半分を失った元女優のハナだった。 ハナは古い三階建てのアパートに住んでいた。アパートの居間の壁には様々な役に扮したハナの写真がたくさん貼られていた。どれも写っているのは顔の左側だった。 ところが隣室に踏み入ると、火傷を負った右側の顔の写真ばかりが貼られていた。壁にはハナ以外の写真もあり、全部で百枚近くが貼られていたが、その中にカタリーナ・ミルルートのスナップ写真があった。その写真を壁からはがすと、裏にはレーニが殺された日の日付が書かれていた。 捜査が進むと、家族が隠し続けてきた悲しい真実が明るみに出るのだが‥‥。 フリードリヒ・グラウザー賞(ドイツ推理作家協会賞)新人賞受賞の《ヴァルナー&クロイトナー》シリーズ、第3弾!(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    聖週間の総合評価:6.33/10点レビュー 3件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
    (7pt)

    複雑怪奇な構成だが、動機は平凡かな?

    ドイツ南部の田舎警察の妙ちきりんなコンビ「ヴァルナー&クロイトナー」シリーズの第三弾。新たな殺人事件をきっかけに解決したはずの事件に隠されていた秘密を解明していく、警察ミステリーである。
    今回も、遺体を発見したのはクロイトナー巡査だった。賭けをして一般道を時速150kmで競走していた友人・ラウベルトの配送車の荷室から女性の死体が出てきたのだ。ラウベルトは被害者女性との関係を否定するのだが、前日の夜に女性がラウベルトに何かを見せているのが防犯カメラに映っていた。休暇中だったのだが現場に居合わせてしまったヴァルナー警部が捜査に手を貸す(実際は自分から関わりたがって)ことになり被害者・ハナの家を調べると、パソコンが無くなっていた。さらに、有名女優・カタリーナの自宅や家族を隠し撮りした写真が大量に見つかったのだが、カタリーナは四ヶ月前に娘・レーニが殺害されるという悲劇に見舞われていたのだった。ハナはなぜ隠し撮りしていたのか、レーニの事件との関係はあるのだろうか? ハナの身辺を洗うことからハナとカタリーナには複雑な関係があることが分かり、さらに二人に共通する因縁があるルーマニア人の若い女性が行方不明になっていることも判明し、やがて捜査は解決したとされていたレーニ殺害の真相を暴くことになる。
    犯罪の様態、真相解明のプロセスが複雑で、物語はあちらこちらに広がり二転三転するのだが、最後は平凡な動機で落着するので、ミステリーとしての面白さは期待ほどではない。むしろ、ヴァルナー&クロイトナーという異色コンビのチグハグさ、コミカルなキャラクターの面白さの方が印象に残る。ただそれも、ややマンネリ感が出てきたのが残念。
    あと一歩の感を免れないが警察ミステリーとしては一定の完成度があり、読んで損はない。

    iisan
    927253Y1
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    No.2:
    (3pt)

    (2022年―第110冊)ミステリーとしては出来はいまひとつ。

    2009年のクリスマスの朝、人気女優カタリーナ・ミルルートが、母屋から離れて建つ元家畜小屋で娘レーニの射殺体を発見する。犯人として出頭したのは、一緒に暮らしている義弟のヴォルフガングだった。
     そして4月、復活祭前の聖週間に配送車の荷室から、元女優ハナ・ローヴェルクの遺体が発見される。第一発見者は地元警察のクロイトナー上級巡査だ。
     ハナとミルルート家の間には浅からぬ縁があった。さらにこの二人と関わりがあったルーマニア人女性ソフィア・ポペスクが行方不明になっている事実が判明する……
    -----------------------
     ドイツ南部のバイエルン州ミースバッハ刑事警察署の上級巡査クロイトナーと主席警部ヴァルナーが怪事件の捜査にあたる警察小説《Wallner & Kreuthner》シリーズの第三弾です。『 咆哮 』、『 羊の頭 』と同じく、またしてもクロイトナーが遺体の第一発見者となって、事件が大きく転がり始めます。
     クロイトナーとヴァルナーの二人は、通常の警察バディとは大きく異なり、手を携えて捜査に当たる仲間同士というコンビではありません。というのも、クロイトナー上級巡査は制服外勤組である「保安警察(SchuPo)」、そしてヴァルナー主席警部は私服刑事の犯罪捜査部門「刑事警察(KriPo)」と、所属が違います。また一癖も二癖もあるはみ出しもの的存在のクロイトナーと、厄介な祖父の面倒を見ながら謹厳実直に捜査にあたるヴァルナーとでは、その性格は水と油。さはさりながら、クロイトナーが、かなり無鉄砲なやり口ではあるものの、ヴァルナーの私生活にかかわる案件に、奇妙に手を差し伸べるところがあって憎めません。

