羊の頭



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    初公開日(参考)2021年09月
    分類

    長編小説

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    羊の頭 (小学館文庫 フ 8-2)

    2021年09月07日 羊の頭 (小学館文庫 フ 8-2)

    その日、ミースバッハ刑事警察の上級巡査クロイトナーは、リーダーシュタイン山の頂上を目指していた。全欧警察技能コンテストに向けてのトレーニングの一環だった。 やっとの思いで頂上に着くと、小さな礼拝堂のそばになぜか大きなビール樽が立ててあった。運んできたのは顔見知りの小悪人スタニスラウス・クメーダーだった。 挨拶もそこそこに、クロイトナーは突然気分が悪くなり、頂上を囲む手すりから身を乗り出して嘔吐する。だが、顔を上げて振り向くと、クメーダーの姿が消え、頭部が吹き飛んだ胴体がその場所に横たわっていた。 2年前、クメーダーの恋人が失踪した。クメーダーが殺される前、クロイトナーはその失踪中の恋人の行方を弁護士のファルキングが知っていると聞かされていた。 クメーダーの恋人が失踪した頃、弁護士のファルキングは、20万ユーロに及ぶ大金を義父から借りていた。ファルキングは仕事上の損失を補填するため、インサイダー取引の危険な賭けに出るつもりだった。(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    羊の頭の総合評価:7.50/10点レビュー 4件。Cランク


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    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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    全2件 1~2 1/1ページ
    No.2:
    (7pt)

    フェーア氏の小説な二作目ですが、この雰囲気は何だろう

    独特の雰囲気があります。
    寒さ知らずのところで育った身としては北欧の厳しさがピンときませんが、それでも「厳しい」ということは十分伝わってきます。
    タイトルの「羊の頭」というのが最初分からなかったのですが、これも独特の雰囲気を醸し出している要因ではないでしょうか。
    こういう唯一無二の作風ってきらいじゃないです。

    ミステリーに主体を置いたというよりも、人間対人間、駆け引きですね。
    次の小説も楽しみです。


    ももか
    3UKDKR1P
    No.1:
    (7pt)

    謎解きより人間ドラマに重点が

    ドイツでは大人気の警察ミステリー「ヴァルナー&クロイトナー」の第2作。殺人事件被害者と過去の事件が複雑に絡み合う警察ミステリーである。
    クロイトナー上級巡査は偶然、殺人の現場に居合わせた。被害者は顔見知りの男で、2年前に失踪した恋人にDVを加えていた乱暴者だっただけに、容疑者の数に不足はなかった。しかし、殺される直前に「ある弁護士が、失踪した恋人の行方を知っている」と告げられていたクロイトナーは、自分が事件を解決すると張り切って独自の捜査を進めようとする。一方、ヴァルナー首席警部は被害者の身辺調査から容疑者を絞り込もうとして、2年前の出来事が複雑に関係していることに興味を持った。事件の背景には弁護士の詐欺まがいの金銭トラブルが絡んでいたのだが、警察はその真相を知らず、捜査は混迷するばかりだった…。
    デビュー作「咆哮」同様に本筋は犯人捜し、動機の解明という王道の警察ミステリーだが、肝心の警察の捜査力に難点があり、ミステリーとしてはやや物足りない。代わりに、被害者を中心にした人間ドラマの側面は複雑で面白い。また、シリーズ作品らしく登場人物の関係性が変化を見せていくのも読みどころ。特に、堅物・ヴァルナー首席警部が恋に陥るエピソードは今後の展開に興味を持たせるものである。
    派手ではないが読みごたえがあり、北欧ミステリーのファンにはおススメできる。

    iisan
    927253Y1
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.2:
    (4pt)

    (2021年―第104冊)またしても最後の最後で作者の仕掛けたどんでん返しに騙された

    2009年10月のドイツ南部。ミュンヘンよりさらに南のミースバッハ郡のリーダーシュタイン山でクメーダーという男が射殺される。たまさか発見者となったのは、登山道をジョギングしていたクロイトナー上級巡査。ヴァルナー主席警部指揮のもと捜査班が立ち上がるが、クメーダーから暴力を受けていた恋人が二年前に失踪していることがわかる。その失踪事件について情報があると、弁護士ファルキングがアプローチしてくる。この弁護士、一癖も二癖もあって、クメーダーの友人とも関係があって……。
    ----------------------------
     ドイツ人作家アンドレアス・フェーアの『 咆哮 』に次ぐ、警察小説《Wallner & Kreuthner》シリーズの第二弾です。前回同様、事件の第一発見者はクロイトナーですし、捜査の指揮を取るのはヴァルナー、ヴァルナーが暮らす祖父マンフレートは相変わらず扱いづらい行動を起こすものの、どうも憎みきれないところがある、といった具合です。

