三日間の隔絶



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初公開日(参考)2022年05月
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長編小説

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三日間の隔絶 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2022年05月24日 三日間の隔絶 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

一家惨殺事件の生き残りの少女はグレーンス警部の手により保護された。17年後、その事件の資料が警察署内から盗まれていることが判明する。さらに17年前と同じ手口で当時の容疑者が殺される事件が起こり……。一方、潜入捜査官を引退し家族とともに暮らしていたピート・ホフマンの元に、彼の正体を知る謎の人物から脅迫状が届く。ホフマンは警察の人間が裏切ったのだと考えるが――。〈グレーンス警部〉シリーズ最新作。(「BOOK」データベースより)




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三日間の隔絶の総合評価:9.38/10点レビュー 8件。Aランク


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(9pt)

「ラストの衝撃が」という惹句は嘘じゃない、傑作!

グレーンス警部シリーズの9作目であり、潜入捜査官ピート・ホフマン・シリーズの第4作。グレーンスとホフマンが互いに潜入捜査を依頼し合い、命の危機にさらされながら真相を解明するサスペンスあふれる警察アクションである。
17年前の一家惨殺事件を彷彿させるギャング殺害事件が連続し、さらに当時唯一生き残った5歳の少女の行方を記録した関連資料が紛失しているのが判明した。当時も捜査線上に浮かんだ武器密輸組織が再び動き出し、少女が狙われるのではないかと危惧したグレーンスは、警備会社を経営して落ち着いた生活を送っていたホフマンに武器商人の世界の調査を依頼する。一方ホフマンには「おまえの正体を知っている」という脅迫状が届き、家族の命まで狙われる恐怖に襲われた。極秘のはずの潜入捜査に関する資料が流出したのは警察内部に敵がいるからだと確信したホフマンは、グレーンスに警察内部への潜入捜査を依頼する。二つの事件に関連があると見たグレーンスは交換条件をのみ、二人はお互いの背中を預け合うことになった…。
「三秒間の死角」からのタイムリミットものの面白さはそのままに、さらに連続殺人事件の捜査、警察内での裏切り者探しという心理サスペンスまで加わって盛りだくさん。しかも、それぞれのエピソードがしっかり構成されているので極めて密度が濃いサスペンス・ミステリーとなっている。しかも、定年目前になったグレーンスの心理描写が濃密で味わい深い。
グレーンスとホフマンのシリーズでは「三秒間の死角」と並ぶ傑作であり、ルースルンドのファンには必読とオススメする。シリーズ未読の方には最低限、前作「三時間の導線」を読んでから読むことを強くオススメしたい。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.7:
(5pt)

心臓に悪い面白さ!

グレーンス警部と潜入捜査員ピートとのW主人公シリーズは当初三部作のはずだった、と思う。三秒間、三分間、三時間で終了するはずだったこのシリーズは、さらに三日間、三年間と続くようで、今回は四作目の「三日間」の物語だ。何はともあれ、作者も多くの読者同様、このダブル主人公シリーズを終えるに忍びない状況となっているに違いない。

 迷惑なのは、長年潜入捜査を強いられているピート・ホフマンとその家族だろう。これまでいくつもの死地を潜り抜け、その都度、肉体的・精神的な負担を異常にかけられてきたピートと、そのとばっちりを受けっぱなしの家族に、いい加減平和と幸福をもたらしてほしい気持ちは読者心理の中でも上昇を続けんばかりなのである。

 しかし、やはり飛びついてしまう。やはり続編が有難いのだ。ホフマン家には申し訳ないが、またしても息を飲むようなピンチとそこからの脱出を試みて頂きたいのだ。本当に申し訳ないことなのだが。

 それはそれとしてグレーンス警部はそもそもが単独シリーズ主人公でもある。この極めて個性的で癖のある、全然格好良くない上、私邸にも帰らず警察署の私室で寝泊まりしているというワーカホリック。頑固で変化を拒まず、年下の上司にも扱いづらく思われている我らがヒーロー。そのグレーンス警部も定年退職まで残すところ一年を切っている状況。

