原野の館
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大好きな作家で、これまで何作品か読んでいますが、今回も応えたました。その描写力の素晴らしさ。それはこの作品に息吹を与える。 おぞましさと嫌悪に耐えながら、じっと心の中で葛藤するメアリー。しかしながら正義と愛、勇気が(また好奇心による怖いもの見たさもあったりしてそれが面白味を醸す)この物語を突き動かす。密やかだが、それを正義と言わず何と言おうか。 ミステリー、サスペンス、ロマンスの要素たっぷりで、時には乱暴なシーンもあるのだが、女の性(さが)や弱さにも目を瞑らず描ききるモーリアは流石。読後は、メアリーとともにその世界から抜け出た感じ。メアリーはしばらくの間、私の心の中に生き続けることでしょう。 あまりのドラマティックな展開に気を取られてしまいそうですが、その根底に、メアリーによって”正義”とそして”愛”が貫かれているのでした。余すことなく楽しめる作品です。 | ||||
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ジェフリーディバー作のキャサリンダンスシリーズの中に当該作家の本の話しが出て来たのですがレベッカを読んでて、大変印象的な本だったので探して購入しました。古い著作なんで在庫があった事に驚きです。対応も速やかで本がとても綺麗でした。 | ||||
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短篇集「鳥」、「いま見てはいけない」のクールで理知的、多彩な話に思わず引き込まれてしまう、その語り口にファンになってしまったデュ・モーリア。この本で長編をはじめて手にとった。これが2冊の短篇集とは、全然違う趣の、若いヒロインの冒険譚。歌舞伎や講談のような語り口。野球に例えると(?)多彩な変化球を駆使してという短篇とは違い、この長編は直球(ストレート)勝負といった感じ。本書は、初期の作品とのことなのでそれも関係しているのか?この作品の魅力は、英国のコンウォール地方のムーアと呼ばれる原野と、そこに生きる原始のような荒々しい人々をこってりと描いていることにある。原野(ムーア)の自然描写がこってりと描かれ、それに影響されたであろう本能のままに生きるような人物たちの濃厚なキャラクターもこってり。歌舞伎や講談などが想起されたのも、悪役たちの激しい性格や、その激しい行動を描写する文章からなのかもしれない。ちなみにコンウォール地方の原野(ムーア)は、シャーロック・ホームズの「バスカヴィル家の犬」の舞台にもなっているところ。怪しげなところもあるが、何か厳しい凛とした自然の力強さが強く感じられる。一度、行ってこの目で見てみたいようにも思った。確認してはいないが、きっと今もそのままに残っているんじゃないかな?日本だと荒地なんか、宅地造成などの開発をすすめて見る影もなくなってしまうところだが、ヨーロッパの国々は自然の造形を大事にしますからね。訳者あとがきによると、この物語は1815年頃という時代設定らしい。実際にこのジャマイカインという館(宿屋)も存在したようです。ヒロインもはじめは理性とか道徳心から行動しているように見えるが、愛に関しては、自分のなかにある本能のままに動いているよう。これが英国のこの時代の価値観なのか、この土地の厳しい自然が人間を動かしているのか、たいへん興味深かった。 ちなみにヒッチコックが映画化した「巌窟の野獣」は、舞台設定は同じだが、ストーリー展開は大きく異なる。ただ、コンウォールの原野(ムーア)の雰囲気が出ているように思う。 | ||||
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時折、描写が先走って、ストーリーが置いて行かれる傾向がありますが、現代にも通じる面白さがあると思います。 自然描写の素晴らしさもさることながら、主人公のキャラクター造詣が見事です。決して裕福でも、家柄が良いわけでも、学歴があるわけでもない主人公が自らの意思の力で、困難に立ち向かっていく姿は、現代でも多くの読者の共感とあこがれを得るのではないでしょうか。 | ||||
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1936年に発表された、1810年代のイギリスのコーンウォール州北部の荒野を舞台にした物語。 90年近く前に描かれたものなので、ヒストリカルとしてもリアル感がある。 私は古い小説には慣れていないのだが、務台氏による新翻訳なのであまり違和感なく読むことができた。 その地方の風情が詳細に描かれており、背景の雰囲気がとてもよくつかめる。 主人公メアリーをはじめとして館の主(メアリーの義理の叔父)など各脇役の人物像も丁寧に描写されており、単純に善人悪人と区切れないところが深みがあってリアルだと思えた。 …中盤あたりから動きが出てどんどんおもしろくなる。 メアリーを挟んだ謎のふたりの男はどうなんだろう、と思いながら…。 ラストシーンがとてもいい。 スリルとサスペンス、ミステリー、ロマンスがあり、いい内容だ。そうとは知らなかったが、さすが『鳥』『レベッカ』の原作者。読んでみて、力のある作家だと思えた。 | ||||
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