     随所にドイツ語圏特有の文化や習俗が散りばめられていて、ドイツ贔屓の私には小説を読む楽しさが倍加しました。
     書名になっている「羊の頭」はドイツ南部バイエルン地方で盛んなカードゲーム《Schafkoph》のこと。事件の関係者の間でこのゲームが行われていたということですが、事件そのものとの何か深い関係があるというようには思えないものの、そうしたゲームがあるということは初めて知りました。
     ヴァルナーが、「俺はプロイセン式の謹厳実直を旨としている。部下が決めたとおりに動いていれば文句はない」と言い放つ場面があり、ドイツ南部を舞台にしたこの小説の主人公がドイツ北部の価値観を旨としているのは興味深い話に思いました。
     ウィーンではトマトのことを「Paradeiser」ということや、戦時中、ナチス親衛隊員はトマトをアメリカから来た敵性野菜として1942年以降は食べなかったというエピソード、 その他、魔女話が出てきたり、マンフレートがカスラー(Kassler)のセロリピューレ添えを作る場面があったりと、ドイツ、ドイツしたところが次々と出てきて興趣が付きません。
     そう思っていたところで、「木を見て森を見ないとかいって、日本人はそう(=全体像をみようと)する」なんて一節が出てきて苦笑します。

     最終局面でヴァルナーとクロイトナーが、ある男を追跡する場面はいかにもテレビの世界で活躍していたフェーアらしい筋立てですが、そうこうするうち、最後の最後でクメーダー殺害事件をめぐる大どんでん返しがあって、息を呑みました。前著『咆哮』でも読者をうまく騙してくれたフェーアの作劇術は見事です。

     この《Wallner & Kreuthner》シリーズは2021年現在、ドイツ本国で9作目までが発表されているとのことです。第3作の『Karwoche(受難週)』も酒寄進一氏の見事な邦訳で読める日が来ることを期待しています。

    .
    羊の頭 (小学館文庫 フ 8-2)Amazon書評・レビュー:羊の頭 (小学館文庫 フ 8-2)より
    409406804X
    No.1:
    (4pt)

    コントロール・フリークが辿る苦難の道行き

    2021/1月に読んだ「咆哮」に続く「ヴァルナー&クロイトナー」シリーズの第二作「羊の頭」(アンドレアス・フェーア 小学館文庫)を読み終えました。
     舞台は、「ドイツの小さな町」、ミースバッハ。2009年10月、登山道を走るクロイトナー巡査が登場しますが、前作を読んだ読者には、彼が何かに遭遇するか、しでかすことになるだろうなとまずは想像できます(笑)。案の定、何者かが彼の目の前で狙撃され、殺害されてしまいます。一方、その2年前、DVに耐え切れなくなったカトリーンが一人の男から逃げ出そうと策謀する時系列の物語があって、その二つの物語が複雑に交錯しつつ語られながら、いくつかの殺人事件が撒き散らされ、結末へと至ることになります。
     詳細を書き記すことはできませんが、「咆哮」同様、<Who-Done-It>と<Why-Done-It>へと辿り着くべく、手がかりが小出しに語られていくことによってサスペンスが醸成され、読者はページを捲ることが止められなくなると思います。そっと引かれた伏線が後半少しずつ巻き取られていき、今回もまた小さな<はなれわざ>が炸裂します。途中、いささかご都合主義も垣間見えますが(笑)、まあ、許容範囲だとは思います。
     そして、<ミステリ的興趣>以上に、いささか壊れた、破天荒な登場人物たちによる活躍が今回もこのシリーズに鮮やかな彩りを添えていると言っていいでしょう。
     何かをしでかしてもタダでは起きない巡査・クロイトナー、ヴァルナーの祖父・マンフレートのダンディズム(笑)、そして今回は警部・ヴァルナーの味わい深い「出会い」も描写されて、作者によるもう一つのシリーズ、「弁護士アイゼンベルク」よりも(時に呆れながらも)楽しく読むことができるシリーズだと思います。
     ヴァルナーの相手、バイエルン州刑事局警察官・ヴェーラは、ヴァルナーのキャラクターを「コントロール・フリーク」と看破します。胸襟を開いて、コントロールをやめた時、リーダーシュタイン山の頂上へと駆け上がるクロイトナーが身に沁みて実感する「イエス・キリストの苦難の道行き」にも似て、清々しいエンディングが待っているのかもしれません。しかしながら、いつだって「希望」が長続きすることはありません(笑)。
    羊の頭 (小学館文庫 フ 8-2)Amazon書評・レビュー:羊の頭 (小学館文庫 フ 8-2)より
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