突破口 弁護士アイゼンベルク
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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一作目「弁護士アイゼンベルク」の方がミステリーとしては出来が良かったと思います。 | ||||
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刑事事件専門の女性弁護士アイゼンベルク・シリーズの第2作。殺人容疑で逮捕された友人の女性映画プロヂューサーを弁護することになり、警察とは別に、アイゼンベルクが独自に犯人探しをするサスペンス・ミステリーである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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弁護士アイゼンベルクの人柄が気に入っています。ファジョナブルで頭の切れる女性だす。今回幼い頃の姉との出来事が明かされました。 | ||||
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前著『弁護士アイゼンベルク』のレビューで書いたが、この著者はドイツの刑事裁判手続を熟知していて、刑事弁護人を主人公としたドラマを裁判手続のディテールを踏まえて書いている。その点では、同じ酒寄氏の翻訳になるシーラッハ(本物の刑事弁護士である)の著作同様、刑事小説の謎解きの面白さだけでなく、裁判手続のルールや弁護士と検察官・裁判官の駆け引きの面白さも味わえる作品となっている。 ある意味では玄人的な面白さともいえ、推理小説的な筋書きを楽しむという点ではまだるっこしいと感じる人もいるかもしれない。 ドイツの刑事裁判という点では、公判前の勾留審査が本書の主な舞台となっているが、これは日本にはない制度である。日本の場合、勾留理由開示手続というものはあるが、全く形骸化していてほとんど審理はなされない。ところが、本書のドイツの勾留審査では公判のような証人尋問を行っており、被疑者の身柄拘束継続の可否を裁判官が決める。いわば勾留審査を舞台とした法廷小説である。 加えて、主人公は刑事弁護専門弁護士だが、本書では探偵を雇って弁護側の独自捜査を行っており、その活動と情報が重要な役割を果たしている。例えば、勾留審査の証人尋問中に、探偵から証人に関する重要情報を電子メールで送ってもらい、それをすぐに尋問に活用するというスリリングな場面があるが、このようなことも日本ではまずないだろう。殺人事件の被疑者は一般に資力がなく、刑事専門弁護士や探偵を雇うことができないからだが、ドイツでは多くあるのだろうか。 なお、前著と同じく、本書でも現在の事件の進行と過去のエピソードの進行が並行して語られるため、読者は小見出しの日付に注意して読まなければならない。 ちなみに、主人公が弁護する被疑者は「ユーディット」という名前の女性であるが、旧約聖書の知識がある欧米の読者ならアッシリアの敵将ホロフェルネスを誘惑して寝首を斬首したユダヤの寡婦をすぐに連想するはずである。カラヴァッジョやクラナッハの有名な絵画もある。 著者がなぜこの名前を採用したのかは本文中にも解説にも書かれていないが、あるいは恋人を爆殺したとされた被疑者のイメージに重ねたのだろうか。読者の想像をかきたてる知的な仕掛けと言えそうだ。 | ||||
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「弁護士アイゼンベルク」(2018/5)、に続く「弁護士アイゼンベルク 突破口 」(アンドレアス・フェーア 創元推理文庫)を読みました。 前作を読んだのがそれほど前のことではありませんが、Amazonレビューを書く習慣以前の読書ということもあって内容をよく思い出せません。最後まで読み通せたとしても、印象が薄かったのでしょう。 恋人を爆殺したとして嫌疑をかけられた女性映画プロデューサー・ユーディットを弁護すべく、弁護士ラヘル・アイゼンベルクが重い腰を上げます。一方、その事件以前に起きた女性惨殺事件がクロス・カッティングし、尚且つ二つの事件がつながりを見せます。また、底流には主人公ラヘルが姉の命日になると心を騒がせるある事件がラヘルとその娘・ザーラの間に横たわっています。ラヘルはユーディットを守れるのか?事件の真相は? 今回は、探偵・バウムが地味に印象的な活躍をしますが、一方では本来事件を綿密に調査すべき「検察側」に苛立つことが多く、彼らが少し無能だとも感じました。よって、仕掛けのわりにはストーリーがもたつき、サスペンスが分断され、また意外性のないスリラーだったと言わざるを得ません。 幕切れは、(それはこのスリラーのメイン・ストリームではありませんが)ラヘルとその姉の「過去」の事件に纏わる真相が「霊性」をもたらし、とても良かったと思います。 | ||||
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その他、Amazon書評・レビューが 3件あります。
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