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死刑囚



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初公開日(参考)2011年01月
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長編小説

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死刑囚 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2018年05月02日 死刑囚 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ジョンと名乗るカナダ籍の男がスウェーデンで暴力沙汰を起こして逮捕された。グレーンス警部らの捜査で、ジョンの国籍は偽造されたものだと判明。さらに彼の正体は米国の死刑囚なのではないかという疑惑が浮かぶ。だがその囚人は、数年前に刑務所で命を落としたはずだった―ありふれた傷害事件は各国政府を巻き込む大問題へと変貌する。ジョンを待つ運命とは?極限状況から人間の罪と罰に迫る警察小説シリーズ第三作。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

死刑囚の総合評価:8.08/10点レビュー 12件。Bランク


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全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(8pt)

死刑は正義なのか?

スウェーデンのジャーナリストと服役囚支援者という異色コンビによる「エーヴェルト・グレーンス警部」シリーズの第3作。日本では2011年に刊行され絶版になっていたのが2018年に再文庫化された作品である。グレーンス警部のチームによる捜査より死刑制度に焦点を当てた社会派ミステリーである。
スウェーデンで暮らすカナダ国籍の男が暴力事件で逮捕された。ところが捜査を進めると、ジョン・シュワルツと名乗るこの男のパスポートは偽造されたものだった。しかも、6年前にオハイオ州の獄中で死んだアメリカ人死刑囚であることを示す証拠が出てきた。もし、死を偽装して逃走した死刑囚であれば、アメリカ政府は引き渡しを要求し、死刑を実行するだろう。だが、EUの一国であるスウェーデンは死刑を廃止しており、死刑制度がある国への死刑囚の送還は禁止されている。とは言え、アメリカと良好な関係を維持したいスウェーデン政府は、引き渡しを拒めるだろうか? 死刑制度に反対のグレーンス警部たちは、あの手この手で送還を阻止しようとするのだが・・・。
事件捜査自体は単純で、グレーンス警部らは捜査より政治的な駆け引きに奮闘する。一方、ジョン・シュワルツの地元、オハイオ州の田舎町では被害者の父親を筆頭に死刑の実行を求める声が高まり、ジョンの引き渡しと死刑の実行は当然のことと思われている。このアメリカとスウェーデンの意識の違いが、物語を面白くしている。死刑制度が当然と捉えられている日本では、アメリカに近い世論が形成されるのだろうが、そこに小石を投げ入れるぐらいの波紋は起こしそうな問題提起を含んだ作品である。
警察小説としても合格点レベルに達しているし、シリーズ作品ならではのメンバーたちの様々な変化も興味深い。シリーズ愛好者には必読。社会派ミステリーファンにもオススメだ。

iisan
927253Y1
No.2:
(6pt)

面白くないわけではないのだけど

死刑廃止論者?みたいな流れがちょっと鼻につきました。
(私は死刑廃止でも死刑推進でも、どちらでもないのだけど)
純粋にミステリーを楽しみたい人向きではない・・・これだけはハッキリしてます。
「熊と踊れ」が面白かっただけに、この作家にはちょっとガッカリでした。

それと、主人公の設定が作者の狙い通りに?読者にどこまで受け入れられるのか・・・ここ!疑問です。
破天荒な主人公って、今まで何十冊?或いはそれ以上読んできましたが、この設定は何か嫌ですね。

ももか
3UKDKR1P
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

感想

ルースルンド・ヘルストレムの2人の作品で邦訳されているものは3冊とも読みました。
いずれも秀作ですが、娯楽ミステリーと思って読むとちょっと雰囲気が違うかもしれません。
死刑制度に対する問いかけであり、死刑制度もひとつの暴力だと定義することにはすごく意味があると思います。犯罪に対して厳罰化を進めることではなんら犯罪が減っていかないことは、アメリカを見ているとそのとおりだと思います。
被害者の遺族の行き場のない怒りや悲しみは、加害者が合法的に殺されることで本当に多少なりとも救いを見出せるのか?本当にそれしかないのかを考えさせられます。
辛い過去を葬りスウェーデンの地で密かに生きていたジョンですが、些細なことで暴力を使ってしまう衝動を抑えることができなかったことで、破滅の道をたどることになってしまうのです。
メインキャストである3人の警察官と1人の検察官。4人ともが死刑に対して明確に『反対』と言えることにヨーロッパの成熟した社会が感じられる反面、日本に比べて犯罪の割合が多いのも事実で、どちらがいいとはなかなか比較できないと思いました。

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たこやき
VQDQXTP1
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No.9:
(4pt)

死刑制度を深く考えさせられました!