     さて、事件の行方は二転三転。しかも、読者を欺き、映像化が困難な形で、物語が緊迫感をどんどん高めていくところは、前二作と同じです。その点では確かに読ませます。ドイツ語圏のミステリーを数多く訳してきた酒寄進一氏の優れた訳文にも助けられ、400頁を超える長編もなんのその、一気に読み終えることができます。

     ドイツにまつわる情報もあちこちに散りばめられていて、ドイツ語圏文化に強い関心を持つ私の心もくすぐられます。
     被害者のハナがドイツ系ロシア人でその血縁者はカザフスタンに住んでいること。ヴァルナーの祖父マンフレートが口ずさむのはハインツ・リューマンのヒット曲「どんなに乙にすました女も俺にかかればいちころさ(Ich brech’ die Herzen der stolzesten Frau’n)」であること。ドイツの謝肉祭のハイライトとなる日を「バラの月曜日(Rosenmontag)」と呼ぶこと。ツィムトシュテルン(Zimtstern)というクリスマスの星型クッキーや、ビーネンシュティッヒ(Bienenstich)というアーモンドをトッピングしたイーストケーキがあること。

     とはいえ、食い足りなさが残ったのも事実です。
     描かれている怪異事件と「聖週間」という舞台設定との間に連関性は特段みられません。復活祭にまつわる仕掛けがされている様子はないのです。また、被害者とその家族に対して肯定的な感情移入をする余地は見いだせず、事件の性格はまったくもって後味の悪いものです。
     そして事件の背景に、一般読者にとって卑近な社会問題や今日的課題といったものが感じられない点も、私がこの小説をあまり評価できない理由です。同じドイツ語圏作家では、フェルディナント・フォン・シーラッハやネレ・ノイハウスのほうが、ミステリー小説を使って今という時代を切り取ってみせるという気概が感じられて、私の好みとするところです。

    .
    聖週間 (小学館文庫 フ 8-3)Amazon書評・レビュー:聖週間 (小学館文庫 フ 8-3)より
    4094070893
    No.1:
    (3pt)

    前二作に比較すると少し物足りない

    「咆哮」(2021/1月)「羊の頭」(2021/9月)に続く「ヴァルナー&クロイトナー」シリーズの新しい翻訳「聖週間」(アンドレアス・フェーア 小学館文庫)を読み終えました。
     聖木曜日。またもや死体を見つけてしまうクロイトナー。そのいきさつが相変わらず破天荒です。殺されたのはかつて女優でもあったハナ・ローヴェルク。そして、その事件は、2009年12月に起きたレーニ・ミルルート殺人事件に繋がる様相を見せることになります。事件は、クリスマス・イブ、女優、カタリーナ・ミルルートの家族が集合し、麗しい団欒になるはずだった夜に起因しています。尚且つ、その事件の犯人は訴追され、事件は解決されたはずでした。ハナは何故殺害されたのか?という<現在>とレーニ・ミルルート殺人事件の本当の犯人は誰なのか?という<過去>が謎として残され、物語は絡まり合うように進行してきます。
     いつものようにダメ警官、クロイトナーによって掻き回される事件。しかしながら、彼の道を外れた(笑)活躍によって、事件解決の道筋が見えてきます。一方、恋人・ヴェーラに寄り添いながら、これまた破天荒な祖父・マンフレートに振り回されるヴァルナーの冷静な判断とその「コントロール・フリーク」ぶりが今回もこのミステリに輝きを与えているように思えます。
     また、ここでも女優・カタリーナを通して(海外ミステリで語られることが多い)巨大な母性に基づく<家族>の悪しき姿が描かれています。直近で言えば、「嵐の地平」(C・J・ボックス)。ケイツ一家の女家長・ブレンダの姿を想起したりもしました。
     総じて、パズラーとしてはどうでしょうか?悪戯に複雑にし過ぎているように思えるストーリー展開がそれなりの<意外性>に辿り着くことになりますが、前二作に比較すると少し物足りなく感じました。ヴァルナーによる謎解きは、分析的で納得がいくものでしたが。
    聖週間 (小学館文庫 フ 8-3)Amazon書評・レビュー:聖週間 (小学館文庫 フ 8-3)より
    4094070893



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