 さらに今回の事件はグレーンス警部の心に巣食っている未解決事件の一つに端を発する。17年前、4人の家族が銃殺され、5歳の誕生日を迎えたばかりの少女が死体の遺された部屋で三日間取り残されていた。異常かつ過酷すぎる事件である。当初、ぼくはこの過去の三日間が、タイトルのそれなのかと思っていたが、タイトルの三日間はしっかりと現在のホフマンに対し約束通り与えられることになるのでご安心を。分刻みの時計がネジを巻かれる例の場面はこのシリーズの最大の楽しみである。それでも少女の三日間にも何らかの意味があるかどうか。それはそれで読んでみてのお楽しみ。

 犯罪組織の標的となった者たち。彼らが守られる、あるいは彼ら自身で自分たちを守る手段とは、一体何なのだろう。潜入捜査官であるピートは、職務の都度、別の人間になり替わって、犯罪組織の壊滅に貢献してきた人間である。絶対にその正体を知られてはいけない存在。

 本書では犯罪者側にピート・ホフマンの正体と家族の情報が漏洩してしまう。家族を隠そうと翻弄するピートばかりか家族情報までが、まるで彼らを翻弄するかのように洩れてゆく。これまでになかった絶体絶命の危機を招いている原因は何なのだろうか? 警察機関内部の敵を疑わざるを得ないという、これ以上ない緊迫した状況のなかで本書は進行する。絶え間ない緊張と、その重圧。

 グレーンスの過去の事件の上に、ホフマン一家が現在捉えられている危機とがどう交錯するのかわからないまま、物語はそれぞれに二つの重戦車の如く進んでゆき、思いがけぬラストに繋がる。いつものストーリーテリングが何よりも素晴らしく、その語り口が凝りに凝った仕掛けを支え続けている。タイムリミット型エンターテインメントであると同時に、17年前の家族斬殺事件の意味も明らかになってゆくだろう。

 しかし、どのように?

 この終始クリフハンガー的状況を、けれん味たっぷりに描く唯一無二の語り口。是非とも手に取って味わって頂きたいと思う。
三日間の隔絶 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:三日間の隔絶 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.6:
(5pt)

心臓に悪い面白さ!

グレーンス警部と潜入捜査員ピートとのW主人公シリーズは当初三部作のはずだった、と思う。三秒間、三分間、三時間で終了するはずだったこのシリーズは、さらに三日間、三年間と続くようで、今回は四作目の「三日間」の物語だ。何はともあれ、作者も多くの読者同様、このダブル主人公シリーズを終えるに忍びない状況となっているに違いない。

 迷惑なのは、長年潜入捜査を強いられているピート・ホフマンとその家族だろう。これまでいくつもの死地を潜り抜け、その都度、肉体的・精神的な負担を異常にかけられてきたピートと、そのとばっちりを受けっぱなしの家族に、いい加減平和と幸福をもたらしてほしい気持ちは読者心理の中でも上昇を続けんばかりなのである。

 しかし、やはり飛びついてしまう。やはり続編が有難いのだ。ホフマン家には申し訳ないが、またしても息を飲むようなピンチとそこからの脱出を試みて頂きたいのだ。本当に申し訳ないことなのだが。

 それはそれとしてグレーンス警部はそもそもが単独シリーズ主人公でもある。この極めて個性的で癖のある、全然格好良くない上、私邸にも帰らず警察署の私室で寝泊まりしているというワーカホリック。頑固で変化を拒まず、年下の上司にも扱いづらく思われている我らがヒーロー。そのグレーンス警部も定年退職まで残すところ一年を切っている状況。