エドワード·フィ二ガンの消炎反応は調べなかったのかな?
他殺に見せかけるトリックは、なぜ見破れなかったのか?
数々の疑問は残りますが、死刑囚の人を実際、死刑にする人々がいて、刑が執行されるんだという現実を再認識できました!
映画化するんだったら、ヴァ―ノン·エリックセンの役は、「真実の行方」のエドワード·ノートンがぴったりかもと、勝手に思いました!
死刑囚 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:死刑囚 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151821554
No.8:
(5pt)

引き込まれる

話の途中、途中で、「今ネタバレするの?」「この後の展開どうするの?」っていうようなドキドキワクワクで最後まで楽しんで読めました。

色々な登場人物が登場して、誰もがこの小説のタイトルの「死刑囚」に色々な立場から関わってきて、それぞれの考え方、人間性、登場人物の奥深さが伝わってきて考えさせれた。面白かった。
死刑囚 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:死刑囚 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151821554
No.7:
(5pt)

丹念なレポートに基づく良書

自分の子が殺されたら、、わかりません。でも、私はそれでも、たぶん、死刑は反対です。「殺すな」と言いながら、人を殺す罰はおかしい。この本には、死刑囚の背景が丹念に描かれ、考えさせられます。
死刑囚 (RHブックス・プラス)Amazon書評・レビュー:死刑囚 (RHブックス・プラス)より
4270103752
No.6:
(5pt)

スウェーデンとアメリカの死刑観の違いが浮き彫りになる。

スウェーデンで傷害犯として逮捕された男が、実はアメリカで死刑執行を目前にして死亡していた男だったというところから始まる社会派サスペンス。スウェーデン(EU諸国)とアメリカの、死刑制度や市民の死刑観の違いがメインテーマで、「謎解き」の要素は副次的。特に「後日談」的な部分は、そここそがミステリとしては重要なのだが、私にはとってつけたもののようにすら読めた。
 これまで読んだ同じ著者の『地下道の少女(刊行順では『死刑囚』の次)』『制裁』『ボックス21』と同様、本作も読後の爽快感は皆無だが、とにかく読ませる。その緊迫感が、ティム=ロビンス監督、スーザン=サランドン、ショーン=ペン出演の映画『デッドマン・ウォーキング』を思い出させた。
 それにしても、日本にいると、犯罪をよく知る主人公グレーンスたち警察官3人と検察官が異口同音に「死刑に反対だ」と言い、被疑者をアメリカに送還する(そうなれば間違いなく死刑になる)ことを阻もうとするところなど「へええ」である。
 刑事司法での国際協力や外交と、各国の司法的な独自性との矛盾についても考えさせられる。日本は、米国と並んで先進国では稀な死刑存続国だから(アメリカは厳密には州によって異なる)、例えばオウム真理教のリーダーAが国外逃亡しEU内で逮捕されていたとしたら、本作のストーリーと同じように国際問題になったのだろう。果たしてそういう場合、EUはAを日本に引き渡しただろうか。
死刑囚 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:死刑囚 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151821554
No.5:
(4pt)

EU から見た死刑制度

スウェーデンで重傷害罪で逮捕されたカナダ国籍の男が、実はアメリカで死んだ死刑囚だった。
この小説の前半は謎の男がどうやって生き延びてスウェーデンに来たかの解明にあてられるが、後半は死刑囚の送還を求めるアメリカの被害者家族とそれを阻止したい主人公らの暗闘が描かれる。
先ごろ日本で執行されたオウム真理教幹部の大量処刑にEU は抗議の意思表明をしたが、この本はEU 諸国民の死刑に対する価値観を知る上で有益である。彼らは建前ではなく本音で、国家が人命を奪う死刑が野蛮で許されないものと考えている。
死刑の手続きと執行の実態がリアルに描かれているのは、死刑は観念的なものではなく、まさに人を殺すことだと示すためだろう。この点、日本では死刑執行は徹底的に秘匿され事後的に公表されるだけで、「国家が人を殺す」ことへの生々しい実感が持てないようにされており、したがって、その非人道性や不条理についての議論が深まらないのである。

ただ、こうした死刑制度という重いテーマを扱うものとしては、小説の最後のとってつけたような不自然な後日譚(いかにも小説的ひねり)はなくもがなであり、星1つ減らした。
死刑囚 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:死刑囚 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151821554



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