 さらに今回の事件はグレーンス警部の心に巣食っている未解決事件の一つに端を発する。17年前、4人の家族が銃殺され、5歳の誕生日を迎えたばかりの少女が死体の遺された部屋で三日間取り残されていた。異常かつ過酷すぎる事件である。当初、ぼくはこの過去の三日間が、タイトルのそれなのかと思っていたが、タイトルの三日間はしっかりと現在のホフマンに対し約束通り与えられることになるのでご安心を。分刻みの時計がネジを巻かれる例の場面はこのシリーズの最大の楽しみである。それでも少女の三日間にも何らかの意味があるかどうか。それはそれで読んでみてのお楽しみ。

 犯罪組織の標的となった者たち。彼らが守られる、あるいは彼ら自身で自分たちを守る手段とは、一体何なのだろう。潜入捜査官であるピートは、職務の都度、別の人間になり替わって、犯罪組織の壊滅に貢献してきた人間である。絶対にその正体を知られてはいけない存在。

 本書では犯罪者側にピート・ホフマンの正体と家族の情報が漏洩してしまう。家族を隠そうと翻弄するピートばかりか家族情報までが、まるで彼らを翻弄するかのように洩れてゆく。これまでになかった絶体絶命の危機を招いている原因は何なのだろうか? 警察機関内部の敵を疑わざるを得ないという、これ以上ない緊迫した状況のなかで本書は進行する。絶え間ない緊張と、その重圧。

 グレーンスの過去の事件の上に、ホフマン一家が現在捉えられている危機とがどう交錯するのかわからないまま、物語はそれぞれに二つの重戦車の如く進んでゆき、思いがけぬラストに繋がる。いつものストーリーテリングが何よりも素晴らしく、その語り口が凝りに凝った仕掛けを支え続けている。タイムリミット型エンターテインメントであると同時に、17年前の家族斬殺事件の意味も明らかになってゆくだろう。

 しかし、どのように?

 この終始クリフハンガー的状況を、けれん味たっぷりに描く唯一無二の語り口。是非とも手に取って味わって頂きたいと思う。
三日間の隔絶 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:三日間の隔絶 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.5:
(4pt)

冒険小説の王道!

「迫りくるタイムリミット」「人質に取られた家族」「17年前の一家惨殺事件とのつながり」「そこでたったひとり生き残った少女のゆくえ」「アルバニアの銃密輸組織」「警察組織に潜む裏切り者」「信じられるのは自分と老刑事だけ」「幼いながら賢い息子」「驚愕の真犯人」などありとあらゆる要素が破綻なく埋め込まれています。

この著者のシリーズNo.1であると同時に2022年上半期冒険小説No.1でもありました。

細かくてすみません。「刑事の『直観』」が繰り返されますが、やはり「直感」だと思います。
三日間の隔絶 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:三日間の隔絶 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.4:
(5pt)

傑作

三秒間と並ぶ、もしくは超える傑作だと思います。
ホフマンの子どもたちの成長が地味に嬉しいポイント。
三日間の隔絶 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:三日間の隔絶 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151821643
No.3:
(4pt)

「三」シリーズ「四作目」

「三秒」「三分」「三時間」とくれば「三日」と続く北欧アクションシリーズの王道です。家族を惨殺されてたったひとりだけ残されてしまった五歳の女の子。それから15年以上たった現在、まったく同じ手口で殺された暗黒街の関係者たち。そして、刑務所、麻薬組織、人身売買とつねに死と隣り合わせの潜入捜査を続けてきた主人公はようやく家族との平穏な暮らしを手に入れたが、どこかに寂しさもあり「アドレナリン」の吹き出すような展開を期待している、という背景です。

そこに主人公を脅迫するネタが次々と送られてくるが、どうしても過去の事情が警察から漏らされているとしか思えず、また偏屈な警部と主人公がタッグを組んで先制攻撃を開始します。ここまでがおよそ前編でもう後編までイッキ読みの予感となりました。
三日間の隔絶 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:三日間の隔絶 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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